私的“グラーツ”ナビ(その1)
日頃、「ウィーンの話題」が多いのですが、今回、久しぶりにグラーツに出かけたので、こちらの話題をお届けしましょう。
さて、歌劇場の記事でもご紹介したように、シュタイヤマルク州の州都グラーツは、オーストリア第二の都市ですが、人口規模は日本の山形県山形市、広島県呉市、東京都豊島区、東京都府中市などとほぼ同じ25万人強です。
冒頭の写真は朝のグラーツ中央駅ですが、連なる山がバックに見えますね。そう、グラーツは盆地なのですよ。雰囲気としては、長野や松本に近い感じがします。
日本人の感覚からすると「小さな都市」という印象になりますが、歴史地区が世界遺産に指定されるなど、「歴史のある都市」として知られています。そうそう、クラシックファンには指揮者カール・ベームの出身地として有名ですね(今の若い人はしらないかな )。
ある友人が「グラーツは学生と老人の街」と言っていましたが、これは大当たり 。なぜかというと、人口規模に比べて大学が多いのです。
グラーツ大学をはじめ工科大学、医科大学、芸術大学、教育大学などで、合わせて4万人以上の大学生が学んでいるそうです。住民の総数は25万人強ですから、六人に一人が大学生という計算になります。
また、「老人が多い」というのは、歌劇場をはじめとした文化的な施設が充実しているにもかかわらず、街がコンパクトで住みやすいため、引退した方が引っ越してくることが理由になっているようです。
観光客の皆さまに有名なのは、市内中心部にそびえるシュロスベルクに立っている時計塔と鐘楼でしょうね。この上には、シュロスベルクバーンというザイルバーン(ケーブルカー)で簡単に登ることができます。なお、このザイルバーンは市内交通網に組み込まれているため、市内交通の24時間チケットなどでも乗車することができます(お得ですね)。
また、最近、シュロスベルクまで登る垂直リフト(エレベーター)も新設されました。こちらの方が所要時間も短く、旧市街中心部から近いのですが、別料金になっています(残念)。もちろん、徒歩でもシュロスベルクへ登ることができますが、冬場は滑りやすいので、止めた方が無難です。ちなみに写真はリフト乗り場に続くトンネルです。
もう一つグラーツで有名な場所が郊外にあるエッゲンベルク城(Schloß Eggenberg)でしょう。現在、州立博物館アルテ・ギャラリーとして公開されています。
最近、江戸時代に描かれた日本の屏風絵(豊臣時代の「大坂図屏風」)が発見され、日本でもNHKで特集番組が放送されたので、ご覧になった型も多いと思います。この屏風絵が縁となり、昨年、大阪城天守閣とエッゲンベルク城が友好城郭提携を行っています。
旧市内中心部のハウプトプラッツには市庁舎(右写真)が建っていますが、是非、中庭に入ってみて下さい。バロック時代の見事な三層式アーケード(左写真)を見ることができます。そうそう、隣接して昔の武器や甲冑を展示している武器庫(ツォイクハウス)もありますよ。
ちょっと長くなりましたので、後編は明日、お届けします。なお、明日はFeri得意の「穴場」をご紹介する予定です。
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Comments
feriさんって、本当にオーストリア通ですね

私もオーストリア大好きですがferiさんには到底及びません。
明日の穴場情報も、楽しみです
Posted by: nao | March 05, 2010 13:32
naoさま、お褒め頂き、ありがとうございます。
そうは言っても、まだまだ興味はあるものの、足を伸ばしていないところも多いのですよ。
ウィーンも好きですが、地方に行くと魅力的なところがたくさんありますね。
Posted by: Feri | March 05, 2010 14:35