« 突然、舞い降りてきたグライダー | Main | ULFのハイテク技術(前編) »

October 13, 2009

PostもPolizeiも同じ「P」

Img_7608_001

日本では新政権の発足にあわせて、郵政民営化の見直しが行われるようですが、オーストリアで面白い話を聞きました。

今日のお話は「PostもPolizeiもおなじP」という話題です。

ご存知の方も多いと思いますが、オーストリアのPOSTは、すでに事業分割(郵便、テレコム、銀行)の上、民営化されています。ただ、民営化に際して、当時、公務員扱いだった職員を民営化後も解雇しないというような条件がついていたそうです(さすがに労働者の強いヨーロッパです。オーストリアでは公務員は終身雇用がステータスだとか…)。

ところが、民営化後は、当ブログでもご紹介したように、郵便局をはじめとする現業機関の大幅な統廃合など進められました(これは、いずこも同じようですが)。

この結果、「仕事がなくなってしまった職員を大量に抱えることになってしまった」というのです。そこで、会社側は、、Karriere-Center(キャリアー・センター)という部署を事業所内に新設し、事実上、仕事が無くなってしまった職員を、ここに配属したそうです(一時、日本の民間企業で人員整理を目的とした「リストラ」が流行した際、こういった部署が設けられましたねぇ )。

名前からすると「本来の趣旨」は、転職に向けた職業訓練部門なのでしょうが、実際は機能していないようです。そのため、「出勤」しても、仕事が無く、 新聞を読む、トランプをするなど「 時間つぶし」をして給料満額も らっているそうです

余談ですが、当初、この新設部署は「Karriere-Zentrum」という名称だったそうです。しかし、これを短縮すると「KZ」となり、ナチスの強制収容所と同じ略語になってしまいます(オーストリア人も日本人と同じく略語が好きなのですよ)そこで、急きょ、Karriere-Centerに改称したとか(これだとKC

しかし、会社側としては、仕事をしない職員を大量に抱えていることは、経営に大きな影響を与えます。

そこで、オーストリア政府が考えた妙案が、「不足している警察官に郵便職員を転職させよう」というものです。オーストリアでも、EU拡大に伴う治安の悪化で、警察官の数が不足しているようなので、一石二鳥という訳です。

Postler_polizei

ところが、今度は警察官の職員組合が、“警察官の仕事は、一週間程度の研修を受けただけで勤まる安易なものではない。我々は3年間の厳しい訓練を受けている ”と安易な転職システムにクレームをつけました(まぁ、当然ですよね)。結局、転職組は警察内の事務処理に就き、その負担が減る本職警官が街に出るということになったそうです。

なお、当面、2010年中に1000名の職員がPostからPolizeiへ転籍する計画が進んでいるようです(写真は、この内容を伝えるWebサイトです)。すでに転籍している人もいるようなのですが、KC所属時代の習慣が抜けず、休憩時に近くのバイスルで ワインを飲み、酒気帯びで警察に戻ってきて、即クビ…となってしまった人が出たとか(冗談みたいな話ですが… 事実なのがオーストリア風)。まだまだ、色々とありそうですね。

PostもPolizeiも、頭文字はどちらも「P」だから良いんじゃないの…という冗談も出ているとか…
ちなみに、オーストリアはヨーロッパでも稀な「公務員国家」だそうですが、これはハプスブルク王朝の遺産だとか…

日本の場合、徹底した「縦割り行政」ですから、こういった省庁間を越えた人事異動といったアイデアは生まれにくいでしょうね。

|

« 突然、舞い降りてきたグライダー | Main | ULFのハイテク技術(前編) »

Comments

Feriさま、おはようございます〜

お恥ずかしながら初めて知りました、Pの人事異動。。
ウィーンの音楽家連中は絶対、「じゃぁP○ffへも移動するのか」と言いそうです。言ってると思います。

大胆な案ですがもしかしたら成功するかも??

これと似た大胆な案で、20数年前の実話があります。
ザルツブルクのモーツァルテウム管弦楽団の費用をどうしたら削減できるかという話し合いの時に、一人の政治家が

「夏期音楽祭期間中比較的ヒマなトロンボーンやチューバの正式団員は音楽祭中にバイオリンを弾くべきである」

と言ったとか。。
それはもちろん、政治家がどんなに馬鹿であるか、というハナシに使われているわけでありますが、、
郵便局員が突然爆弾処理班に送られない事を祈ります。。

Posted by: lara | October 14, 2009 17:42

laraさま、コメント、ありがとうございます。

私も、この話を聴いたとき、「冗談」かと思いました。記事にも書きましたが、当面はPOSTからの移籍組は事務職らしいので、現場に出るのはかなり先でしょうね。

Posted by: フェリ | October 14, 2009 18:28

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 突然、舞い降りてきたグライダー | Main | ULFのハイテク技術(前編) »