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August 31, 2010

映画「枢機卿」に描かれたウィーン

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「8月最後の話題」は、先日、日本のテレビで放送された 映画の話題 です。

先日、NHKの衛星映画劇場で1962年制作のアメリカ映画「枢機卿」(原題:The Cardinal)が放送されました。

ヘンリー・モートン・ロビンソンの同名小説を、ロバート・ドジアが脚色して、「栄光への脱出」で知られるオットー・プレミンジャーが製作、監督したドラマです。題名からもわかるように、アメリカ人のカトリック聖職者の半生を描いた作品ですが、途中、ウィーンが出てくるのです。

詳しいお話は別にして、主人公のファーモイル(トム・トライオン)が最初にウィーンにやってくるのは、1924年のこと。妹の堕胎を押しとどめた結果、妹を亡くしてしまったファーモイルは、失意の余り聖職者を休職し、英語教師としてウィーンに赴任します。

そこで、教え子のウィーン人アンネマリー(ロミー・シュナイダー)との、淡い恋愛模様が描かれます。映画では旧市街などが舞台になっています。最終的に、ファーモイルは聖職者にもどる覚悟を決め、アンネマリーのもとを去ります。

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そして、次にファーモイルがウィーンにやってくるのは、1938年のこと。ヒトラーによるオーストリア併合が現実味をおびてきた頃です。映画では、オーストリアのイニツァー枢機卿(ジョセフ・メインラッド)がヒトラーを支持する発言をするのですが、これを問題視したローマ法王庁は、ファーモイルをウィーンに派遣することを決めます。

映画の後半は、ドイツに併合される前後のウィーンが舞台になっています。ウィーン大司教のイニツァー枢機卿は、ヒトラーが信仰の自由を約束してくれたから、ナチスを支持しても大丈夫だとファーモイルに説明するのですが、実際には、ナチスによるカトリック信徒に対する弾圧が行われる…というストーリーになっていました。

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また、ウィーンでは、ユダヤ人実業家ハートマン夫人となったアンネマリーと再会するが…これまた悲しい結末に

で、映画では、何とステファン教会やステファンプラッツにハーケンクロイツの旗が翻っている場面があります。今だったらCGで簡単にできるのですが、当時、ウィーンロケの祭、実際のハーケンクロイツの旗を掲げたのでしょうか。ちょっとビックリです。

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また、映画では司教館(恐らくイニツァー枢機卿が居を構えているので、ステファン教会向かいの建物でしょう)に、ヒトラーユーゲントがなだれ込み、椅子や置物、キリストの肖像画などを手当たりしだい破壊、聖職者を窓から放り出すという残忍な場面が描かれています。

ただ、これが史実なのかどうかは、Feriは知りません。当時、バチカンはナチスと密約(政教条約、コンコルダート)を結んでいたいという話もありますので、実際のところはどうなのでしょうかね 。まぁ、映画に描かれたような「単純な話」ではなく、色々と複雑な事情が絡み合っていると思います

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映画では、この混乱の中、ファーモイルはウィーンの聖職者の手引きで、司教館から地下通路を通ってステファン教会の礼拝堂へ抜け出します。そして、バチカンに現状を伝えるため、ウィーンを後にする…という展開になっていました。1960年代のアメリカ映画ですから、バチカンでアメリカの枢機卿に任命されるところで、映画はThe Endとなります。

偏見がある訳ではないのですが、アメリカ映画(ドラマ)ですから、必ずしも史実に忠実に描いている訳ではないと思いますが、Feriはウィーンやオーストリアの扱い方に複雑な思いを抱いた一本でしたね。

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Comments

こんばんは、
 この映画は見ていませんが、
 ヒトラーですが、1941年クロアチアで、お布施が入ってこないと理由でカトリックに改宗しないセルビア正教信者50万人の虐殺を見たヒトラーは、カトリックを恐れました。
 だから、ヒトラーですらオーストリアの宗教税を廃止することは出来なかったようです。

Posted by: heibay | September 03, 2010 23:17

heibayさま、コメント、ありがとうございます。

教会税の件は、私も聞いたことがあります。実際、色々なことがあったのでしょう。

Posted by: Feri | September 04, 2010 06:56

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