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December 22, 2010

グルベローヴァさんのヴィオレッタ

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お待たせしました。今年、ウィーン国立歌劇場デビュー40周年を飾った世界のディーヴァ、エディタ・グルベローヴァさんの登場です。

かつてはグルベローヴァさんも「椿姫」のヴィオレッタのように、誰もが出演するような役を演じていたこともありました。が、最近では、ご自身がお持ちの高度な歌唱テクニックが、十二分に発揮できる役柄しか出演しなくなりましたね。まぁ、当たり前と言えば、当たり前ですが

前も当ブログでご紹介しましたが、グルベローヴァさんがヴィオレッタをレパートリーに入れていたのは1990年代までで、最後に歌ったのは、2001年の「フィレンツェ5月音楽祭 東京公演」の時でした(この時の指揮はズービン・メータさん)。

12月21日にはウィーン楽友協会大ホールで行われた「椿姫」ですが、コンサート形式で、かつ演奏などは別段、特筆すべきオーケストラではないのですが、なぜか行ってしまうのが、ファンの悲しい性…

まぁ、feriへの クリスマスプレゼント と解釈しておきましょう。おっと、誰もチケットをくれたわけではありません。自腹です 。あくまでも、演奏会の企画が「クリスマスプレゼント」という意味です。

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このプログラムは「VITA E VOCE」という副題がついており、Konzertagentur Münchenという組織が企画したものです。

さて、当日の演奏はMünchener Opernorchester、合唱はMünchener Opernchor、指揮はMarco Armiliatoさんでした。このオケとコーラスですが、おなじみミュンヘンでもバイエルン国立歌劇場ではないのがミソ。さて、皆さんのお目当てはヴィオレッタEdita Gruberovaさん。

ちなみに、その他のキャストはフローラがMarie McLaughlinさん、アルフレードがPavol Breslikさん、ジェルモンがPaolo Gavanelliさん、グランヴィル医師がKurt Rydlさん、ガストーネ子爵がOscar de la Torreさん、ドゥフォール男爵がAdam Kimさん、アンニーナがClaudia Aracelliさんという面々でした。しかし、楽友協会大ホールでコンサート形式のオペラというのも珍しいですね。

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どう考えても60歳を過ぎたおばさまが、青年貴族を虜にするのは、本来無理があるのですが、実際にグルベローヴァさんの歌を聴くと、役に対する深い造詣が表現に反映されています。

とにかく、お見事の一言に尽きます。コンサート形式ながら、狭い舞台でしっかりお芝居もしていますし、例によって役に入りきっていましたね。最初は、多くの歌手が歌える演目なので、余り差はないかもしれない…と思っていましたが、大間違いでした 。軽く流すという言葉が辞書にないグルベローヴァさんなので、入魂のヴィオレッタに聴き惚れてしまいました。正直、feriが今まで観た「椿姫」の中で、最高のヴィオレッタでした。

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また、意外と言っては失礼ですが、さすがグルベローヴァさんと競演するだけあって、アルフレードのPavol Breslikさんも、なかなかすばらしい歌いぶりでした。それ以上に見事だったのがジェルモンがPaolo Gavanelliさんです。すばらしいバリトンと演技で、舞台を引き締めていましたね。ちなみに、このお三方は暗譜で歌っていました。

当初、1幕後に30分の休憩が入り、2幕から3幕へは暗転の予定でしたが、今回は2幕と3幕の間にも休憩が入りました。そのため、3幕の凄まじかったこと。とくにヴィオレッタがアルフレードに見守られる中、息を引き取る場面は、音域の広さを十二分に生かした歌いぶりで正にグルベローヴァさんの真骨頂という感じがしましたね。

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当然のことながら、最後のカーテンコールの凄まじかったこと 。都合、何回、舞台に引っ張り出したことでしょう。また、「椿姫」の場合、ポピュラーな演目なので、国立歌劇場などでも気をつけないと変なところで拍手をするお客さまがいらっしゃるのですが、今日は拍手のフライングも含めて皆無でした。さすがグルベローヴァ・ファンの皆さまです。

しかし、楽友協会ゴールデンザーレで、グルベローヴァさんを聴くことができるとは、正に夢のような一夜でした。なお、今日は終演後、会場内で打ち上げをやっていたようなので、feri恒例の出待ちはせず、早々に引き上げました。
feriにとって、形には残りませんが、心に深く残る「最高のクリスマスプレゼント」になりました


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Comments

通って、文章は面白くて、よいですよ。続いて頑張ってください

Posted by: UGG | December 22, 2010 11:09

コメント、ありがとうございます。これからもご贔屓に

原稿をまとめている時点では気づかなかったのですが、指揮のMarco Armiliatoさん、どこかで見たことがあると思ったのですが、今年の3月ネトレプコさんが出演した国立歌劇場の「ランマムーアのルチア」で振っていましたね。

Posted by: feri | December 22, 2010 17:16

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