番外編 ドレスデンのDDR博物館(その2)
写真・映像関連のコーナーでは、懐かしいブランド「プラクティカ」(PRAKTICA)の高級カメラや交換レンズなどがショーケースに入って展示されていましたね。当然、写真屋さんのセットなので、Feriも昔使っていた銀塩写真用の引き伸ばし器なども置いてあります
。
この中で興味を引いたのは、当時、見ることができなかった一般家庭の内部ですね。
ただ、セットを見ると非常の立派な家具や調度品がならんでいるところを見ると、党幹部などのブルジョワ層の住まいだろうと思います。テレビなどは実際に稼働しており、東ドイツのニュース番組などを流していました。ちなみに冒頭の写真が、再現されたリビングルームです。バスルームなども興味深いですね 。
二階のテーマは「Wirtschaft & Handel」(経済活動全般、工業と商業)です。ここも、なかなか興味深い展示です。医院、美容院、商店(懐かしい商品が並んでいました)、企業の事務所、軽工業の作業所、自転車、力を入れていた各種コンピューター(OSは何だったのでしょうね)、ベビーカーなどの東ドイツ製の製品が大量に展示されています。とにかく物品の収集はすごいですね。正直、驚きました。
グランドフロアーのテーマは「Auto & Verkehr」(自動車と交通)です。ただ、実際に展示されているのは「トラバント」を中心とした自動車、モーターバイクです。東ドイツを代表する自動車「トラバント」も、普通乗用車だけではなく、モータースポーツ仕様、バギー仕様、軍用、郵便局仕様など様々なバージョンが並んでいます。トラバントのコレクションでは、最大かもしれません。
興味深いのは、さすがドイツ人というか、東ドイツでもオートキャンプを奨励していたようで、キャンピングカーやオートキャンプのセットも展示されています。もっとも国家が分断されても精神構造はドイツ人のままですからね。
そうそう、フォルクス・ポリツァイ(Feriは、当時、人民警察と呼んでいました)のパトロールカーも保存されていました。
さすがに、差し障りがあるためか、軍事関係の展示は最小限にとどめられていますが、市民生活については、良く再現されていると思います 。
正直なところ、東ドイツを知らない人が見ても“ふーん、こんな生活だったんだ”とったニュアンスで終わってしまうと思います。しかし、当時、東ドイツで生活をしていた人(ドレスデンに住む人の多く)や、東ドイツに旅行したことのある人から見ると、非常に懐かしく感じられます。
Feriが東ドイツを訪問した際は、万が一のことを考えて、写真撮影も最小限にとどめていました(そもそもフィルムだったので、撮影できる枚数が限られていた上に、撮影済みフィルムの国外持ち出しは本来、禁止されていました )。そのため、あまり記録が残っていないのですが、自分が覚えているような品々が並んでいるので、本当に懐かしく感じました。
しかし、ここへ来て、懐かしそうに見ている日本人は珍しいとは思いますね。なお、入り口横にはミュージアムショップがありますが、なかなか興味深い商品を販売していました。どなたにもお勧めできる博物館ではありませんが、「東ドイツの生活」を知ることができる貴重な施設だと思います。
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