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September 10, 2009

フォルクスオーパー「小鳥売り」プルミエレポート2

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今日は「小鳥売り」の「各幕の見所」をご紹介しましょう(ネタバレがありますが、ご容赦ください coldsweats01 )。なお、冒頭の写真はプルミエに「ゲスト」として登場したオールドタイマーのPOST Busです。

○第1幕 
本来は、「ラインの谷の村の広場」なのですが、ガストホフの室内(もしくは中庭)のような雰囲気です。前奏曲に続いて、舞台が開くと、村人が総出で、大公の禁猟区で密猟したイノシシの加工に余念がありません(すでに猟区にはイノシシも、少女もいないとか歌っていました)。

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そこへ、大公の狩猟を前にヴェプス男爵が来るという知らせを受けて、皆が偽装工作を始めるのですが、ここが面白いところ。密猟用の銃は壁の中に隠し、イノシシをぶら下げていた作業台は、バーカウンターに変身する仕組みになっています。

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狩猟監督官のヴェプス男爵一行が密猟を取り締まりにやってきて、村人を密猟の容疑で責め立てるのですが、証拠が隠匿されているため、今ひとつ突っ込みきれません。また、村人達は「袖の下」(これが豚)を渡して大公への取りなしを依頼します。

ヴェプス男爵は「大公は女好きだから、かわいい村娘が花束を捧げ、乙女も差し出せば何とかなるだろう」と言い出すのですが、村には未亡人は居ても、乙女はいないので、村人は大弱りという展開です。このあたりは、合唱も迫力があり、話のテンポも良くて、面白いところです。

ヴェプス男爵一行が引き上げると、代わってチロルの小鳥売りの一団(実際には小鳥売りはアーダムだけで、そのほかの皆さんはなぜかチロルの行商人)が、ドアがあるのに、壁をよじ登ってガストホフに入ってきます(この設定が不思議)。

アーダム役のDaniel Preohaskaは、なかなかはつらつとした歌と演技で華がある感じがしました。ここでもアーダムは自分の名前が入ったTシャツを村人に配るなど、なにやらスターのような立ち振る舞いでした。ここが前半の一つの見所でしょうね。

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チロリアンや村人と入れ違いにスタニスラウス伯爵が来て、ヴェプス男爵と話しているところへ大公の使者から「急用のため狩猟は中止」という手紙が来ます。男爵は賄賂(と、できれば乙女)を手にしようとしているだけに、大公が来ないのは具合が悪い訳です。そこで、スタニスラウス伯爵を偽大公に仕立てるアイデアを思いつきます。

ファーストクルーのCarlo HartmannJörg Schneiderは、二人とも「おデブ体型」(ただし、歌って踊れるおデブコンビ)なので、愉快な二重唱「世界がバラで飾られたとき」が異様に盛り上がります(セカンドクルーは、逆にスリム組です)。

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二人が立ち去ると、入れ違いに大公妃マリーと女官アデライーデ一行が田舎娘になりすましてバスで登場します。ただ、田舎娘といっても、何となく女学校の生徒さんみたいな雰囲気です。アデライーデは生徒の引率者といった趣でしたね。ちなみに、アデライーデ役のRegula Rosinは個性的な人ですが、「ルクセンブルク伯」でバジールの妻アナスタシアを演じて居ます。当時も「怪演」が光ったのですが、今回も存在感を発揮していました(歌、お芝居の両方が上手な方です)。

マリーは、夫の大公が狩猟名目で浮気をしていないか調べに来たのですが、プルミエの時はBirgid Steinbergerが登場と同時に客席から拍手が…(珍しい)。Birgid Steinbergerの女学生風コスチュームは、かわいい。舞台では大公妃とは知らず、ちょっかいを出すアーダム(手を出したくなるような雰囲気でしたね)。このあたりは、いかにもオペレッタという感じですね(とにかくアーダムは、自分はどんな女でも口説き落とせるという自信たっぷりのプレイボーイですねぇ)。

クリステルは偽大公のスタニスラウス伯爵にアーダムの就職を依頼するため、ヴェプス男爵に誘われて、ガストホフの部屋へ(本来は四阿になっているのですが、舞台の雰囲気としてはガストホフの部屋といった感じでした)。このあたりは恋人のアダームを考えているクリステルのけなげな姿がいいですねぇ(後で爆発しますが)。クリステルはAndrea Bognerでしたが、かわいらしい感じで雰囲気もぴったりでしたね。歌もうまいですし、良いキャスティングでした。

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村長が村人を集めて、大公を迎える準備をしているとヴェプス男爵が、大公はすでに到着していると、乙女(実はクリステル)もすでに部屋の中で花束を捧げているから、村人に解散を命じます。このとき、当初、大公に花束を捧げる予定だった乙女役が、なぜかメイド調のドレスで3人登場します(コスチュームの担当は、日本のコスプレを参考にしているのでしょうかね。そのままパリあたりのコミケに出てきても大丈夫といった雰囲気でした coldsweats01 )。

村人は誰が花束を持って入ったのかを知りたがっているところへ、マリーやアーダムも登場して大混乱。大公との現場を押さえるために部屋に乱入するのですが、偽大公はすでに逃げてしまって、クリステルだけが居るという趣向。

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大公妃マリーは、ばらの花束を手にしながらアーダムを慰めるが、ここで有名な二重唱「チロルではばらを送るときは…」が歌われます。第1幕のハイライトと言って良いでしょう。この一件で、アーダムはクリステルとの関係は冷え切ってしまう。さて、怒濤の1幕ですが、何と上演時間は1時間10分ほどです。

