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August 21, 2009

フォルクスオーパー「メリーウィドウ」こぼれ話 演出編1 

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劇場がオフシーズンなので、今日はオペレッタにまつわる「ディープな話題」を連載でお届けしましょう heart02

Feriが初めて観たオペレッタはフォルクスオーパーの「メリーウィドウ」でした。時は1998年12月のことです。以来、2009年6月末までに、同劇場で「メリーウィドウ」を都合17回、観ています(自分で言うのも何ですが、好き者ですねぇ)。

今回は、この10年間の「メリーウィドウ」鑑賞を振り返ってみたいと思います。なお、今まで、観た直後に当ブログにアップした記事を一部引用している点はご容赦下さい。

ちなみに、この間にディレクターが、Klaus Bachler(1999年まで)、Dominique Mentha(1999年~2003年)、Rudolf Berger(2003年~2007年)、Robert Meyer(2007年~)と4人も変わっています。

ちなみに、Klaus Bachlerの前任者は、ご存知のIoan Holenderですね。国立歌劇場の方が1992 年5月から 2010年までの10年以上、Ioan Holenderが務めていることを考えると、フォルクスオーパーという「劇場の運営」がいかに難しいかがうかがい知れます。

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○完成度が高かった旧版の演出
2004/2005シーズンまで上演されていた旧版「メリーウィドウ」ですが、Feriは、「極めて完成度の高い内容だった」と思っています。まず、構成と演出がしっかりしており、お話の流れに無理がありませんでした。

休憩が1幕後、2幕後にそれぞれ入るパターンだったので、2幕の「ハンナ邸でのガーデンパーティ」と3幕の「マキシム風装飾」の差が明確に打ち出されていました。ちなみに旧版はRobert Herzの演出によるものです。

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このほか、1幕の大使館大広間(2枚目の写真が第1幕です)も大道具、小道具を駆使した立派な作りで、「国王の誕生日パーティー」にふさわしい華やかな雰囲気が出ていましたね。雰囲気としては「こうもり」の舞台装置に近いものでした。

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また、舞台装置だけではなく、当時は歌、芝居、踊りという三つの要素を備えた「歌役者」が多く出演していたため、内容面でも非常に見事でした。当然、お客さまの反応も抜群だったのは言うまでもありません。

特に3幕には、最初にカンカン・ソリストとバレエ団による見事な踊りがあり、その後、ベランシェンヌをリーダーにキャバレーの踊り子達が歌う「グリゼッティンの歌」が披露されます。そして、「天国と地獄のギャロップ」で一気に盛り上がるというパターンでした。

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旧演出の特徴は、「ヴァリアの歌」、「女、女、女のマーチ」、「天国と地獄のギャロップ」などでリフレイン(繰り返し)がしっかりと組み込まれていたことです。オペレッタの場合、このリフレインが舞台を盛り上げる重要な仕掛けで、お客さまも当然、これを期待しています heart04

客席からの手拍子は1回目の演奏では行わず、リフレインになってから始めるという「暗黙のお約束wink があるのですよね。ですから、嫌が上でも盛り上がります。特にエンディングに関してはベランシェンヌのカンカンで盛り上がったところで、しっとりと聴かせるアリア「唇は語らずとも」に入るという見事なものでした。

○サプライズ演出だった「旧演出の千秋楽」
2004年6月27日に行われた「旧演出の千秋楽」は、Feriの印象に残る「メリーウィドウ」でした。何と、当時のディレクターであるルドルフ・ベルガーが気を利かせて、1幕、2幕、3幕でハンナ役とダニロ役を変える(要するに3組登場する)という試みが行われたのです(最後の写真が、千秋楽のカーテンコールです。3組のハンナ・ダニロが、それぞれの衣装で登場しています heart04 )。

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ちなみに1幕はIzabela Labuda(ハンナ役)とPeter Edelmann(ダニロ役)、2幕はUlrike Steinsky(ハンナ役)とKurt Schreibmayer(ダニロ役)、そして3幕がFelicia Filip(ハンナ役)とMorten Frank Larsen(ダニロ役)でした。

そのため、3幕に入ったところで、ツェータ男爵役のSándor Némethが、ダニロ役のMorten Frank Larsen に“おまえ、ずいぶん若くなったんじゃないの”というアドリブも入っていました。この時、ニグシュには老練なRudolfWasserlofを起用するなど、その他のキャスティングも見事でした。

この「夢のようなメリーウィドウ」がFeriにとっては、今のところ最高の舞台です。普通、Feriは、この時期、ウィーンに行かないのですが、千秋楽に行って本当に良かったと思っています(最も、そう思ったのは次シーズンの新演出版を観てからですが…)。どのペアが良かったかと言えば、それは当然、2幕に登場した「Ulrike Steinsky・Kurt Schreibmayer組」です lovely

ちなみにFeriは、千秋楽も含めて、旧演出の公演を8回、観ることができました。

confident<続く>

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Comments

こんにちは、私もこのプロダクション、最後の年に見ましたが、非常に無理のない、しかも楽しい、すばらしい演出だったです。お客さんも満員でしかも盛り上がって、Volksoperで見たなかでも出色の出来でした(いつもやや拍手がすぐ終わったり、盛り上がらないことが多かったので・・・・)。

思い出して懐かしくなりました。ありがとうございます。

Posted by: 楕円球 | August 21, 2009 at 04:08 PM

楕円球さま、コメント、ありがとうございます。

確か、日本公演の時も、このプロダクションだったですね。完成度が高かったのに、なぜ、いじったのか…謎です。

Posted by: Feri | August 21, 2009 at 06:03 PM

Feriさん、こんばんは。Steppkeです。

Die lustige Witweは、1905年12月30日にTheater an der Wienで初演されました。
つまり、新演出に代わった2005年は、初演からちょうど100年目に当たります。(ちなみに、2005年のMörbischの演目も、同曲でした)
旧演出は、多分30年近く(30年以上?)続けられており、古くなったので100年目だしそろそろ新しくしようか、といったところだったと思います。
(ひょっとして、ネタばらししちゃいました?)

1979年、Volksoperが初来日した時、既に、この演出でした。私は、まだ学生だったので、Die Fledermausに1回行くのがやっとで、Die lustige Witweはテレビで観ました。(民放で、抜粋版でした) ビデオに録画したのですが、機械がもう無い(β方式)ので確認できず、記憶ではその後何度も観た演出と同じです。(少しずつ変わっていったように思えますが)
1982年の2度目の来日では、NHKで全曲が放映されました(これも録画してあるはずです..β方式で)が、この時も行けず、私が生で初めて接したのは1985年の3度目の来日時でした。

新演出を初めて観たのはこの間の6月でしたが、私も旧演出の方が数段良かったと思います。
ちなみに、私も旧演出には8回(日本で5回、ヴィーンで3回)接しています。

Posted by: Steppke | August 21, 2009 at 08:34 PM

Steppkeさま、コメント、ありがとうございます。

それにしても旧演出は、ある意味、完成してしまったプロダクションだっただけに、改訂するのは難しかったでしょうね。後半もお楽しみに。

Posted by: Feri | August 22, 2009 at 05:35 PM

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