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February 02, 2010

フォルクスオーパーの「ラ・ボエーム」

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日本人では好きな人が多いプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」ですが、現在、フォルクスオーパーでも上演されています。「ラ・ボエーム」は庶民的な内容なので、日本人好みなのでしょうかね。

Feriは、今まで国立歌劇場では何回か観たことがあるので、今回、フォルクスオーパー版を観ることにしました。最近、フォルクスオーパーで上演されるオペラは、「リゴレット」に代表されるように変わった演出が多いので、「ラ・ボエーム」が、どのように料理されているか、興味がありました

で、当日、プログラムを購入して驚きました。というのは、この演目は1994/1995シーズンにプルミエを迎えた演目(1994年11月19日プルミエ、指揮は日本公演でおなじみのAschr Fishさん)を、そのまま「再演」しているのです。最近のフォルクスオーパーでは、中断期間がある作品では、新演出に切り替えるケースが多いのですが、これは珍しいパターンですね。

ちなみにFeriが観た日は、通算83回目でした(中断期間が長かったことがわかります)。ところで、1994/1995シーズンのディレクターは、あのイアン・ホーレンダー氏です。という訳でプログラムも「1994/1995シーズンのも」のを転用していますので、日本語の「あらすじ」はありません。

なお、フォルクスオーパー版の「ラ・ボエーム」は、ドイツ語版上演です(そのため、字幕はなし )。

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Feriが観た当日ですが、指揮はHenrik Nánásiさんが務めました。キャストですが、ミミ(Mimi)役がBrigitte Gellerさん(フォルクスオーパー初登場)、ムゼッタ(Musette)役がUrsula Pfitznerさん、詩人ロドルフォ(Rodolphe)役がMehrzad Montazeriさん、マルチェルロ( Marcel)役がDaniel Schmutzhardさん、音楽家ショナール(Schaunard)役がEinar Th. Gudmundssonさん、哲学者コルリーネ( Colline)役がYasushi Hiranoさん(うれしいですね。日本人として久しぶりにまとまった役です)、アルチンドロ(Alcindor)役がJosef Luftensteineさんといった面々でした。最近、オペラ出演も増えているMehrzad Montazeriさん とJosef Luftensteinerさんが、ここでも登場です。

さて、演出に関しては、比較的オリジナルに忠実でした。舞台装置に関しては、主な大道具をキャスターで移動できるようにしており、幕間(暗転を含む)の際には、それを移動させて場面変更を行うという、今では珍しいパターンでした。今だったら、回り舞台を使って、省力化を図っていたことでしょう。また、ちょっと奇をてらった演出としては、舞台前面に「ものがたりのあらすじ」を書いた大きな幕が下りている点でしょう(冒頭の写真)。オペラが始まると、この大きな幕が下に落ちるようになっています。

一幕はおなじみのパリのカルチェ・ラタンにあるボヘミアン仲間が暮らす屋根裏部屋です。移動式の大道具と吊るしもので上手に屋根裏部屋の雰囲気を出していました(左側には屋根裏部屋へ至る階段もあります。二枚目の写真。ただし、これは四幕ですが…)。一幕の見所は、ロドルフォとミミが出会うシーンですね。Mehrzad Montazeriさんはボヘミアンの雰囲気をよく出しており、オペレッタで鍛えた演技も加わって、存在感抜群でした。のびのびと役を演じていたのが印象的です。ミミ役のBrigitte Gellerさんは、ちょっと声量が足りない感じがしましたが、今後に期待しましょう。

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そして、二幕はクリスマス・イブのカルチェ・ラタン、カフェ・モミュス前です。ここでは舞台中央に2階建ての巨大なカフェのセットが登場します。また、クリスマス・イブの雰囲気を出すため、子供達を含む大勢の合唱団が登場します。ここは、すごく華やかな雰囲気で、屋根裏部屋との対比が見事でした。ここでの見所は何と言っても、マルチェッロが元の恋人ムゼッタとよりを戻す場面でしょう。金持ちのパトロンのアルチンドロ役のJosef Luftensteinerさんは雰囲気がぴったりですが、ちょっと気の毒な役回りでしたね。