ちなみに第1幕だけに登場するガストホフの女将役Klaudia Nagyは、「こうもり」のイーダ役で良く出ています。今回の役柄はイーダとはずいぶん雰囲気が違いますが、芸達者ですね。

○第2幕
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大公の「夏の宮殿」という想定ですが、冒頭はなぜか美容院の床屋談義でスタートします。これが離宮の中なのか、それとも街の美容院なのかはよくわかりませんが、昨日のスキャンダルを皆でウワサしているという想定でです。どこでも、美容院はウワサの宝庫なのでしょう(何となくわかりますね)。当然、ヴェプス男爵が、昨晩の話を始めると美容院にいる皆さんが集まってきて話に耳を傾けるという展開です。

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その後、動物インスペクター資格試験のために2人の教授が現れます。ここで「私は学長代理」という二重唱があるのですがが、これが抱腹絶倒。歌ばかりではなく、踊りも交えて、まずは見事です。とにかくわずか10分ほどの場面のため、よくぞこれだけ個性的な歌手を引っ張ってきたと思うぐらい、見事なシーンです。第2幕、前半のハイライトでしょうね。さて、試験ではアーダムはいい加減な答えをして教授達をからかうのですが、マリーとヴェプス男爵からの厳命が出ているためアーダムは、試験は合格してしまいます(このあたりのやりとりは台詞なのですが、アドリブが入っていそうな感じ)。

さて、ここで登場するアデライーデの衣装はびっくり仰天。何と振り袖風ドレス(しかも真っ赤)なのですよ。Regula Rosinは背が高いため、この赤い振り袖風ドレスが、以外と似合っていました。それに対して大公妃マリーは、地味な感じの服で登場し、クリステルが大公妃を訪問してきた時、両者を間違えるという落ちが付いています。

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その後、マリーはクリステルの話から部屋にいた男が大公ではなかったことを知ります(夜会の前に、マリーが自分のロケットの写真を見せて大公本人でないことを確認していました)。そこで、夜会で偽大公をあぶり出そうという話になります(女性のはかりごとは怖いですねぇ)。

昨晩の一件を聞いていた召使いがヴェプス男爵に報告し、嘘がばれてしまったことを知ります(召使いがマリーとクリステルの話を聞いている場面も入っています.芸が細かい)。ヴェプス男爵は、夜会でスタニスラウス伯爵とアデライーデ(オールドミスのお金持ち、スタニスラウス伯爵の借金を払わせる魂胆)の婚約を発表するを画策します。

夜会では、アーダムがチロリアンと一緒に歌います(これも有名な「僕のおじいちゃんが20歳の時」)が、本物のチター奏者を連れて、まるでチロリアンバンド風の舞台装置(チロル風のセット)と舞台衣装で登場します(チロリアンは、みんな真っ赤な派手なステージ衣装)。

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このあたりは、オーストリアの人だと、ポップ系のチロリアンバンドが客席と一体となって歌うというのは、テレビの定番歌謡番組風だからピントくるところです。アーダムが人気歌手ばりに、写真にサインをしたり、ブロマイドを配ったりしていました。極めつけは、テレビの演出でもフィナーレで横行われる客席のペンライト(ここではライターの火を使っていました)。地元の人がよく知っている演出なので、客席は爆笑の渦でした。第2幕ハイライトでもありますね。

アーダムの歌が終わると、突然、結婚式の衣装でスタニスラウス伯爵とアデライーデが登場し、夜会の参列者は大爆笑(ずいぶん失礼な話ですが)。ところが、人々はクリステルの合図で昨日、部屋にいた男がスタニスラウス伯爵であることを知り、これまた大騒ぎに…。

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マリーは伯爵に関する裁判権をアーダムに与えますが、クリステルが浮気をしていると信じているアーダムは、スタニスラウス伯爵とクリステルが結婚するよう命令します(アデライーデのウェディングドレスを引っぱがして、クリステルに投げつけます)。クリスティンはアーダムにもう一度考え直して…すがるのですが、頭に血が上ってしまったアーダムはとりつきません。

逆に頭に来てしまったクリステルもスタニスラウス伯爵と結婚すると宣言して、2幕がお開きとなります。2幕も中盤からテンポが俄然良くなってくるので、あっという間に過ぎてしまいます。2幕は約1時間です。暗転の前に、夜会の参列者が舞台裏に移動するのですが、その際、回り舞台に乗って出演者の方が移動するという演出が採用されていました(舞台装置は移動せず)。これは、なかなか面白かったですね。

○第3幕
暗転で3幕へ入ります。3幕は夏の離宮。オリジナルでは中庭となっていますが、大広間のままです。大公妃マリーは、夫が浮気をしていなかったことに満足しています。一方、結婚式直前でスタニスラウス伯爵に裏切られたアデライーデは、腹の虫が治まりません。

アデライーデは、ほどなく伯爵に愛想をつかし、ヴェプス男爵と結婚すると宣言し、ヴェプス男爵を連れて行ってしまいます(このあたりの強引さが面白い。本来は男爵の側からアプローチし、その心意気にアデライーデが応じるらしいのですが…)。3幕のハイライトはスタニスラウス伯爵とアーダム、クリステルの3人が踊りながら歌う重唱でしょう。ここで、クリステルが本領発揮です。

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結局、アーダムとクリステルは仲直りし、ハッピーエンドとなります(最後は「女とはけんかしない方がいい」という二重唱が聴かせどころ)。この重唱の際、再び回り舞台を使って合唱団メンバーが舞台後ろから出てきて、全員に祝福されてお開きとなります。

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プルミエの際には、カーテンコールの際、オーケストラメンバーも舞台上にあげて、ご挨拶が行われました。とにかく、最後は「熱狂の舞台」になりましたね。

さて、新聞評がどのようなものか、楽しみです。

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