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September 09, 2009

フォルクスオーパー「小鳥売り」プルミエレポート1

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new 全国のオペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。フォルクスオーパー今シーズン、最初の「目玉」、カール・ツェラーの傑作「小鳥売り」が9月8日にプルミエを迎えました。

スカラ座来日公演の後半をすっぽかし、観てきましたので、その模様をお伝えしましょう。このところ、ロベルト・マイヤーに変わってから、オペレッタの改訂版のレベルが上がっているだけに、今回も大いに期待できそうです。

余談ですが、Feriは2002年(2001/2002シーズン)にフォルクスオーパーで「小鳥売り」を観る予定を立てていたのですが、現地、到着後に劇場側の都合で演目変更となり、結果的に旧演出の「小鳥売り」を観る機会を失ってしまいました。本来ならば旧演出と比較できるのですが、これだけは残念です。

まず、カール・ツェラーと言えば、オーストリア出身の作曲家ですから、地元フォルクスオーパーとしても、力が入る…というものです。

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この作品は、1.お芝居単独の部分が他のオペレッタに比べ少ない2.ソロのパートよりも重唱(二重唱、三重唱)が多い3.合唱曲が多いという特徴があります。

とくに重唱と合唱が多いと言うことは、ダントツの歌手を一人引っ張ってくるより、全体を高いレベルの歌手でそろえるところが公演成功の鍵を握る…と言っても良いでしょう(実際、小鳥売りのアダームと郵便配達人のクリステルが、一応主役ですが、実際には大公妃マリー、ヴェプス男爵やスタニスラウス伯爵、アデライーデなど、いわゆる脇役に当たる人が、パートによっては主役級の近い働きをします)。

さて、Feriがプルミエを観た結論から申し上げると、「今の時代に合わせたテンポの良い楽しい、笑いのあふれるオペレッタに仕上がっている」というところでしょうか。お勧めの一品ですlovely

○キャスティングが良い
今回の指揮はHenrik Nánaáiが務めました。Henrik Nánaáiは、昨シーズン「伯爵令嬢マリッツア」を振っているので、安心して観ていることができます(「伯爵令嬢マリッツア」でも感じましたが、テンポの良い演奏が得意なようです)。

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主なキャストですが、大公妃マリー役がBirgid Steinberger、アデライーデ(大公妃の女官)役がRegula Rosin、ヴェプス男爵(王室狩猟監督)役がCarlo Hartmann、スタニスラウス伯爵役がJörg Schneider、アーダム役がDaniel Preohaska、クリステル役がAndrea Bogner、シュネック(村長)役がChristian Derscher、二人の教授(動物学者)役がGerald PichowetzGerhard Ernst、イェッテ(旅籠の女将)役がKlaudia Nagyといった面々でした。

このキャストを観ても、フォルクスオーパーに長年出ている人が多く、安心感があります。なお、出演者のほぼ全員が、「小鳥売り」の出演は初めてです(Rollendebüt)。

興味深いのは時代設定が不明な点でしょうか。オリジナルでは18世紀初めという想定なのですが、舞台装置や衣装、登場する仕掛けを観ると、おそらく1900年代前半から中盤あたりの感じがしました。つまり、古い昔話ではなく、ちょっと懐かしい時代のお話…というニュアンスです。

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ところで、プルミエの際、開演前、 bar ゼクト、 beer ビア、 fastfood センメルサンドが無料で振る舞われました(かなりの量でしたよ)。お酒に目のないFeri、開演前にできあがってしまいそうでした。袖の下でお客さまを味方につけようという魂胆ではないでしょうが、今までのフォルクスオーパーにはない大々的なプロモーションでした。また、クリステルが郵便配達人ということから、POST・Busのオールドタイマーを引っ張ってきて、劇場前に止めていました(1950年代のボンネットタイプ)。かなり気合いの入ったプルミエでした。

○演奏はまだまだブラッシュアップする必要がありそう
Henrik Nánaáiの指揮はかなりこなれていますので、安心して観ることができます。とくに前奏曲はなかなかメリハリのある演奏で、期待を高める展開になっていました。合唱とオーケストラのコンビネーションも良かったですね。ただ、シーズンはじめなので、全体的にオーケストラに荒削りな感じがする場面が観られました。ただ、これは演奏を重ねるうちに、こなれてくるだろうと思います(夏休み明けですから…)。

○演出はオーソドックスな展開
Feriは事前に複数の「あらすじ」(日本語)に目を通していましたが、基本的に人物設定、演出ともにオリジナルに忠実な展開になっていました。このあたり、ロベルト・マイヤーに変わってから、変な演出が減ってきているので、その流れを汲んでいるのでしょう。また、プルミエの際、歌や演奏はブラヴァ、演出はブーというケースがあるのですが、今回は演出家や舞台、衣装などの責任者にもブラヴァの声が上がっていました。

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ところで、今回、アーダムをはじめとするチロリアンは、ちゃんと「チロルなまりのドイツ語」を、大公妃マリーはウィーンのドイツ語を話すなど、芸の細かいところをみせていました(実際、アーダム役のDaniel Preohaskaは、かなり練習したようです)。

○とにかく合唱がすばらしい
すでに御所介しましたが「小鳥売り」は、合唱の多いオペレッタです。フォルクスオーパーの合唱団は、今回、かなり高いレベルで準備をしたようで、全編にわたって迫力ある見事な合唱を披露してくれました。合唱指揮を担当したMicael Tomaschekの指導が実を結んだような気がします。

なお、各幕の見所は、長くなるので、明日お届けします happy01

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