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October 30, 2009

ヘルデンプラッツにオーストリア連邦軍が集結

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10月26日はオーストリアの建国記念日(Nationalfeiertag)ですが、毎年、この時期にオーストリア連邦軍(国防軍)のフェストが開催されているようです。今回、このフェストを見る機会があったので、その模様をご紹介しましょう。

このフェストですが、期間は10月23日から26日までの3日間、王宮前のヘルデンプラッツが会場となりました。

建国記念日に合わせた行事なので、大統領による観閲式なども行われたようですが、何と言っても市民にオーストリア連邦軍の活動を知ってもらうことが「最大の狙い」でしょう。写真のようにヘルデンプラッツには、主力戦車レオポルドⅡAや軽戦車SK105A2、歩兵戦闘車ウラン、装甲兵員輸送車パンデュール、自走砲M109、ヘリコプターS-70A、AB212、重火器といった兵器が所狭しと並べられていました。

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また、各部隊がブースを出して、盛んにPRしていました。現在のオーストリア連邦軍は、基本的に陸軍主体の組織(陸軍は3万人以上、空軍は7000人弱)なので、展示内容も陸軍系が多かったですね。

また、新鋭戦闘機ユーロファイター・タイフーンについては、実物大のモックアップが展示され、コックピットが公開されていました。とにかく、「車内や操縦席に乗れる展示」に関しては、「長蛇の列」が続いていました。写真ご覧になればおわかりのように、戦車や装甲車は乗り放題。落っこちて怪我でもしたらどうするのだろう…と心配になってしまいました。

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兵器の展示だけではなく、活動内容の紹介も充実しており、特にEUの一員としての平和維持活動のPRは、積極的に行われていました。

戦後、永世中立国としてスタートしたオーストリアですが、現在ではEUの共通外交・安全保障政策に加わっており、NATOの「平和のためのパートナーシップ」のメンバーになっているそうです。そのため、NATOの一員として、海外にも派遣されています(アフガニスタンにも隊員5名ほど派遣されているそうです)。一番多く派遣されているのは、ご存知コソボですね(578名)。

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さらに、日本の自衛隊と同じく災害派遣にも活躍していますから、そのための装備や活動内容もしっかり展示されていました。

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一見すると真面目な催しのようにも感じますが、そこはフェストが大好きなオーストリア。展示されている兵器よりも飲食物を扱う屋台の方が多いのでは?と思えるほど、こちらも充実していました。これらの屋台は民間業者が運営しているところもありますが、部隊直営の飲食店ブースもありました。とくにGARDESOLDATEN(警備部隊、儀仗隊も所属)は、大きなテントを設営し、その中でビアガーデンを「営業」していました。また、部隊のグッズを販売しているところも多かったですね。

アトラクションとしては、ウォールクライミングやケーブルを使った空中散歩(会場上空をケーブルにぶら下がって移動するもの)などがありました。しかし、ヘルデンプラッツといえば、日本の皇居前広場のような感じですよね。そこで、連邦軍のイベントを大々的に開催できるのですから、たいした国です(日本では考えられませんね)。

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さて、このフェストですが、地元の新聞では「延べ来場者は85万人に及んだ」と伝えています。通常、日本の自衛隊基地祭の場合、最も来場者が多い基地(埼玉県の航空自衛隊入間基地)で1日20万人と言われていますから、人口が東京と比べて圧倒的に少ないウィーンでは、驚異的な集客数と言えるでしょう。

最近、日本でも景気の悪化に伴い、自衛隊などが開催する「入場無料のイベント」には、多数のお客様が来場するようになりましたが、これと一緒なのでしょうかね。

余談ですが、日本では11月1日が「自衛隊記念日」なので、毎年10月中旬から下旬にかけて、観閲式をはじめとする自衛隊関連の行事が多数行われています。

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ところで、最後に当ブログらしく「オーストリア連邦軍のこぼれ話」をご紹介しましょう。実は、最近、「不祥事」が相次いでいるようなのです

まず、今年の2月に、ウィーン郊外で夜の演習中に張った煙幕がすぐ近くの自動車道路に流れ、視界悪化で走行中の車数台による玉突き事故が発生。若い女性が死亡…という事故がありました。

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9月には昼間の演習中(ニーダーエステライヒ州北部のようですが)、戦車からの砲弾が標的からなんと3キロも離れた住宅地に着弾。民家に被害が発生したそうです。理由は、旧いデーターを基に標的を設定したためとか(おいおい、国内だろう )。さらに、10月に入ってからは、戦車内部で手榴弾が爆発、死傷者が出たとのこと(こちらの被害者は隊員さんだけですが)

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このような事態に、オーストリアの専門家からは、「最近は国内の災害救助と海外派遣ばっかりやって基本の戦闘訓練を怠っているからこんな事故が起こるのだ」というコメントが出ているとか。

しかし、日本だったら、間違いなく防衛大臣や幕僚長が辞任…という話になりそうな事故ばかりですが、そこはオーストリア。大臣が辞任したという話は聞きません。それにしてもヘルデンプラッツのフェストは、こんな不祥事を吹き飛ばすかのような勢いを感じましたね。

ところで、このフェストには、後日談があるのですが、これは改めてお伝えします

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