« 「チャールダーシュの女王」こぼれ話 その6 番外編 | Main | 通のアイテム? 出演者リスト »

November 29, 2009

今も残る防空要塞フラックタワー

3424243_img_001

オペレッタの話題が一週間続きましたので、久しぶりに「街角の話題」をお届けします。当ブログですが、なぜか「オペレッタの話題」が続くと、アクセスランキングが下がる傾向がありますね(アクセス数は変わりませんが coldsweats01 )。ちょっと残念なところです。

さて、今日は「ウィーン市内に残る戦争遺産のお話」です。ウィーン市内には、数々の歴史的遺産がありますが、ちょっと変わったものの一つに、第二次世界大戦中に建設された「防空要塞」(Flaktürmeフラックタワーとも言うそうです)があります。

防空要塞は、重要な防衛対象である都市の防空を担うために建設された要塞です。Flaktürmeは、高射砲陣地、対空レーダー・聴音施設、指揮所、弾薬庫、シェルターなどを一体化させたもので、第二次世界大戦中、ナチスドイツがベルリンやウィーンに建設したそうです。

Img_0724_001

上部に四隅に張り出しがありますが、ここに昔は高射砲などが設置されていたようです。巨大な構造物なので、本来ならば取り壊して、跡地を再開発した方が良いことは誰でもわかるのですが、戦後、取り壊されそうとしたものの、コンクリートの壁が厚すぎて失敗したというから凄いですね(さすがドイツというか… coldsweats02 )。

まぁ、現実には今の時代ですから、「絶対に解体できない」ということはないでしょうが、手間と費用がかかるため、結果として残ってしまったのでしょう。

さて、現在、ウィーンには6棟の防空要塞跡が残っています。旧市街の場合、高層ビルが少ないこともあり、この防空陣地ですが、結構、大きな構造物なので目立ちます。写真をご覧になれば“ああ、見たことがある”という方も多いと思います。

Img_7956_001

そんな中で、上手に転用している例もあります。それはHaus des Meeres(海の家:水族館)に転用した例でしょう(実際には防空陣地跡を借りているそうです。3枚目の写真)。

Img_7943_001

ここは構造物の内部を大幅に改装して、水族館にしたようですが、外部も一部改修されています。おそらく改装には巨額な費用がかかっているとは思うのですが、良いアイデアですね。

また、上部に広告を掲出する案もあるようですが、これについては、場所柄、景観の問題にもつながるので、批判的な意見も多いようです pout

ご参考までに防空要塞跡は、2区のAugarten Lageplanに2棟(トップの写真はのどかなアウガルテンに残るFlaktürme)、3区のArenbergpark Lageplanに2棟、6区に2棟、残っています。地図の「赤丸」が防空要塞跡の場所です(地図は上から2区、3区、6区)。

余談ですが、軍事的には、この手の防空要塞や防空陣地は、防衛対象を中心に「 clover 四つ葉のクローバー」状に配置するのが最も効果的だそうです(クローバーリーフパターンというそうです)。

Flakturme_2

以下のサイトに詳しく紹介されていますので、ご興味のある方はどうぞ。航空写真も掲載されており、上空からどのように見えるかもよくわかります。

http://wien.at/stadtentwicklung/flaktuerme/index.htm

戦後60年も経過して、未だに健在振りを発揮するFlaktürme confident 。ウィーンで最も地震に安心な建物かもしれません。

ところで、ベルリンの防空要塞跡は、高級マンションとペントハウスになったものもあるそうです。ウィーンでも、更なる活用のアイデアを募集しているとか…皆さんも、何か、奇抜なアイデアを送ったらいかがでしょうか(平凡なFeriはアイデア無し… coldsweats01 )。

Christo_001

さて、この記事をまとめている最中に、有名な現代美術家ジャンヌ・クロードさんが亡くなったというニュースが入ってきました。

ジャンヌ・クロードさんは夫クリストさんとともに、「クリスト&ジャンヌ=クロード」(Christo and Jeanne-Claude)の名で、風景や建物を布で包む空間芸術で世界的に知られている方ですね。

