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July 27, 2009

注意 この路線で臨時車内改札がありますよ

Img_2392_001

今日はウィーンの「公共交通機関にまつわるお話」です。

ウィーンを訪問した方はご存知のように、路面電車やバス、地下鉄などの公共交通機関は、乗車前に チケットを買い、乗車後、専用の機械で乗車日・時間などを打刻するシステムですね(地下鉄はプラットホームに入る前、改札口にあたる場所に打刻機がありますが)。

乗車前にチケットの提示を求めらない自己申告システム、信用乗車制と言っても良いでしょう。

信用乗車制は、鉄道会社側のシステムは簡単でよいのですが、不正乗車が増えると経営が成り立たなくなってしまうというウィークポイントがあります。

そこで、以前も当ブログでご紹介したように定期的にチケット所持検査(いわゆる検札、臨時車内改札)を実施しています

検札の方法は、私服の係員が車内で乗客一人ひとりをチェックする方法が基本ですが、地下鉄などでは駅の改札口をブロックして行う場合もあります。

この検札では、 チケットを持っていなければ、理由の如何を問わず60ユーロの反則金を払わなければなりません(厳密にはチケットを持っていても、乗車日・時間の打刻をしていなければ無効です) 。この高額な反則金によって、信用乗車制を維持していると言っても良いでしょう。

普通、「臨時車内改札(要するに無賃乗車の取り締まりですよね)は秘密にすることで、その効果が高まる」…と考えがちですが、何と、ウィーンでは、この臨時検札の情報が公開されているのです

Standard_001

内部通報者が情報を秘密裏に公開しているのではなく、当局であるWiener LinienがWebサイトを通じて公開しているのです

「臨時車内改札の情報」を公開している代表的なWebサイトは以下の通りです。

Schwarzkappler-Info
http://derstandard.at/fs/1925822

Schwarzkappler Warnung
http://apps.vienna.at/tools/schwarzkappler/

Der StandardのWebサイトでは、ご丁寧に「臨時車内改札情報」を携帯電話にSMS(ショートメッセージ)で送ってくれるサービスも導入されています(有料サービスですが)。

なぜ、当局がこのような情報を流しているかと言えば、事前に警告を発することで、該当する路線の利用者が「その日だけでも切符を事前に買う可能性が高まるから」だそうです。確かに、臨時車内改札は効果がありますが、人件費も含めてコストがかかりますから、このような情報提供で、乗車券の事前購入率が上がれば、「しめたもの」と言えるかもしれません。

実際、Der StandardのWebサイトには、「検札対象路線で多くの切符を買ってくださることに感謝する」といったニュアンス文章が載っています。なお、この「臨時車内改札情報の公開」は、かなり前から行われているようです。

Schwazkappler_warnung_002

さて、気になるのは信用乗車システムで、どのくらいの不正乗車が発生しているかと言うことです。気になって調べたところ、不正乗車客(現地ではSchwarzfahrerと言うそうですが)の割合は、おおむね全乗客の4%から6%だそうです

ところで、日本人の感覚だと、逆に“この路線以外は検査をしていないのならば、他はチケットを買わなくても大丈夫だ”と考えてしまいそうですが、そういう不心得者はいないのでしょうかね。最も、情報を提供している路線以外では、「その日は絶対に臨時車内改札を行わない」…という意味ではないでしょうから、抑止効果はあるのかもしれません。

日本では、JRや私鉄など経営体が違う鉄道間の乗車も含めて、高度な自動改札システム(最近ではICカードですが)を駆使して、運賃の「徹底徴収」に努めています(時々、プログラムのミスで多く運賃を取りすぎたという話もありますが… )。

このシステムの設置や運用には、巨額な費用が費やされていると思うのですが、仮にウィーンのような信用乗車制に切り替えた場合、どのくらい不正乗車客が発生するでしょうね。ちょっと興味がありますね。

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