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July 14, 2009

「ロシアの皇太子」の思い出

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2008/2009シーズンも終わってしまったので、しばらくオペレッタやオペラの話題をお届けすることができません。そんなわけで、昔話を一つ。

中嶋彰子さんが出演していたことで有名になったフォルクスオーパーのオペレッタに「ロシアの皇太子」があります。

フォルクスオーパーにおける中嶋彰子さんの評価は、この「ロシアの皇太子」で決まったと言っても良いかもしれませんね。Feriが「ロシアの皇太子」を見ることができたのは、2003年6月のことでした(ちなみに、この時の注目公演は国立歌劇場の「ルチア」でした )。

当日の指揮はミヒャエル・トマシェク(Michael Tomaschek)で、主なキャストはDer Zarewitsch(ロシアの皇太子アレクセイ。実際には皇帝ツアールの息子なのでツアーレビッチと呼ばれています。これが原題ですね)役がJohan Weigel、Der Großfürst, sein Oheim役がJosef Luftensteiner、Der Ministerpräsident役がKlaus Ofczarek、Sonja役がAkiko Nakajima、Iwan, der Leiblakai役がKarl-Michael Ebner、Mascha, seine Frau(イワンの恋人)役がMartina Dorak、Erster Lakai役がJosef Forstner、Zweiter Lakai役がSándor Németh、Dritter Lakai役がGernot Kranner、Fürstin役がManuela Culkaでした。今振り返るととかなか充実したキャスティングですね。

なお、当日は国立歌劇場の公演が「ドン・ジョバンニ」(確か、小澤征爾さん指揮だったような記憶があります)だったためか、お客さまの入りは6割程度で、かつオーストリアの方が多かったように記憶しています。

実は、今振り返ってみると、この時期、フォルクスオーパーのオペレッタは「揺れ動いていた(というかさまよっていた)時期」でした 。そのため、演出も演目ごとに大きく異なっていたように思います。

さて、「ロシアの皇太子」ですが、この演出には正直驚きました。というのは、劇場に行ってビックリ。緞帳が開けっ放しになっており、なんとオーケストラピットがなくなっているのです。ご存知の方も多いと思いますが、フォルクスオーパーのオーケストラピットは床がジャッキアップできるようになっています。実際、公演中に演奏しながらジャッキアップした演目もありました(これは、また機会を改めてご紹介します)。

つまりオーケストラピットがジャッキアップされて、舞台と完全に一体化していたのです。当然、そうなると通常の緞帳は使えませんから、開いたまま

さて、オーケストラはどこに? そして、指揮者のトマシェクは、どこに? と考えているうちに、公演が始まりました。何とオーケストラと指揮者は舞台後方に設けられた足場(というか実際は2階ですね)の上に陣取っているではありませんか。これにはビックリしました。

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このほか、せり上がったオーケストラピットの部分は、完全に水平ではなく、客席からの視界を確保するため、かなり傾斜していました(後ろが上がっています)。歌手の皆さんも、舞台上で転けると、一気に客席まで落ちてきてしまいます。そのためか、舞台最前部には透明アクリル製の衝立(背は低いですが)が取り付けられていました。

当ブログをご覧に皆さんにはバレバレですが、Feriは通常、フォルクスオーパーでは平土間の最前列をとるようにしています。これは、平土間の場合、前に座高の高いお客さまがくると、舞台が見えにくくなるためです。もちろん、2階バルコンの最前列でも良いのですが、歌手の表情などをしっかり見るには、やはり最前列が一番です(実は、最前列にいるときでもオペラグラスは使っています。これは細かいところをチェックするためなのですが…)。

「ロシアの皇太子」の時も、幸い最前列が確保できたのですが、オーケストラピットがせり上がって、事実上、舞台となっているため、逆に近すぎで見づらい結果になってしまいました

また、オペレッタには欠かせないプロンプターさんも、通常のプロンプターボックスが使えないため、何と一番舞台寄りのロジェを使っていました(当然、一般のお客さまは立ち入り禁止です)。これは、正直、やりにくいでしょうね。何しろ、正面ではないですから…

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演奏は終止、舞台後方の2階で行われましたが、実はその前(通常の緞帳がある部分)には、時々、背景画が降りてきます。そのため、背景画越しに演奏するという変わった場面も観られました(三枚目の写真が背景絵を下ろしたところです)。

衣装などは当時の雰囲気を醸し出すオーソドックスなもので、お話の中身もオリジナルに沿っていまい多。しかし、舞台装置には面白い仕掛けが…。逃避行したナポリの場面で、なぜか舞台上に小さなプールが特設されていました 。このプール、実際に水が入っており、ソニアが足を入れている場面もあったと思います。もしかしたら、この特設プールのために、オーケストラピットをせり上げたのでしょうかね。

当時の印象としては、しばらくぶりのオペレッタだったこと、最悪演出の「伯爵令嬢マリッツア」 を観た直後だったことなどから、一風変わった演出であるにもかかわらず「まとも」に見えてしまった記憶があります。また、1幕では、男装をした中嶋さんの凛々しい、エキゾチックな姿が印象的でした。

また、ポイントとなる1幕のアリア、2曲(「ヴォルガの歌」と「素敵な人がやってくる」)も見事でした。

そんな訳で、カーテンコールでも、中嶋さんをはじめとする出演者に盛大な拍手が送られていました。結局、中嶋さんが出演した「ロシアの皇太子」は、残念ながら、その時、1回しか観ることができませんでしたが、今となっては良い思い出になっています(当時は、年に一回か、二回のウィーン訪問が精一杯でしたので…)。

しかし、その後、フォルクスオーパーのプログラムから「ロシアの皇太子」が消えてしまったのが、残念でなりません。

来年のメルビッシュが「ロシアの皇太子」ですから、もしかすると2010/2011シーズンあたりにフォルクスオーパーでも復活するかもしれませんね。

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