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February 01, 2011

番外編 エクサンス・プロバンス音楽祭2009「天国と地獄」

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2月最初の話題も「番外編」です coldsweats01

昨日お届けした「ショスタコーヴィッチ作曲のオペレッタ「モスクワ、チェリョームシキ地区」に続けて放送されたのが、オッフェンバック作曲の名作「天国と地獄」(地獄のオルフェ)です。

こちらは、2009年7月のエクサンス・プロバンス音楽祭で上演された作品です。会場はフランスのエクサン・プロバンスにある大司教館劇場とのことでしたが、どのような劇場なのか、放送の中ではよくわかりませんでした。

指揮はアラン・アルティノグリュさん、演出はイヴ・ボーヌスヌさん、そして演奏はカメラータ・ザルツブルク、合唱はエクサン・プロバンス音楽祭合唱団という編成でした。こんなところにカメラータ・ザルツブルクの皆さんが出ているとは思ってもみませんでした。ちょっとびっくり。

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キャストですが、
オルフェの妻ユリディス:ポーリーヌ・クルタンさん
オルフェ:ジュリアン・ベールさん
地獄の王プリュトン(兼 羊飼いアリステ):マティアス・ヴィダールさん
ジュピテール:ヴァンサン・デリオーさん
世論:マリー・ゴートロさん
ジョン・スティクス(生前はボイオティアの王子):ジェローム・ビリーさん
メルキュール:ポール・クレマジーさん
キュピドン:エマニュエル・ド・ネグリさん
ディアヌ:スーラ・パラシディスさん
ヴェニュス:マリー・カリニーヌさん
ミネルヴ:エステル・カイケさん
ジュノン(ジュピテールの妻):サヴィーヌ・レヴォー・ダロンヌさん
という面々でした。

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「地獄のオルフェ」はホームグラウンドのフォルクスオーパーで何度も観ているため、比較しながら楽しむことができました。なお、本作品は1858年の「初版」に基づく演奏だそうです。

フォルクスオーパー版が、リフトを使って天上、現在、地獄の舞台装置を入れ替えるという大仕掛けなのに対し、こちらは比較的おとなしい舞台装置でした。これは劇場の制約があるのかもしれません。

フォルクスオーパー版をご覧になった方はおわかりのように、派手な近代的な設定(何しろ序曲の時、舞台は地獄で、そこからおどろおどろしいプリュントが地上へ出てくるわけですから)であったのに対し、こちらは意外とオーソドックスな感じの演出でした。

興味深かったのは「世論」の位置づけです。こちらでは、冒頭、いきなり「世論」が出てきて、自分の役割を観客に説明するところから始まります。何となく、物語のナビゲーターのような雰囲気でしたね。

そして、一幕では「世論」が時々出てきて、浮気の証拠写真を撮影するという「凝った演出」になっていました。なお、時代設定は、いわゆる近代版(といっても、ちょっとレトロな雰囲気が残る時代)で、神々もスーツやドレスをまとっていました。

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またプリュントですが、フォルクスオーパー版では「地獄の王」をイメージしたおどろおどろしいものであるのに対して、こちらは普通のスーツ姿で、おとなしいメイクでした。このあたり考え方の違いなのでしょうかね。そうそう、一幕で羊飼いとして出てくるときは、それなりの格好でしたが、なぜかローラースケートをはいて出てきました。

第二幕ですが、フォルクスオーパー版では、神々が住む天上がいかにも「神様が居る場所」といった抽象的な舞台装置だったのですが、こちらは立派なお屋敷風。大広間には、大きなテーブルがあり、天井からはシャンデリアが下がっていました。この場面、フォルクスオーパー版は、神様がマターリしている雰囲気が前面に出ていますが、こちらの方が起きてからは、皆さんしゃきっとしていましたね。そして、本気で議論している場面が出てきます。

