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August 24, 2009

サンクト・マルガレーテンの「リゴレット」

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「メリーウィドウ」の連載は、まだまだ続きますが、今年は、久しぶりにサンクト・マルガレーテンの「Opern festspiele」に行ってきたので、その模様をご紹介しましょう。

全開は野外オペラ向きの「アイーダ」だったのですが、今回は「リゴレット」です。日本人にもおなじみの「リゴレット」を、野外オペラでどのように料理するかが見物でした。

まず、久しぶりに行ってびっくりしたのは、駐車場から会場までのアプローチが改善されて、安全に移動できるようになったことでしょう。客席は以前と同じですが、レストランエリアが一新されていたのにはびっくりしました。まず、VIP用のテラスが新設され、そのに固定式のスナック・バーカウンターがずらりと並んでいました。

各ショップには「アイーダ」、「リゴレット」、「ナブッコ」などオペラの名前が付いています。ただ、ショップの数が多いのですが、メニューは意外と少なく、以前の屋台方式の方が楽しかったですね。

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今年の「リゴレット」は、主役クラスが3人用意されているようですが、組で固定されている訳ではなさそうです。Feriが観た日の指揮はGiorgio Crociがつとめました。主なキャストは、Rigoletto役がGeorg Tichy、Herzog役がAndrea Cesare Coronella、Gilda役がEkaterina Bakanova、Maddalena役がChristina Khosrowi、Sparafucile役がAlbert Pesesendorferというメンバーでした。

メルビッシュに比べると舞台の幅が狭いため、舞台装置が凝縮されている感じがします。さらに奥行きが狭い分、舞台装置の高さで迫力を出している感じがしました。舞台中央はマントヴァ公爵の館で、向かって左側に殺し屋スパラフチーレの家、右側にリゴレットの家を設置しており、状況に応じて、それぞれの家を舞台中央に移動させるという手の込んだ方式を採用していました(いわゆる暗転で、家を移動させる訳です。ただし、安全に暗くすると事故の危険性があるため、ブラックライトを使っていました)。

サンクト・マルガレーテンの特徴は、火を使うことです。舞台上の街灯などには、ガスの「たいまつ」をふんだんに使っています。これは電気の照明以上に雰囲気を盛り上げるのですよね。何しろ、風に揺らぎますから。

野外オペラなので、群舞などが充実しており、マントヴァ公爵の館でのパーティは非常に見事でした。芸術性よりも、娯楽性を重視しているため、演出はオーソドックスなもので「どなたでも楽しめるグランド・オペラ」に仕上がっていました。

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出演者で良かったのはGilda役がEkaterina Bakanovaです。マイクを使っているので、声量などはわからないが、音程の取り方や演技はなかなか見せるものがありました。お芝居もなかなか良かったと思います。

逆にHerzog役のAndrea Cesare Coronellaは「好色な悪おやじ」の雰囲気が弱かった点が残念ですた。何となく、「やさしそうなおやじ 」に見えてしまう場面がありました。ただ、スパラフチーレの家でMaddalenaと情事(口説くという線を越えていた)をする場面は、かなりリアルな演技でしたね(オペラで、ここまでやっていいのかな)。

タイトルロールのRigoletto役Georg Tichyは、歌は普通の出来だったが、演技はなかなか上手でしたね。

全体的に主役級の歌手がそろっており、面白い舞台に仕上がっていた。野外だからと言うことで、無理に話を引き延ばさないような演出にしていない点が良いところでしょう(要するにオマケがない)。

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ただ、サンクト・マルガレーテンの場合、客席から見て右側に「オーケストラの部屋」があり、そこで演奏し、舞台中央のマントヴァ公爵の館に仕掛けられたスピーカーから音を出すしかけになっています。そのため、何となく違和感が否めません。また、本来は部屋の中に入ってしまえば、歌声は小さくなるのですが、マイクを使っているため、姿は見えないものの「正規の音量」で歌手の歌が聞こえてきてしまうこともありました。このあたりは、野外オペラの限界かもしれませんね(何しろ、歌が聞こえなかったらどうしようもありません)。

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ところで、当日は、開演直前に 雨が降り出してきました。お客さまは完全装備で、雨でも帰る人はいません。当然、公演も強行。幸い、二幕あたりで雨が上がったのですが、再び雨が降るらしいということで、休憩時間が10分に短縮されてしまいました。

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そのため、Feriはトイレに行って、帰りに ワインを飲んで戻ろうとしたら、すでに後半戦が始まってしまいました。そのためか、後半は雨にたたられることなく、無事、お開きとなりました。最後のお約束、花火で盛り上がるのは、恒例でです。メルビッシュは、打ち上げ花火オンリーですが、サンクト・マルガレーテンの場合、石切場なので、仕掛け花火も準備されていました。

予想以上に出来の良い「リゴレット」で、雨さえ降らなければもっと楽しめたかもしれません。なお、来年は「魔笛」だそうです。

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