« 恒例のシェーンブルン宮殿野外コンサート | Main | 観客は10万人 »

June 05, 2009

ウィーンでよみがえる浅草オペラ「フラ・ディアヴォロ」

Img_4904_001

昨日、ウィーンではシェーンブルン宮殿でウィーンフィルの野外コンサートが行われました。今年は、ちょっと寒かったものの雨には見舞われず、予定通り、行われました。Feriは、実は別のコンサートに行ったのですが、そのお話は後日。

さて、今日は久しぶりにFeriのホームグラウンド「フォルクスオーパーの話題」をお届けしましょう。

今シーズン、フォルクスオーパーで プルミエを迎えた作品の中で、Feriが注目していたのがフランスの作曲家オベールの作品「フラ・ディアヴォロ」です。イタリア南部の旅籠を舞台に、ギャング団のボスであるフラ・ディアヴォロとちょっと抜けた手下達が繰り広げる喜劇です

日本では1919年に初演されたそうです。まさに「浅草オペラ」が華やかなりし頃で、当時の人気歌役者・田谷力三が歌う「ディアヴォロの歌」が流行したそうです 。当時の日本は、こんな演目を取り上げたのですから粋でしたねぇ

さて、フォルクスオーパー版では、全編ドイツ語で上演されました。

Feriが観た日の指揮は Roberto Paternostroが担当しました。主な出演者ですがフラ・ディアヴォロ役がBanditPhilippe Do、ツェルリーナ役がAndrea Bogner(私の好きな歌手の一人、「こうもり」でアデーレなども担当しますね)、ロレンツォ伍長役がSebastian Reinthaller(「メリーウィドウ」では、カミュ・ド・ロシュ役で登場することがある歌手です)、クッツクパーン卿の妻パメラ役がAlexandra Kloose、クックンパーン卿役がKlemens Sander、ツェルリーナの父マッテオ役がChristian Hübner、フォラ・ディアヴォロの手下ジャコモ役が RäuberStefan Cerny、同じくフラ・ディアヴォロの手下ベッポ役がThomas Sigwald、クッツクパーン卿の使用人役がMartin Zlabingerという面々でした。

「地獄のオルフェウス」や「こうもり」では主役を演じるThomas Sigwaldを端役に起用するという贅沢なキャスティングです。

この作品はオペラなのですが、ドタバタ喜劇で「今よみがえる浅草オペラ」の乗りです。お話は、ギャング団のボスであるフラ・ディアヴォロが、クックンパーン卿夫婦の持っている金品を狙う展開を中心に、ロレンツォとツェルリーナの恋をからめたお話です。

フラ・ディアヴォロ一味は、最後にロレンツォ率いる警察部隊に追い込まれてしまいます。さぁ、フラ・ディアヴォロの最後は…あっと驚く最後なのですが、これは「ネタバレ」になるので紹介は控えておきましょう 。結末が知りたい皆さまは、フォルクスオーパーへ是非どうぞ。

ところで、オペラの場合、原語を現地語に切り替えるのはリスクが多いのですが、今回は見事なドイツ語版になっていました。また、この演目は歌や曲がなく「完全にお芝居の場面」が存在します(しかも、時間が長く、指揮者もオペレッタのようにいすに座っていました)。そのため、見方を変えればオペレッタと言っても良いかもしれません。このほか、ソロのアリアよりも重唱が多いのが特徴です。

舞台装置は最近の傾向である簡素なものですが、それなりの雰囲気は出していました。なお、各幕とも中央の「大きな木」が印象的です。また、なぜか、舞台設定が異様に詳しいのですが、その設定状況が序曲の演奏中、舞台前面のスクリーンに映し出されます(ちなみに設定状況は1930年頃のテッラチーナ。ローマの南ある港町。北緯41°17、統計13°15に位置し、郵便番号04019。5月初頭の午後4時32分のこと。天候は晴れ、南西の弱い風が吹き、気温は25.2℃といった具合です)。

Img_4890_001

出演者ですが、フラ・ディアヴォロ役のBanditPhilippe Doは、この役のために今回抜擢された歌手のようで、雰囲気がぴったりでした。まだ、演技がこなれていない部分もありますが、来シーズンに向けて、大いに期待できそうです。

また、ツェルリーナ役のAndrea Bognerやロレンツォ伍長役のSebastian Reinthaller、ベッポ役がThomas Sigwaldはフォルクスオーパーの常連だけに、安心して見ることができる歌と演技でしたね

このほか、クッツクパーン卿の妻パメラ役Alexandra Klooseとクックンパーン卿役のKlemens Sanderは演技で良い味を出していました(特に寝室での演技となる二幕)。

存在感があったのはツェルリーナの父マッテオ役のChristian Hübnerです。とにかく体格の良い歌手で、舞台上ではひときわ目立っていました(Andrea Bognerと並ぶと、本当の親子のようでした)

また、クッツクパーン卿の使用人役のMartin Zlabinger(役者さん)は、役の設定上、「終始無言」な上、周囲にいたぶられるという気の毒な役ですが、逆に強く印象に残りました(いわゆる「いじめられ役」)。また、1幕と2幕では、クックンパーン卿のペットとして、かわいらしい犬も登場します(当然、本物ですよ)。

Img_4882_001

全体的に合唱や重唱が多く、お芝居がしっかりしているので、楽しめるオペラに仕上がっていました。ただ、2幕は物語の進行上、若干バタバタしたような印象がありました。コミカルな要素が強く、フォルクスオーパーにふさわしいオペラと言えるでしょう。それにしても良い演目に目をつけたものだと思います。上演時間も2時間30分(休憩一回を含む)と短いので、気軽に楽しむことのできるオペラと言っても良いでしょう。

さて、最後の写真の「決めポーズを取ったお子さま」ですが、この子がフラ・ディアヴォロではありませんので、ご注意を。でも重要なキーマンの一人です。後は、観てのお楽しみ

|

« 恒例のシェーンブルン宮殿野外コンサート | Main | 観客は10万人 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 恒例のシェーンブルン宮殿野外コンサート | Main | 観客は10万人 »