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June 16, 2009

特別指令 “マイバウムを盗め”

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何やら物騒なタイトルですが、今日は「マイバウム(メイポール)にまつわるお話」です。

5月になると、オーストリア各地の村や町では広場などに「マイバウム(Maibaum)」が立てられますね。

何でも、「マイバウム(メイポール、直訳すれば五月柱)」は、元々ゲルマン民族のお祭りで、オーストリアの他、ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、フィンランド、スウェーデン、イギリスで盛んだそうです。イギリスで盛んというのは、意外な感じがしますね(お祭りの様式は、国により違うようです)。

このマイバウムという風習が、どのような目的で生まれたのかは、諸説あるようです。ただ一般的には、長い冬が終わり、 春の到来を祝うお祭りのシンボルとして生まれたようです(五穀豊穣をお祈りするためという説もありますね)。よく広場で見かける「特大のもの」の他に、自宅の前に立てられる「小振りのもの」もあるそうです。

また、5月中だけ立てられているケースと、夏の間中立てられているケースがありますが、Feriが毎年、夏に訪れるザルツブルク州の田舎では、8月の後半まで立っています。

さて、先日、ウィーンにお住まいの方から、マイバウムにまつわる「面白い話」をうかがいました。というのは、5月の最初3日間と、終わりの3日間、オーストリアでは「マイバウムを盗んでもよいという風習がある」というのです

たとえば、隣町に出かけていって、夜陰に常時で、マイバウムを盗み、自分たちの町へ持ち帰ってしまう …という訳です。

盗まれた町の住民もびっくりでしょうね。朝起きたら、マイバウムが消えていた…という訳ですから 。で、盗まれた町の人は、盗んだグループ(巨大なものは一人では、とても盗むことができませんから)のところに行って返してもらうように交渉するそうです。

その際、おおむね、 ビア樽を持って行って、それと交換するとか…何となく、イメージが沸きますね

何でも、今年の5月末には、某地方で、最近、希に見る成果(要するに周辺の町から大量にマイバウムを盗んできたという意味ですが)を上げたとかで、マスコミでも話題になっていたとか…

当然、若者が「犯人」なのですが、地域の年配者の中には、“今年は、骨のある若いヤツが多いのぉ”と、この「結果」を評価する向きもあるようです。こんな話を聴いたら、実際に盗み出すところを見たくなってしまいました

ところで、「マイバウムを盗む」という風習は、ドイツの一部地方でも行われているという話を聞いたことがあります。こちらは、自分が好きな女性の寝室の窓の下に、色とりどりの紐で飾った「白樺の木」(これがマイバウム)を立て、「自分の思い」が届くようにと願うそうです(昔の風習でしょうね)。

で、男性たちが互いにマイバウムを盗もうとするそうです。そのため、男性たちは、自分のマイバウムを見張りつつ、どうやって他人のマイバウムを盗むかに知恵を働かせるとか…これもまた、面白い風習ですね。

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