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さて、地獄の場面ですが、こちらはシンプルな舞台装置で、ちょっと拍子抜けです。基本的には、オルフェの妻ユリディスが幽閉されている寝室が舞台です。ここを場面転換して、地獄の宴会場に切り替えていました。そして、ここで興味があるのは、ハエに化けるジュピテールです。フォルクスオーパー版では、ハエの小道具を使って笑いを誘っていましたが、こちらはジュピテール役に返送させるという「王道」でした happy01

演出で、一番違っていたのは、ユリディスの世話役となっているジョン・スティクスが、寝室で、オペラのアリアや映画音楽などを伴奏なしで歌う場面でしょうかね。いずれも歌詞は当然、替え歌です。これには会場の皆さんも大受けでした。

このほか、興味深かったのは地獄に場面転換するところでは、 flair ストロボライトが使われていたことです。これは、フォルクスオーパーでもやっていましたが、今の流行なのでしょうかね。確かに地獄へ導くインパクトはありますが…

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三幕の売りは、地獄の大宴会で披露される「天国と地獄のギャロップ」によるカンカンです。さすがフランス、歌手の皆さんも軽快なメロディーに乗って見事な踊りを披露していました。このときの舞台は、寝室のベッドを作り替えて使っていました。演出そのものはオーソドックスですが、フランスらしいエスプリの効いた楽しい舞台に仕上がっていたと思います。

例によって映像作品なので、歌手の力量はわかりませんが、若い方が多いようで、ジュピテールなど、ちょっと威厳がないような感じを受けましたが、皆さまはいかがでしたか? もっともフォルクスオーパー版ではカルロ・ハルトマンさんやクルト・シュライブマイヤーさんのようなベテランがジュピテールに起用していましたから、比べない方が良いのかもしれません。逆にユリディスはちょっとかわいらしい感じの歌手でしたね heart04

なお、フォルクスオーパー版ではお芝居を重視して、歌手だけではなくキャヴァレストを起用していたのに対し、こちらは歌手でかてめていたようです。そのため、ひねりのきいたお芝居という部分では、フォルクスオーパーの方に軍配が上がるような気がします。まぁ、これは演出家の考え方なので、どちらが良いという意味ではありませんが。

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なお、カーテンコールは「天国と地獄のギャロップ」に載って、出演者全員が踊って幕となっていましたが、なかなか楽しい締めくくりですね。

余談ですが、神様の名前がフランス語で紹介されますが、フォルクスオーパーになじんでいるFeriとしては、ジュピテール、キュピドンと言われると今ひとつピンと来ませんね。

ところで、NHKさんでは、最近、メルビッシュを上演しなくなってしまったので、オペレッタの放送が極端に減ってしまいました。ぜひ、復活してもらいたいものです confident


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Comments

突然のコメント、失礼いたします。
私は、九州・福岡のKBCラジオで番組制作を
しております若松 晃と申します。

突然ですが、現在、KBCラジオのパオーンという
番組で、世界の国々に住んでいる日本人の方に、
その国での生活、その土地の人々の様子、
観光地など、電話で話をお伺いする
コーナーを展開しております。

そのコーナーでお住まいの地域の様子、
お住まいの地域でのお仕事・普段の生活についてなど、
電話でお話して頂きたいと思っております。

コーナーは日本時間で水曜日の15:10ごろです。
突然のお話で、お忙しい中とは思いますが
ご検討よろしくお願いします。
お返事お待ちしています。

KBC九州朝日放送 ラジオ制作部
若松 晃
+81-92-752-5160
a-wakamatsu(at)kbc.co.jp
http://www.kbc.co.jp/radio/pao-n/

Posted by: KBC九州朝日放送 | February 01, 2011 at 10:33 AM

お問い合わせ、ありがとうございます。

メールにて直接ご連絡を差し上げました。よろしくご検討のほどお願いします。

Posted by: Feri | February 02, 2011 at 01:49 PM

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