ムゼッタ役のUrsula Pfitznerさんがカフェの二階テラスで歌うのですが、抜群の存在感でしたね(華があります)。また、マルチェルロ役のDaniel Schmutzhardさんも、ここでは見事な演技を見せてくれました。ミミとロドルフォのやりとりも、なかなか良かったですね。フォルクスオーパー版では、二幕の後に休憩が入ります。

三幕はダンフェール門の市外との関税所前ですが、シンプルな舞台装置で雰囲気が良く出ていました。このあたりから、ミミが病気であることがはっきりしてくる訳ですが、病気に侵されている雰囲気をBrigitte Gellerさん良く出していたと思います。彼女は、後半の方が、雰囲気があっているかもしれませんね。ここでの聴き所は、ロドルフォとミミが愛の言葉を交わす二重唱の一節を繰り返す部分でしょう。

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四幕は、再び屋根裏部屋に戻ります。ここでは、コッリーネが瀕死のミミのために自分の古着を質に入れようと、ショナールを誘って部屋を去るのですが、コッリーネ役のYasushi Hirano さんが歌う“古い外套よ”が良かったですね(写真右側がカーテンコースに登場したYasushi Hiranoさんです)。それまでの場面でも、上手にお芝居をこなしていたのですが、今ひとつ歌で目立つ場面がなかったのですが、ここではお客さまから大きな拍手を浴びていました。

フォルクスオーパーの「ラ・ボエーム」ですが、全体的に良くまとまった舞台になっていました。舞台装置は、若干簡略化しているものの、それなりの雰囲気は出ていましたね(これは舞台の大きさも影響していると思います)。時代設定などを変えていない点も評価できるでしょう。

とくにMehrzad Montazeriさんは、感情の起伏が激しい役にはぴったりであることが、よくわかりました。今まで観た公演のなかでは、Mehrzad Montazeriさんの良さが際立った演目だったかもしれません

ところで、別日程では、Morten Frank Larsenさんがマルチェロ役で出ているようです。これもちょっと見たかったですね。

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Comments

「ラ・ボエーム」のメロディーの一節が流れるとたちまちウルウルしてしまう私です。
ハリー・クプファー演出のフォルクスオーパー版は随分前に見ましたので細かい点は忘れましたが、第一幕でミミが初めてロドルフォの部屋を訪れる時、扉の前でローソクの灯を吹き消してノックをする・・・つまりその前からミミはロドルフォを想って居り、灯をもらうのは口実であるといった演出が説明的だけど面白く納得のいくものでした。今でもその通りでしょうか?
シュターツオーパーを始めとしてゼッフィレッリ演出版がスタンダードとして定評があり私も大好きですが、冷静に考えると少々派手過ぎる気がしないでもありません。
モンタゼッリはつい先般フォルクスオーパー管弦楽団の来日公演に帯同していました。このところ忙しいだろうによく来てくれましたね。二枚目だし良い雰囲気を持ったテノールなのでこれからも楽しみです。

Posted by: Unicorn(ユニコーン) | February 03, 2010 00:38

Unicornさま、お久しぶりです。また、楽しいコメント、ありがとうございます。

>第一幕でミミが初めてロドルフォの部屋を訪れる時、扉の前でローソクの灯を吹き消してノックをする・・・つまりその前からミミはロドルフォを想って居り、灯をもらうのは口実であるといった演出が説明的だけど面白く納得のいくものでした。

はっきり覚えてはいないのですが、恐らく同じだったと思います。ただ、その全段、ルドロフォの部屋の様子を自分の部屋から、物陰にかくれてうかがう場面が私には印象的でした。

Mehrzad Montazeriさんですが、Feriは、フォルクスオーパーにデビューした当初から観ていますが、あの当時に比べると格段に良くなっていますね。歌もうまくなっている上に、お芝居が上手になっているので、今後が楽しみです。

ただ、何でもこなせるタイプではないので、キャスティングがポイントかもしれません。今回のルドロフォは、本当に彼向きの役でした。

Posted by: Feri | February 03, 2010 01:13

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