トロッコでGO(その2 動画付き)
23キロ近くあるため、路線の途中には当然、一般道を横切る箇所(いわゆる踏切)があります。この「踏切の仕掛け」が面白いのです。実は線路の方に遮断機が付いています。
遮断機の手前にスイッチがあり、軌道自転車で到着したお客さまが、このスイッチを操作すると、道路側の信号が赤に変わり、一般の自動車を止めます。すると、やおら線路側の遮断機が上がり、軌道自転車の運行が再開される…という仕組みになっています。
こういったギミックがお客さまには大受け 。何しろ、一般道の車を自分の手で止め、その前を軌道自転車が悠々と通過するのですから、痛快ですよね。ちなみに右の写真が、軌道自転車が一旦停止し、お客さま自身で踏切を操作しているところです。
ところで、この軌道自転車ですが、途中での追い越しはできません(一応、駅にはポイントがありますが、事故防止の観点で使っていないようです)。当然、速度には個人差がでるのですが、このあたりは皆さん、協力しながら楽しく走っています(要するにあおったりしないという意味です)。
途中のお休み処(駅)で休憩する場合ですが、驚いたことに、ブレーキを使って留め置くのではなく、軌道自転車を軌道から一端外していました。これは、後続のお客さまが、駅を通過することもあるためです。ポイントを使って待避線にでも入れたら、これまた盛り上がるのでしょうがねぇ。
ところで、軌道から外す場合、スタンダードタイプならば、「こちらの大人の方」、一人でも何とかなるようです。しかし、定員の多いスペシャルバージョンの場合は、数人がかりの大仕事になります。こういった仲間での協同作業が、グループの一体感を醸し出すのかもしれません。
Feriはあいにくパートナーがいなかったので、乗ることはできせん 。そこで、途中のお休み処まで先回りしてみたところ、早くも休憩モードに入っているグループで大賑わいでした。皆さん、
ビアなどを飲みながら異様に盛り上がっています。
これは運動をすることで、アドレナリンが分泌されて、テンションが上がることに加えて、グループで協力するためなのでしょうね。このアトラクションを利用しているお客さまですが、若い人が中心かと思っていましたが、意外と中年のおじさまやおばさまも参加していました。また、お孫さんがこぎ手…というケースや、お体が不自由なご家族を後ろに乗せて楽しんでいるケースも見られました。とにかく、年齢層が広いのには驚きました。
なお、軌道自転車にはスポンサーの広告が出ているのですが、スタンダードタイプの中にはパトカー仕様、消防車仕様など、子供さんが喜びそうな塗装の車両もありました。興味深いのはスペシャルバージョンです。たとえば、最前部にソファーを設置したタイプ、ÖBBのレールジェットタイプなど、なかなか凝ったタイプが存在します。
その中でferi一押しなのが、ザルツブルクのビア会社Stieglのカラーリングになっているスペシャルバージョンです。何とビックリ。後部座席の中央にはビアサーバーが設置されているのです。前で必死にペダルを漕いでいる運転士担当を横目に、後ろで 生ビアを飲んでいたら…暴動が起こりそうです。
しかし、こちらの人ならば、くじで負けた人がこぎ手…みたいな感じで平気でやりそうですね 。ただ、当日は、「ビアサーバー」は運用していませんでした。残念。見たかったのに
ウィーンから近いこともあり、天気の良い週末は大賑わいのようです。一方向の利用なので、個人のお客さまの場合は、Oberpullendorf 到着後、Horitschon/Neckenmarktへの送迎サービスもあるようです(逆にOberpullendorfに車を駐めて、Horitschon/Neckenmarktへ送迎サービスで移動するパターンもあるようです)。団体の場合は、バスが先回りしてピックアップしていました。
ところで、この施設で軌道自転車の回送などに使用さている軌道自動車があるのですが、何と三菱パジェロの改造車でした。一般的に軌道自動車にはウニモクなどが使われることが多いのですが、これにはちょっとビックリ。Feriは、たまたま軌道から道路へ移動する場面を見ることができましたが、鉄道用の車輪が自動で上がるようになっていました。きっと、こちらで改造したのでしょうね。こんなところでも日本製品がお役に立っています。
例年3月下旬から9月下旬まで営業していますが、今年は9月26日が最終営業日となっています(9月からは月曜休業)。
日本の皆さまにも、ぜひぜひお勧めしたいのですが、かなり体力を使うと思います。また、途中でリタイアしずらいシステムなのも難点ですね。せめて路線長が5キロくらいだったら、チャレンジできそうなのですが…この楽しさを皆様の感じていただけるように、今回も動画を用意しました 。これをご覧になって、来年はマッスル系のグループは、是非、参戦を!!
なお、余談ですが、このアトラクションですが、よく23キロも運営できるものだなと思っていたら、実は夜間(つまりアトラクションを営業していない時間帯)には、貨物列車が走っているそうです。実際に中間駅で、木材を満載した貨車を発見しました。貨物とは言え、営業運転をしているのであれば、線路の保守費用は捻出できると思うので、これだけ長い区間のアトラクションが実現しているのでしょう。
また、日本の場合だと、各種の法律が足かせになって、一般の道路を横切る区間があるようなアトラクションの運営は難しいかもしれません。いかにもオーストリアらしい「 マッスル系アトラクション」です。
なお、これに気をよくしたのが、最近では同じエリアで、ゼグウェイを使った観光ドライブや熱気球の体験搭乗なども始めたようです。
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