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August 28, 2009

フォルクスオーパー「メリーウィドウ」こぼれ話 出演者編2

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連載の最終回は「出演者編」の後半をお届けします。

○時代と共にキャストも代わる
昨日はダニロ役までご紹介しましたが、ハンナ役ですが、こちらはもっと難しいですね。
Feriが旧演出バージョンで観たハンナは、Althea-Maria Papoulias、Regina Renzowa、Izabela Labuda a.G.、Ulrike Steinskyの4人です。Feriは、来日公演でも活躍したRegina Renzowaがお気に入りでした。

ただ、Feri個人の見方なのですが、彼女は「チャールダーシュの女王」のシルヴァが一番似合っているように思います。旧演出時代、ハンナの雰囲気にはAlthea-Maria Papouliasの方がピッタリだったように記憶しています。歌唱力もあり、なかなか魅せる演技だったと思います。

新演出になってからは、Noemi Nadelmann、Ulrike Steinsky、Ursula Pfitzner、Elisabeth Flechl、Edith Lienbacher、Caroline Melzer、Ursula Pfitznerと、出演者がよく変わっています。Feriが見ている範囲で、旧演出と新演出の両方に出演しているのは、唯一Ulrike Steinskyと言うことになります。Feriの独断と偏見ですが、現時点では、Ulrike Steinskyが一番、ハンナにあっていると思います heart02 (冒頭の写真はUlrike Steinskyです)。

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ベランシェンヌ役ですが、新旧の両演出で最もよく見ているのが、Martina Dorakです(写真はMartina Dorakの名演 heart02 )。ベランシェンヌ役は、現在は3幕で自らカンカンを踊る(事実上のカンカン・ソリスト)ため、起用できる歌手が限られてしまいます。

何しろ、本人が踊る上に、バレエ団メンバーによるリフトもありますから(つまり、軽い身のこなしが要求される訳です)。このほかでは、Bernarda Bobro、Gabriela Bone、Jennifer O'Loughlin、Adrineh Simonian、Renee Schuttengruber、Renate Pitscheiderなどが出演しています。Martina Dorak 以外では、Renee Schuttengruberも、踊りも含めて良い演技をしていますね。

ツェータ男爵役は、最初の頃はもっぱらRudolf Wasserlofでした。この人は、お芝居も上手ですし、雰囲気がツェータ男爵にピッタリでしたね。ただ、新演出になってからは、登板しなくなりました。残念 weep

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このほかFeriは、Sándor Németh(新旧両演出)、Carlo Hartmann(新演出)、Josef Luftensteiner(新演出)、Harald Serafmが演じるツェータ男爵を観ています。新演出になってからは、立て直しで登場したHarald Serafmがダントツです。だだ2006年3月の場合は如何せん、演出がどうしようもなかったので、印象が今ひとつでした。その後、Harald Serafmは2008年3月に登板していますが、こちらは演出が改訂されていたので、非常に良い舞台でした。しかもニグシュ役はRobert Meyerでしたからね happy01

「メリーウィドウ」を語る上で欠かすことができない脇役がニグシュ役ですね。Feriが観た旧演出ではJosef Forstner、Rudolf Wasserlofの二人が登場しています。新演出になってからはMartin Zauner、Sándor Németh、Robert Meyer、Gerhard Ernstの4人を観ていますが、ニグシュ役はお芝居がポイントなだけにRobert Meyerがダントツでしたね。

何しろ、お芝居で完全に主役を凌駕していましたから…。ただ、ディレクターになって初年度だけの出演だったのが残念です(一部、例外はありますが)。

カミュ・ド・ロシュ役についても面白い傾向があります。実は、Sebastian Reinthallerが新旧の演出を通して、結構出演しているのです。ちなみにFeriは9回、Sebastian Reinthallerが演じるカミュ・ド・ロシュを観ています。彼は歌もうまいですし、雰囲気も役に合っているような気がします。ちなみに、Sebastian Reinthallerは2001年に国立歌劇場の「メリーウィドウ」でも、同じ役で出演しています。

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このほか、FeriはStephen Chaundy(旧演出)、Oliver Ringelhahn(旧演出)、Otokar Klein(新演出、プルミエ組)、Adrian Cave(新演出)、Pavel Cemoch(新演出)のカミュ・ド・ロシュを観ています。やはり印象に残っているのは、出演回数が多く、雰囲気がピッタリであるSebastian Reinthallerですね。ちなみに最後の写真の左から2番目がSebastian Reinthallerです。一番左側はGerhard Ernst(ニグシュ役)、ハンナ役はCaroline Melzerです。

このように10年間を振り返ってみると、色々と面白いですね。また、自分が観た歌手が成長していく姿に接するのもファンとして楽しいものです。

最後にオマケとして、Feriが観たフォルクスオーパーの「メリーウィドウ」主な出演者リストを添付しておきます。ご興味のある方は、ダウンロードしてお楽しみください confident

「VOP_LUSTIGE_WITWE.pdf」をダウンロード

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Comments

Feriさん、こんばんは。Steppkeです。

力作でしたね。興味深く読ませて頂きました。

いつも感心するのは、Feriさんが実に細かい点にまでよく気付かれ、かつそれを記憶されていることです。
このように一連の比較という形で整理されると、変遷もよく分かり、なかなか感動ものです。

新演出は今年の6月に初めて観ましたが、演出編の内容で、かなり従来の演出に近い形に戻されたものであることがよく分かりました。


私も、データベースを検索したり、昔のプログラムを引っ張り出したりして、自分が観た時のことをいろいろと思い出しました。
..と言うことで、便乗して、古い思い出を報告させて下さい。

