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February 21, 2011

レールジェットでGO<その2>

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今日は、昨日に引き続きÖBB自慢の特急列車「レールジェットの話題」をお届けします。

客車は7両編成で、文献によると「客車の両数は増減可能(ÖBBの資料では最大10両)」となっていますが、実際に現物を見ると、簡単に増結する訳にはいかないようです。というのは、「その1」でご紹介したように高速で機関車が客車を押す形で運転する場合があるため、特殊な連結器を採用しいるからです。

そのため、増結はかなりの手間がかかるので、「今日はお客さまが増えたから、1両増やすか」というのは難しそうです(ちなみに、こちらの定期列車では臨時増結が頻繁に行われています)。

また、客車の内、機関車側に連結される車両には貫通扉がありません(昨日の写真をご覧ください )。これからわかるように事実上の7両固定編成仕様と考えた方がよさそうです(最も車両整備工場で、中間に客車を入れることはできるでしょうが…)。

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客車に取り付けられている台車ですが、最高速度230km/hにもかかわらず空気バネが使用されています。日本のJRでは、最高速度120km/hくらいでも空気バネを使うのが当たり前ですが、ドイツなどでは空気バネは最高速度が300km/hを超える車両あたりから使うようになるので、珍しいケースかもしれません。

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また、振動を抑制するダンパーも取り付けられていました。どうも乗り心地を優先しているようですね。ちなみに金属バネで200キロ運転が可能な理由は軌道がしっかりしているためだそうです。なるほどねぇ

ところで、現在、「レールジェット」は暗赤色ベースですが、試作段階では銀色ベースも検討されていました。2007年、実際に1116型電気機関車3両に試験塗装を施し、その中から投票で選んだそうです。銀色ベースの方が早そうな感じはしますが、降雪時を考えると、濃い色の方が良いかもしれません。

○「レールジェット」は3クラス制
速度が今ひとつの「レールジェット」なので、「売り」は「快適な車内」ということになります。客室の配置はÖBBの資料をご覧になった方がわかりやすいと思いますが、Premiumクラス(半車、16席)、Firstクラス(2両分、76席)、Economyクラス(4両、316席)の3クラス制となっています。当然、今時の列車なのでユニバーサルデザイン化されており、お子様連れのお客さま用スペースもEconomyクラス設置されています。

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こちらは1等、2等の運賃体系なので、Premiumクラスは1等運賃プラス特別料金、Firstクラスは1等運賃、Economyクラスは2等運賃という形になります。

ちなみにPremiumクラスの特別料金は25ユーロ(現在は期間限定で15ユーロ)です。一見すると高そうですが、Premiumクラスでは飛行機のように無料で軽食とドリンクの無料サービスがあるので、そう考えると、お得かもしれません。このサービスを実施するためにPremiumクラスには、航空機のギャレイのような施設が設けられています。

また、Firstクラス車両の半分は簡易食堂ビストロとなっています。編成ですが、機関車側からEconomyクラスの客車が4両続き、ビストロ・ Firstクラスクラスの合造車、Firstクラス(1両)、運転台の付いたFirstクラス・Premiumクラス合造車という形です。つまり、Premiumクラスの通り抜けはできないようになっている訳です。

そういえば、日本でもJR東日本が3月から東北新幹線「はやぶさ」で、同じような3クラス性を導入しますが、サービス内容などもよく似ています。

座席はPremiumクラスがセミコンパートメント方式(ただし、座席配置は複雑で、文章では言い表せません)、Firstクラスがオープン方式(座席配置は2+1列)、Economyクラスがオープン方式で2+2列(ただし、座席は回転しない方式)です。

日本では、今時、特急列車の普通車で回転しない座席は考えられませんが、こちらでは、まだまだ一般的です。また、正直、Economyクラスのシートピッチは、日本の新幹線とは比べものにならないくらい狭いです(回転しないため)。

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また、車内には各クラスとも液晶モニターを使った案内表示装置が設置されています。ビジネスのお客さまを獲得しようという訳で、パソコン用電源供給サービスなども実施しているようです。ただ、いずれも今となってはあまり珍しいサービスではありませんが。

昔はこのような長距離列車には簡易食堂車ではなく、本格的な食堂車が連結されていたのですが、残念なことです。これも時代の流れでしょう。ただ、「レールジェット」の場合、編成が7両と短いですから、客席のスペースをつぶしてまで、供食サービスをするのは、商売という意味では合理的ではありませんね。

このビストロですが、客室がスタンド方式プラス窓下の座席(テーブルは客室側)という形になっているため、写真をご覧になるとわかるように窓が上の方に拡大され、視界を確保しています。左の写真では手前がビストロ、奥がBusinessクラスとなります。

○何と2ユニット連結列車も運転中
運転区間はブダペスト-ウィーン-ザルツブルク-ミュンヘン間から始まり、その後、ウィーン-ザルツブルク-インスブルック-ブレゲンツ・チューリヒ間にも運転されるようになりました。両系統とも2時間間隔で運転されています。

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興味深いのは、2ユニットを連結して運転されている列車が存在することです。写真はRJ564列車(Wien Westbahnhof発、Lindau Hauputbahnhof行き)ですが、途中でBregenz止まりが切り離されるようになっています。そのため、ウィーン出発時には機関車が編成の真ん中に入っています。これはZurich/Bregenz行きの場合も同様です。まぁ、機関車が編成の中間に入ってしまうというのは大胆というか何というか。

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しかし、鉄道の場合、何と言っても劇的に到達時間が短縮されないとお客さまに対する訴求力が弱いので、レールジェットの場合、大々的なヒットという訳にはいかないようです。

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Feriは、夏以外はウィーンから遠くへ出かけることがないので、ÖBBそのものをあまり利用しなくなりました。昨年、グラーツへ行った際、久々に長距離列車に乗りましたが、昔に比べて風情がなくなりましたね。また、浮気してミュンヘンなどに行く際も、つい、マイレージに誘惑に負けて 飛行機を利用してしまうものですから…

ÖBBとしては、ウィーン中央駅の開業に合わせて「レールジェット」を主力列車にするつもりで準備を進めているようです。いずれにしても、ウィーン中央駅が開業すると大きな変化が訪れることでしょう。なお、ÖBBではレールジェットの専用Webサイトを開設しています。なかなか良くできているので、興味のある方はぜひご覧ください。

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鉄道のお話 |

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Comments

初めまして 面白いというか貴重な映像がありました。
本来2機関車14客車のレールジェットが何故か1機関車14客車のプッシュの映像を発見しました ルクセンブルグの首都ファドーツから最初にスイスに入ってのジャンクションのサルガンスという駅に停まる映像がありました どういう状態の営業運転かわかりませんが とても珍しいです 10分23秒から見てみてください タイトルは TRAINSPOTTING (VOL. 146). Trenes en Immensee y Sargans (SBB CFF FFS). Suiza. です

Posted by: Toshiaki Ono | July 15, 2015 20:17

Toshiaki Onoさま、貴重な情報、ありがとうございます。

さっそくYouTubeの動画を見ましたが、確かに中間の機関車を抜いた14両編成ですね。RailJetの場合、客車の増結は大変そうですが、機関車を切り離すのは、さほど手間が掛からないので、全区間14両で運転するのであれば、この方式も可能ですね。

Posted by: Feri | July 16, 2015 08:57

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