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December 21, 2010

フォルクスオーパー「ウィンザーの陽気な女房たち」プルミエレポート(その2)

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さて、今日はフォルクスオーパー「ウィンザーの陽気な女房たち」プルミエレポート後半をお届けしましょう。

まずは、休憩後の第2幕後半から。

休憩後は、フェントンとアンナの逢い引き場面からはじまります。オリジナルでは「ライヒ邸の庭」という想定ですが、フォルクスオーパー版では、フェントンは戦闘機で上空からやってきて、見事なアリアを披露します。着陸した場所がライヒ邸なのかどうかは、わかりませんが…

そこへ、アンナがやってきて二重唱になります。ここが二幕最初の聴き所ですね 。プルミエではAndrea BognerさんとEdelmannDaniel Behleさんが、抜群のハーモニーを披露しました。いいぞ、ご両人   一方、彼女と結婚したいカーユスとシュペールリヒは、木陰で二人の話を立ち聞きして、落胆してしまいます(気持ちが痛いほど、よくわかります )。

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場面はフルート邸に移ります。ファルスタッフとフルート婦人が部屋の中でイチャイチャしていると、そこへ、またもやフルート(ダンナ)が帰宅したと伝えられます。ファルスタッフが別室(実際のセットは小さい家の中)に隠れると、直ぐにフルートが剣を持ってやってきます。

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“今度こそ捕まえた”と洗濯籠に剣を突き刺すのですが、手応えはありません(だいたい、同じ場所に隠れるはずがないですよね)。そこに召使いの伯母ブレントフォード夫人に女装したファルスタッフが現れます。フルートは彼女を毛嫌いしているため、変奏したファルスタッフとも気づかず、棍棒で叩いて追い出してしまいます。このあたりのお芝居は面白いですね。Morten Frank LarsenさんとLars Woldtさんの掛け合いは、まるでオペレッタ状態です 。そして、暗転で三幕へ移ります。

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○第三幕
舞台は「ライヒ邸の一室」です。ことの顛末を聞かされたフルート達は、ファルスタッフを徹底的に懲らしめるため、夜の「ウィンザーの森」で行う仮装大会を利用することにします。そして、ライヒ夫人は“狩人ヘルネの昔の物語”を歌います(ここが聴かせどころ )。

実は、これは娘アンナを各々の推す求婚者と結びつける場面を暗示しているのです。ライヒ婦人はカーユスを、ライヒはシュペールリヒを、それぞれ娘アンナと結婚させようとしています。しかし、アンナはフェントン意外と結婚する気はありません。

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ライヒ夫婦の陰謀に気づいたアンナは、フェントンとの結婚を決意し、アリア“これで決心がついた”を歌います(このアリアはAndrea Bognerさんの魅力が遺憾なく発揮されていましたね。最高!!)。ただ、赤ちゃんの人形を抱きながら歌うのですが、この人形の表情が正直、怖いです 。じっくり見てしまうと夜、うなされそうです  ところで、赤ちゃんを抱いて歌うということは、今流の「出来婚」に持ち込んでしまえば、こっちのもの…という意味でしょうかね

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フルート婦人の誘いに乗って、狩人ヘルネ(森番ハーンという節もあり)に変装したファルスタッフが意気揚々と「ウィンザーの森」やってきます。

ちなみにこのときのファルスタッフは「平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターせんと君」状態です(そもそも、オリジナルでも鹿の角を突けて登場するのですが…)。

さっそくフルート夫人とライヒ夫人は甘い言葉で彼を誘惑し、「デートの三重唱」が歌われます。そこへ大勢の妖精達が集まってきて二人の夫人はすばやく逃げてしまいます。妖精の合唱と踊りが続きます。そのどさくさに、アンナとフェントンは婚礼衣装で登場。手を取り合って結婚式を挙げるため、森の礼拝堂へ向かいます。

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一方、カーユスとシュペールリヒは、アンナの企みで、赤と緑の妖精に変装して森へやってきます。実は、お互いが相手をアンナであると勘違いしており、結婚相手を捕まえたと大喜び。

妖精に変装した人たちは隠れていたファルスタッフを見つけだし、皆で彼をフルボッコ状態にします。蚊の踊り、全員の踊りと合唱が楽しく繰り広げられますが、このあたりは、特殊メイクの合唱団とバレエ団の見せ場です。なかなかユーモラスなコスチュームに注目しましょう。