出演者は、何と言っても最初に観た時の衝撃がすごかったので、どうしてもその時の人たちが印象に残っています。

私にとってのDaniloは、Peter Minichに尽きます。残念ながら1985年の来日時に2回接しただけですが、他の人たちはどうしてもDaniloを「演じている」という感が否めないのに対して、彼の場合はDaniloがそこに居るといった感じです。歌は、役者声というのですか、それ程よい声ではないのですが、実に雰囲気のある歌い方でした。

Hannaは、Katalin Pittiが、Volksoper以外で聴いたものも含めて、最高でした。ハンガリー国立歌劇場のメンバーで、85年当時、Volksoperには定期的に客演して
いたようです。その後の同歌劇場の来日公演でLa TraviataのViolettaを歌ったくらいですからオペラ歌手としても優れており、あれほど歌のうまいHannaは、CDやDVDの有名歌手を含めても経験がありません。ヴィリアの歌は3回アンコールされたと記憶しています。

Valencienneは、Melanie HollidayとDagmar Kollerでしたが、日本でも人気がすごかったHollidayよりも、私はKollerの方が好きでした。(余談ですが、Kollerは、ご主人のZilk元市長が亡くなられて、ヴィーンに着いたら空港で必ずもらう『enjoy』という情報誌の(名誉?)編集長を引き継がれました) ただ、カンカンは、やはりHollidayの迫力が勝ります。

残念ながら、Camilleは、これという人には当たっていません。その中では、やはりSebastian Reinthallerが良かったように思います。有名な歌手では、Miroslav Dvorskýが96年に歌ったのに遭遇しています。但し、あまり印象には残っていません。

Baron Zetaは、Karl Dönchが実に味のある演技をされていました。
MinichもZetaを演じたことがあります。第3幕が始まる前にはNjegusと一緒に幕の前に登場して寸劇があり、多分Lehárの別のオペレッタからの曲か何か、1曲歌いました。スーパースターが老け役に移った為の特別な配慮のようでした。
他は、最近も続いているSándor Némethです。99年に最初にZetaで観た時、バク転をされたのには驚きました。太い葉巻をくわえ、渋くも元気いっぱいなZetaには、Valencienneも惚れて当然といったところです。

Njegusは、やはりRudolf Wasserlofが印象に残っています。チョコマカと動き回る従僕を好演されていましたが、わずか数日後にDie Csárdásfürstinの侯爵を演じ、落差が大きかったのも憶えています。(衣装も似たような感じですし)
幸い最近もまだその傾向が残っていますが、特に以前のVolksoperの出演者には、芸達者な人が多いです。


長くなってしまいましたが、Feriさんほど細かくはないにせよ、私もいろいろと思い出されて興味が尽きません。
2001年6月に旧演出を最後に観て、その後8年も接していなかったので、Feriさんがご覧になっていた時期とはほとんど重なっていないことになります。毎年ヴィーンには行っていたのですが、何故かDie lustige Witweには当たりませんでした。
この間、久しぶりに接して、先祖返りの新演出でしたが、改めて、VolksoperのDie lustige Witweの面白さ、すごさを感じました。


Die FledermausやDie Csárdásfürstin等も何回もご覧になっているでしょうから、次も期待しています。

Posted by: Steppke | August 28, 2009 at 10:37 PM

Steppkeさま、ご丁寧なコメント、ありがとうございます。

今や「伝説」となっている1985年のフォルクスオーパー日本公演は、今から考えても最高のキャストだったようですね。余談ですが、当時、日本では「オペレッタはオペラよりも、レベルの低い舞台芸術」という認識があったようですが、同公演により、そのイメージが完全に払拭された…と言われています。

Peter Minichは、スペシャルでお目にかかることがありますが、お年を召した今でもダンディですよね。

ところで1985年当時、すでにFeriはオーストリアには年1回ほど(ただし、夏)に行っておりました。しかし、当時の年齢だと、恐らくオペレッタを観ても、今ほどの感動はなかったような気がします。偉そうですが、人生の機微を感じ取れる歳になると、オペレッタの楽しみが倍増するような気がしています(もちろん、それ以外にも楽しみ方はありますが)。

ところで、今のフォルクスオーパー最大の問題は「ウィーンもしくはオーストリア出身の若手オペレッタ歌手がいない」ことだと思っています。このあたりは、いずれまとめたいと思っています。

Steppkeさまには、お見通しですが、「Die Fledermaus」についても準備を進めています。ただ、こちらは演出が極端に変わっていないので、主に出演者を中心とした話になると思います。

Posted by: フェリ | August 29, 2009 at 10:05 AM

Feriさん、saraiです。
大変な力作、ありがとうございました。
saraiが今年見た「メリー・ウィドウ」では、やはり、ヴァラシエンヌのシュッテングルーバーとカミーユのラインターラーがよかったです。ロベルト・マイヤーもよかったですが・・・

ラインターラーといえば、「チャルダッシュの女王」のエドウィン役でも見ましたが、やはり、ネメスのフェリがよかったのを覚えています。
Steppkeさんも要望されていますが、力作ついでに、是非、こちらもお願いしますね。Feriさんのお名前ゆかりの作品ですからね。
では、また。

Posted by: sarai | August 29, 2009 at 07:11 PM

saraiさま、コメント、ありがとうございます。

別の作品についても、追って色々とご紹介できるように準備をしたいと思っております。

Posted by: フェリ | August 30, 2009 at 08:29 AM

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