1995年には、旧ドイツ帝国議会議事堂全体を布で包む作品で世界的に話題になりましたが、当然、ウィーンのFlaktürmeにも目を付けていたようです。

ちょっと調べたところ、昨年、ウィーンのMAKで、Flaktürmeを包むプランと記念切手のデザインを披露しています。

Img_2610_001

しかし、残念ながら計画は実現には至りませんでした(写真は切手のデザイン案です)。もし、を実現していたら、ウィーンでも大いに話題になったことでしょうね。

さて、最後の写真は以前、軍事史博物館の前庭に展示されていたFlaktürmeの模型です。さて、21世紀に入ってもしぶとく残っているFlaktürmeですが、今後、どうなるのでしょうかね。

|

« 「チャールダーシュの女王」こぼれ話 その6 番外編 | Main | 通のアイテム? 出演者リスト »

Comments

書き込むコラムが違っていますが、オペレッタを観ていないので、こちらに書きます。
「チャールダーシュの女王」のお話し大変楽しく読みました。観たこともないのに何だかよく知っているような気になってしまいました。
これからも他のオペレッタのお話しを楽しみにしています。

Posted by: QQ | November 29, 2009 at 10:15 PM

QQさま、お楽しみいただき、ありがとうございました。

また、頃合いを見計らってご紹介しますね。

Posted by: Feri | November 30, 2009 at 09:29 AM

Feriさん、Steppkeです。
Flakturm(高射砲塔)..実はとても惹かれている存在で、数年前に探し歩いたこともあり、最近も気が向くと行ってます。
特にAugartenの2基は不気味で、緑豊かな公園にそこだけ異空間といった雰囲気です。手入れもされていないようで、荒れ果てており、カラスか何かのねぐらになっています。訪ねるなら、どんよりと曇って今にも降り出しそうな日がおすすめです。
Arenbergparkの大きい方は、2年程前までMAK(応用美術博物館)の別館になっていて、週に半日だけでしたが入ることが出来ました。(残念ながら最近は使われていないようです) 展示されていた現代美術よりも内部の方に興味があって行きましたが、ごく一部しか開放されていないとは言え、構造など非常に面白いものでした。屋根にも登ることが出来、結構長い時間居た記憶があります。
6区の2基の内、水族館に転用されていない方は、周りを兵舎の建物に囲まれており近づくことが出来ないのですが、アンテナなどが取り付けられており、今でも軍事用に使われているようです。新王宮あたりからマリア・テレジア広場の方を見ると、MQ(ミュージアムクォーター)の奥にちょっと見えます。初めて見たときには何か分からなかったのですが、ヴィーンの街にそぐわない異質なものを感じました。

Posted by: Steppke | December 01, 2009 at 03:48 AM

Steppkeさま、コメント、ありがとうございます。

私もアウガルテンのものが、一番「違和感」を感じました。というのも周りに高い建物が少ないですからねぇ。それにしても、未だに解体せずに残っているというところが、本当に不思議です。

Posted by: Feri | December 01, 2009 at 05:36 AM

また独ソ間の緊張が高まったりすると取り壊されてないから、「活きたFlakタワー」が見れれば凄いですよね。そんな世界になってほしくはないですけど。

ドイツ連邦陸軍様が、イベントとして対空機銃を空砲で撃ってくれれば面白そう。

Posted by: Ta154 | May 30, 2010 at 11:02 PM

Ta154さま

コメント、ありがとうございます。「今の時代」だと高射砲陣地から射撃して撃墜できるような戦争は起こらないでしょうね。それにしても頑丈な建造物は後が大変です。

Posted by: Feri | May 31, 2010 at 08:02 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 「チャールダーシュの女王」こぼれ話 その6 番外編 | Main | 通のアイテム? 出演者リスト »