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March 07, 2010

グリンツィングの危機

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今日はホイリゲで有名な「グリンツィングにまつわるお話」です。

ウィーンで観光客の皆さんに有名なホイリゲ街と言えば、カーレンベルクの麓にあるグリンツィングでしょう。Feriも、最初に出かけたホイリゲはグリンツィングでした。当時は、観光バスが道路に沢山並んでおり、観光客の皆さんで大変なにぎわいでした。

ところが、こんな観光名所のグリンツィングが最近、変わってきたようです。まず、古くから営業しているホイリゲの廃業です。実際、Feriも、昔、訪れたホイリゲが廃業していてビックリしたことがあります。以前は、ホテルを併設していた大型のホイリゲも店じまいしていました。「廃業の理由」は色々とあるようですが、一つは後継者難だと言われています。この点に関しては、いずこも同じですねぇ。

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また、最近、グリンツィング近郊の「ワイン畑」ではなかった「ワイン用ブドウ畑」が売りに出されたというニュースもありました。自家製ワインを提供するお店ですから、廃業すれば当然、ブドウ畑も不要になってしまう訳です。

ところで、グリンツィングの場合、観光客の比率が高いため、歯が抜けるようにホイリゲが廃業し、そこが新しい集合住宅などになってしまうと、風情がなくなり(魅力が半減してしまい)、ますます観光客の皆さんがいらっしゃらなくなってしまいます。

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このような事態に危機感を持った当局が、グリンツィングの活性化に向けたプロジェクトの検討をはじめたようです(写真は、そのプロジェクトを紹介した新聞記事です)。

現在検討されているのは、路面電車38系統の終点に近い一角を保存地域に指定して、昔ながらの景観を保持しようというものです。行かれた方はおわかりになると思いますが、ちょうどカーレンベルクの丘へ向かう道路沿いが「景観保護地区」になるようです。

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実は、Feriも昔は「騙されていた」(ちょっと語弊がありますが )のですが、ザルツカンマーグートで観光客の皆さんが訪れる街の多くは、実は景観保護条例に則って、新しく作った建物が圧倒的に多いのですね。

つまり、観光客の皆さんが喜びそうな街並みを自治体と地元が協力して、「意図的に作っている」訳です。ただ、出来上がってしまうと、「それなりの造り」をしていますから、まるで古くから、このような街並みがあったような錯覚に陥ります。

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もっとも「意図的に作っている」とは言っても、時代考証などはしっかりしていますので、魅力的な街並みであることには変わりありません。恐らく、この考え方を取り入れて、グリンツィングを再生しようと考えているのでしょう。さて、このプロジェクト、今後、どうなるか注目されますね。

ところで、グリンツィングへ行くと、すでに普通の住宅が増えているのがよくわかります。目立たないように工夫はしてありますが、大手スーパーのBILLAなども進出しており、高級住宅地化が従来以上に進んでいるような気がします。まぁ、これは地元に住む皆さまにとっては良いのでしょうが…

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なお、グリンツィング以外にも、ウィーンには「地元民御用達のホイリゲ」が沢山あるのですが、こちらも経営的に厳しいところが多いようで、知らないうちに廃業していた…というケースが増えています。恐らく昔は、ブドウ畑の真ん中にあったであろう「地元民御用達のホイリゲ」ですが、今では周囲は集合住宅や大きな戸建て住宅ばかりです。

そういう意味では、風情はなくなっているのですが、中に入ると、昔ながらの雰囲気を味わうことができます。また、いらっしゃるお客さまも、地元の常連さんが中心なので、「居間の延長」(第二の居間)といった趣があります 。伝統的なカフェーと共に、こういったホイリゲも残って欲しいものです。


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街角の話題 |

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Comments

お久しぶりです。あの時は私の意図したことではないとはいえ、不愉快な思いをさせてしまいまして、申し訳ありませんでした。
こちらのブログは時々拝見させていただいております。
私のサイトもウィーンのホイリゲ街を再編して、Grinzingの変わりようについての原稿を書いているところでした。内容はこちらと変わりませんので、Grinzingの原稿は捨ててしまいましょう。
そうそう、変わった原因のひとつに地下駐車場もあると思います。あれができたころから、観光バスの客が急に増えて、観光客比率が大きくなってしまい、風情がなくなり始めましたね。
今はこちらでも取り上げられていたStammersdorfの方が、地元の方も観光客も多いようです。

Posted by: Kino_San | March 08, 2010 21:11

Kino_Sanさま、また、お越し頂き、ありがとうございます。そうそう、グリンツィングには地下大駐車場もありましたねぇ。いつも電車で行っていたので、忘れておりました。

ホイリゲはカフェーとともに「ウィーンの文化」だと思うので、これからも昔の風情があるお店が残ってもらいたいものです。

Posted by: Feri | March 09, 2010 18:03

とても興味深い話題です。
初めてウィーンを訪れた時
グリンツィングに足を運び、
ても楽しいひと時をすごしました。
もう数十年も昔の事なのに、
今でも忘れません。
それ以来何度もウィーンを訪れるうちに
ここ数年は、違う場所のホイリゲに行くようになってしまいました。
その為、今の状況は知りませんでした・・・
後継者難による廃業ですか。
グリンツィングの活性化に向けたプロジェクトの成功を願いたいです。

Posted by: necchi | March 09, 2010 21:40

necchiさま、コメント、ありがとうございます。

昔話になりますが、私が初めてグリンツィングに行ったのも「かなり前」です。2月に行ったのですが、大雪で市電の停留所から雪をかき分けて言った記憶があります。そこで、酔っ払いの地元のおじさんと相席になり、ワインをおごってもらった記憶があります。懐かしい思い出ですね。さすがに大雪の2月だったので、観光客の皆さんは、少なかったような気がします。
「自家製ワインを飲ませる店」ですから、お店の維持以上にブドウ畑の維持・管理から、ワインの製造まで、色々と大変なのだと思います。ワインだけどこかから仕入れてきて、提供するのであれば簡単でしょうが、それではねぇ。

Posted by: Feri | March 10, 2010 08:54

やはり駐車場のことが気になって、そのことを中心に、私なりのグリンツィング衰退論を書いてしまいました。
http://www.heuriger2005.com/essay/grinzing2010.html
こことは、微妙に重なっていませんので、ご勘弁ください。
また、私のブログでこの記事を紹介しておきます。

Posted by: Kino_San | March 14, 2010 17:02

Kino_Sanさま、コメント、ありがとうございます。「ホイリゲへ行こう!」を主催されているKino_Sanさまですから、ホイリゲに対する思い入れは強いものとお察しいたします。

しかし、日本人がグリッツィングのホイリゲ談義をしていると知ったら関係者の皆さんは、どのように思うでしょうね。

これからも色々なご意見、ご感想をお待ちしております。

Posted by: Feri | March 14, 2010 17:47

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