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February 18, 2010

魅力的なグラーツ歌劇場

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三回にわたってグラーツ歌劇場で上演された「チャールダーシュの女王」の話題をお届けしましたが、今日は「劇場そのもの」について、ご紹介しましょう。

グラーツ市は人口25万4554人(2009年4月)で、人口だけで「日本の都市」と比較すると、山形県山形市とほぼ同じです。

そういえば、グラーツも周囲を山に囲まれており、山形市に雰囲気が似ていますね。日本人の感覚からすると、この規模の都市で、座付きのオーケストラや合唱団、バレエ団を抱えている歌劇場を維持しているというのは、驚異ですね(ここでいう「驚異」とは、うらやましいです …という意味です。何しろ日本では新国立劇場ですら、座付きオーケストラなどがありませんので… )。

さて、グラーツ歌劇場ですが、1899年に完成したそうですから、すでに110年が経過していることになります。また、同じ設計者が複数の劇場、歌劇場を担当しているそうです。

劇場の定員はParterreが499席、Parterre Logenが6ボックス24席、Balkonが170席、Balkon Logenが18ボックス78席、Rangが345席、Rang Logenが16ボックス70席の合計1186席となっています。その他、立ち見がParterreとRangに各100席設定されています。立ち見を入れて、トータルで1386席です。ちなみにFeriのホームグラウンドであるフォルクオーパーは1268席ですから、ほぼ、同規模ということができます。

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劇場の内部は、グラーツを代表する歌劇場だけあってフォルクスオーパーよりも豪華で、正面玄関には車寄せもあり、そこを入るとウィーン国立歌劇場を思わせる中央階段が設置されています。当然、階段があるところは、吹き抜けです。

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従って、雰囲気からすると、ウィーン国立歌劇場を小振りにしたような感じになります。客席は、座席表のように4階建てになっており、1階から3階には個室(Logen)も設けられています。客席内部はなかなか立派な装飾が施されており、アン・ディア・ウィーン劇場を彷彿させます。

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ところで、通常、平土間(Parterre )の最前列は座っている人が立ち上がらないと、人が通行できないのですが、グラーツ歌劇場は結構余裕があり、事実上の通路になっていました。そのため、最前列席とオーケストラピットの間にちょっと距離がある感じになっています。Feriが意外に思ったのは、建物の大きさから考えていたよりも、オーケストラピットが広いことです。

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その他、舞台の上部には字幕表示装置が設置されているのですが、「チャールダーシュの女王」の時は、「歌の部分」だけドイツ語で字幕が表示されていました(お芝居のセリフは字幕は出ませんでした)。これはちょっと面白い工夫ですね。確かに歌の部分は内容が聞き取りにくい場合もあるので、字幕が出た方が親切かもしれません。

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さらに興味深いのは、客席数に比べて、多数の バーがされていることです。玄関を入ってすぐのホワイエに1箇所、その奥に左右2箇所、さらに2階と4階にも設置されていました。また、ホワイエ以外には、ちゃんと椅子とテーブルもあり、ゆったりとくつろぐことができます。この当たりのゆとりは、さすが歌劇場

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また、4階(写真のところ)にはレクチャールーム(写真には写っていませんが、向かって右側)があり、Feriが訪問した当日も、開演前に講演会を行っていました。こういったパブリックスペースが充実している点は見事ですね。全体的にパブリックスペースはフォルクスオーパーよりも、広めにとってあるようで、休憩時間でも、あまり混雑しません。このようにゆとりを持たせた設計はたいしたものです(本来、歌劇場は「社交の場」ですから、こういったパブリックスペースも大切なのですよね)。

公演プログラムについては、残念ながらウィーンのようなレパートリー・システムは採用されていません。また、メンバーの数が少ないため、休演日が比較的多く設定されているようです。

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しかし、オペラ、オペレッタはもちろん、ミュージカル、バレエ、コンサートなど多用なプログラムが準備されています。ちなみに2009/2010シーズンのプログラムですが、オペレッタでは「こうもり」(こちらは普通の演出のようですが)「チャールダーシュの女王」、オペラでは「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「ルサルカ」(ドヴォルザーク作曲)「フィガロの結婚」「蝶々夫人」「ルル」「夢遊病の女」、ミュージカルでは「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」、ダンスでは「Nomaden」「Tanz Nites」など多彩な演目が上演されています。当然のことながら、子供受けのプロダクションも行われています。

ところで、「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」は、フォルクスオーパーのプロダクションを、そのまま導入したものなので、演出は全く一緒のようです(ただし、歌手はグラーツ歌劇場の皆さんです)。ウィーンの地元民には、評判が良くなかった「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」ですが、グラーツの皆さんはどのように受けとめているのか、興味がありますね。

余談ですが、主役のマリア役には同カンパニーに所属しているSieglinde Feldhoferさん(「チャールダーシュの女王」でスタージを演じた歌手)の他に、何とフォルクスオーパーで活躍中のJohanna ARROUASさんも客演で起用されているようです(これは観たい 。ちなみにグラーツ歌劇場のWebサイトには舞台写真が多数公開されていますが、さすがにマリア役はSieglinde Feldhoferさんだけでした)。

このほか、グラーツ歌劇場でも劇場誌(A4サイズ4ページ立て)を定期的に発行しており、劇場では無料で入手することができます。こういったところにも「ウィーンに対する対抗心」がにじみ出ていますね

ところで、グラーツ歌劇場のチケットですが、現在は、オンラインで入手できるようになりました。歌劇場のみならず劇場関連のチケットを扱う「BÜHNEN GRAZ」 というサイトで手配が可能です(登録制です)。ただし、このサイトからチケットを手配した場合、手数料が若干かかります。

なお、現在、グラーツ歌劇場にはオーケストラと合唱団には、日本人の方が所属しています。日本人のお客さまが劇場を余り訪れないのが残念ですが、オペレッタにはまっているFeriとしては、今後、グラーツ歌劇場も応援していきたいと思っています 。皆さまも、ウィーンから鉄道でも2時間30分ほどで、グラーツに行くことができますので、お出かけになってはいかがでしょうか 。きっと、新鮮な体験ができると思います。


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