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January 26, 2010

「こうもり」こぼれ話 フォルクスオーパー編 その2

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さて、今日は「こうもり」こぼれ話 フォルクスオーパー編の「その2」です。

「こうもり」は、フォルクスオーパーで、定番中の定番オペレッタなので、Feriの知っている限り、上演されたかったシーズンはありません。

定番ということは、一見すると変化が少なそうですが、実は出演者については、「メリーウィドウ」と同じく「定番」ほど、色々な歌手が出演しています(登竜門といった感じですかね)。

さて、Feriが最初にフォルクスオーパーで「こうもり」を観たのは、2000年1月のことです。それ以来、2009年末まで合計15回、観ています。

では、最初に「演出にまつわるお話」から…。

現在の演出と舞台装置は、2006/2007シーズンにHeinz Zednik(ハインツ・ツェドニク)さんが手を加えてリニューアル(実際はマイナーチェンジでしたが)したものです(その前のものは1987/88シーズンの1987年10月12日がプルミエでした。演出はRobert Herzlさんです)。

前シーズンにリニューアルした「メリーウィドウ」がさんざんな結果だっただけに、「こうもり」のリニューアルには、地元も含めてオペレッタ・ファンが注目していました。

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その結果ですが、現地の新聞各紙も絶賛する見事なリニューアルとなりました(「やればできる フォルクスオーパー」といったニュアンスの新聞評が多数出ていました)。このリニューアルは、旧演出をベースに、細かいお芝居を充実させ、より緻密に仕上げた…というものでした happy01

そのため、普通のお客さまが観ると、どこをどうリニューアルしたのか、よくわからなかったかもしれません。最近では珍しい3幕構成、休憩2回も変わっていません。上演時間は、現在、3時間15分と、フォルクスオーパーで上演されるオペレッタでは、一番長くなっています(理由は休憩が2回入っているためです)。

なお、衣装については、リニューアル前と同じDoris Englが担当しています(実際、変わっていません)。

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第1幕はアイゼンシュタイン邸、第2幕はオルロフスキー侯爵邸、第3幕は刑務所という設定です。他の劇場では、2幕から暗転で3幕へ移行する演出が多いため、舞台装置が簡素化されています。

しかし、現在、フォルクスオーパーで上演されている「こうもり」は、超リアルな舞台装置なので、第2幕と第3幕の間に休憩を挟んで、大道具を組み直す必要があるのです。

「こうもり」は国立劇場でも年末・年始を中心に上演されていますが、演出や舞台装置はフォルクスオーパー版と違っています。

国立歌劇場版では、アイゼンシュタイン邸が2階建て(実際に居間には2階への階段があります)であるのに対し、フォルクスオーパー版は平屋です。ちなみに冒頭の写真が第1幕のアイゼンシュタイン邸です(リニューアル前)。

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現在のフォルクスオーパー版では、実は1幕の小道具が実に凝っています。国立歌劇場版も沢山の小道具がありますが、同じ凝り方でも、「意味のある凝り方」なのです。例えば、食卓には wine トカイワイン(ちゃんとラベルが貼ってあります)が並び、ソファーの脇にはアイゼンシュタイン夫婦の結婚式の写真が飾ってあります。

なぜ、トカイワインか。そう、2幕でアイゼンシュタイン氏の奥さまロザリンデはハンガリーの貴婦人に化けてオルロフスキー邸の夜会に出席するので、ハンガリー事情に精通しているという暗示なのでしょう(もしかするとロザリンデはハンガリー方面の出身なのかもしれませんね)。

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また結婚式の記念写真ですが、二人が向き合っているため、顔がよくわからないというのがミソです。というのは、刑務所長フランクがアイゼンシュタインを連行しに来たとき、この写真で本人確認をしようとするのですが、よくわからなかった…で、仕方なくロザリンデと一緒にいたアルフレードをアイゼンシュタインと間違えて(実はやらせなのですが)、連行するという落ちがあるからです。また、愛人のアルフレードが、この写真を見て、大笑いするシーンもありますね。

第2幕は、フォルクスオーパー版では、スクリーン使って夜会の会場と接見室を切り替えるという方式をとっています。ここで、ちょっと面白いエピソードをご紹介しましょう。実は、2幕のパーティ場面で左右に並んでいる独特の形をした照明スタンドですが、これは以前の「メリーウィドウ」の3幕で使われていたものです。

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このオペレッタは「大晦日」という想定なのですが、3幕の刑務所事務所で、看守のフロシュが日捲りカレンダーをめくると12月32日が出てくるシーンがありますね(要するに「今日の出来事はすべて冗談ですよ」という暗示でしょう)。

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3幕は刑務所長のフランクとフロシュの一人芝居が中心をしめているため、そのためのティーセットやソーダサイフォン、洋服ダンス、石油ランプ、洗面台といった小道具が充実しています。

そういえば、3幕も国立歌劇場版は監獄が右奥の2階にありますが、フォルクスオーパーでは1階左側に設置されています。当然、事務所に設置されている窓の向きも反対です。

「演出編」がちょっと長くなってしまったので、残りは明日、お届けすることにしましょう。


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