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ファルスタッフは、その場を逃げようとするところでフルート夫妻、ライヒ夫妻に種明かしをされ、やっと騙されたことに気づきます。オリジナルでは夫人達は彼を許し、道化芝居はフィナーレになるのですが、フォルクスオーパー版では、ここからが一ひねり。

何と召使いだったウサギが実は美しい少女であることがわかり、ファルスタッフが歓喜します(実際、舞台上で着ぐるみを脱ぐシーンがあります) 。そして、ファルスタッフは少女と二人で手を取って森の中へ姿を消します。ファルスタッフがやられっぱなしでないところが、救いでしょうかね。

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とにかくファルスタッフがウィーンの皆さまが喜びそうな「愛すべき好色漢」として描かれていました。最後までハッピーになれなかったのは、結局、カーユルとシュペリヒです。妙なコスチュームになっているのにお気の毒(カーテンコールで赤と緑のバレエ衣装を着ている方が、このお二人 )。

プルミエでは、意味不明な時代設定と奇抜なコスチュームだったためか、演出家(Alfred Kirchnerさん)が出てきたところで、恒例の大ブーイング大会となりました。ウィーンでは、恒例ですから、演出家も気にせず…といった感じでした。なお、この演出家ですが、フォルクオーパーの「トスカ」を手がけた方です。あれも足場を組んだすごい舞台でしたね。

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○歌手の仕上がりは…
全体的に男性歌手陣はレベルが高い感じがしましたが、フルート夫人のJennifer O´Loughlinさんと、ライヒ夫人のAlexandra Klooseさんは、残念ながら全般的に声量が足りない気がしました。実は、feriはゲネプロも観ることができたのですが、そのときに比べると格段に良くなっていました。こなれてくれば、もう少し良くなるかもしれません。これは、お芝居についても言えると思います。

女性陣の中では唯一アンナを務めたAndrea Bognerさんが見事な演技と歌いぶりでした。今後、なお、セカンドクルーはフルート夫人がEdith Lienbacherさんと、ライヒ夫人がMartina Mikelicさんなので、こちらの仕上がりも気になります(feriは恐らく観ることができないと思います )。

男性陣では、ファルスタッフのLars Woldtさんは特殊メイクながら、歌って踊る、大活躍でした。見事な仕上がりでしたね。また、フルートのMorten Frank Larsenさんは嫉妬深い夫役を見事に演じていましたね。オペレッタで鍛えただけあって、さすがです。ライヒのMartin Winklerさんも見事な演技と歌でした。

今回、意外と良かったのが、フェントンのEdelmannDaniel Behleさんです。二幕で戦闘機の上で歌う場面は、見事でしたね(実際、天井からワイヤーで吊された戦闘機の乗って登場します。あの不安定な中で、情感を込めて歌うのは大変だと思います 見事でした)。

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カーユスのMarco Di Sapiaさんと、シュペリヒのKarl-Michael Ebnerさんは、あまり歌う場面がないのですが、三幕ではバレリーナのような格好をさせられて、お気の毒でした。

なお、オーケストラの演奏ですが、Sascha Goetzelさんの指揮が見事で、全般的に良く響いていたと思います。オーケストラの実力が十分発揮できていたと思います。久しぶりの演目なので、十分なトレーニングを積んでいたのでしょう。

○演出は好みが分かれそうです…
奇抜なコスチュームではありますが、「リゴレット」のように役柄自体を変えている訳ではないので、独特の世界に入りやすかったですね。ちなみに最後の写真は三幕の冒頭ですが、皆さんが奇抜なコスチュームで登場することがよくわかる場面です。

○新聞評など
クーリエ紙のなどは、珍しく好意的に紹介されていました。「まだ、十分こなれていない」と指摘されている程度で、歌手、演奏、演出とも合格点との評価でした。とくに指揮者のSascha Goetzelさんの評価が高かったようです。まだ若い指揮者ですが、今後、大ブレイクするかもしれませんね。ダイレクターのマイヤーさんとしては、一安心といったところでしょうか。

まぁ、良きも悪しきもフォルクスオーパーらしいオペラに仕上がっていると思います。ただ、日本人のメンタリティーに合うかどうかは、若干、疑問が残ります…後は、観てのお楽しみということで

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