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March 13, 2011

バーデン市劇場「シュヴァルツヴァルトの娘」

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まず、11日に発生した地震と津波で被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。Feriの実家は関東地方にありますが、11日は電話が全くつながりませんでした。日本時間の12日早朝に電話がつながりましたが、幸い人的被害はなかったものの、家具等の転倒があったようで、Feriも日本へ向かいます。従って、今日の記事はタイマー更新です。

今シーズン、日の当たらないオペレッタを取り上げているバーデン市劇場ですが、レオン・イェッセル作曲の「シュヴァルツヴァルトの娘」(Schwarzwaldmädel)をやっと観ることができました。

レオン・イェッセルはドイツの作曲家ですが、日本では「おもちゃの兵隊の行進」(Parade der Zinnsoldaten)が一番有名かもしれません。

さて、オペレッタ「シュヴァルツヴァルトの娘」は、1917年にベルリン・コミッシェオーパで初演された後、10年間で6000回もの公演が行われた作品です。いわゆるベルリン・オペレッタで、テーマは、当然、「恋」 heart02

作品の内容は、シュヴァルツヴァルトの村に住む年老いたカペレマイスター(楽士長という訳はピンとこないので、カペレマイスターで行きます)のレーメルを中心に、ベルリンからやって来たイケメンの若者も交えた恋物語が繰り広げられます。何となくご年配のお客さまが多いバーデン向きの内容ですね。

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当日の指揮はFranz Josef Breznikさんでした。キャストはシングルキャストのようで、教会のカペレマイスターのブラシウス・レーメル(BlasiusRömer)がKS Peter Weberさん、レーメルの娘ハンネレ(Hannele)がJasmina Sakrさん、レーメルの小間使いベルベレ(Barbete)がKatja Reichertさん、ハンスの元恋人マルヴィーネ・フォン・ハイナ(Malwine von Hainau)がBarbara Payhaさん、ベルリンからやって来た旅の音楽家ハンス(Hans)がJohann Winzerさん、ハンスの連れリヒヤルト(Rchard)がReinhard Alessandriさん、ガストホフ「青雄牛亭」の主人ユルゲン(Jurgen)がHeinz Zuberさん、ユンゲンの娘ロルレ(Lorle) がAnita Götzさん、ベルベレの養母トラウデル(Traudel)がFranziska Stannerさん、ベルリンから来た男シュムスハイム(Schmßheim)(コミック役)がStephan Wapenhansさん、テオパルド(Theobald)がTimo Verseさんというメンバーでした。

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バーデンは舞台が狭いため、舞台装置はシンプルなものが基本となっていますが、「シュヴァルツヴァルトの娘」も吊しものを使って、よく雰囲気を出していました。

ほかのカンパニーの公演を観たことが無いので、何ともいえませんが、手元の「あらすじ」を見た感じでは、演出はオリジナルに近いようです。

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「シュヴァルツヴァルトの娘」は登場人物の相関関係が若干複雑なので、ある程度、あらすじを頭に入れておかないと、混乱するかもしれません。

一幕は「カペレマイスターの家」、二幕は「聖チュチーリア祭が開かれている村の広場」、三幕は「ガストホフ青雄牛亭」という設定です(休憩は一幕の後に入ります。上演時間は休憩を含めて2時間30分でした)。

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初老のカペレマイスター、レーメルは娘ハンネレを男手ひとつで育てながら、本職の音楽の他に、趣味としてシュヴァルツヴァルト地方に伝わる民族衣裳のコレクションをしています。そこへベルリンから恋人マルヴィーネと別れるために、この村にやってきたイケメンのハンスとお供のリヒャルト。さらにハンスを追っかけてきたマルヴィーネ、それに都会のイケメン男性にあこがれる地元の娘がからみあって、恋が展開されます。

最終的には、ハンスはレーメルが惚れていたベルベレと、リヒャルトはマルヴィーネと、それぞれ結ばれます。初老のレーメルは、美しいベルベレへの恋心に火が付きますが、最後は、見事に振られて青春に別れを告げる…というちょっとホロッとくる展開です。

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当然、ハンスは村の女性にはモテモテ。そんな中、ベルリンからいたずら者シュムスハイムが乱入するなど、お互いの恋は簡単に成就しません。

さて、今回の公演ですが、歌手のレベルがそろっており、なかなかよい雰囲気を出していました。とくにカペレマイスターのブラシウス・レーメルのKS Peter Weberさん、レーメルの小間使いベルベレのKatja Reichertさんが歌、演技ともに良かったですね。Katja Reichertさんはなかなか魅力的な女性を演じていました。

一方、事実上の主役Peter Weberさんは、さすがにKSだけあってKurt Schreibmayerさんに通じるものがありました。お芝居もすばらしい上に、声量もあり、熟年のカペレマイスターの心理を見事に描写していました。おそらくバーデンにいらっしゃるご年配のお客さまのハートをがっちりとられていると思います。ところで、ユンゲンの娘ロルレで出演しているAnita Götzさんは、フォルクスオーパーの「チャールダーシュの女王」ではスタージに起用されました。バーデンは出番が少なかったですが、フォルクスオーパーでは出番が多いですから、大いに期待できるところです。

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また、レーメルを見守るベルベレの養母トラウデル役Franziska Stannerさんも脇役ながら、舞台進行を演出する上で欠かせないキーパーソンとして、存在感を示していました。こういった年配の脇役が良いと舞台がしまります。今シーズンのバーデンは、演目の選び方が非常に良いですね。前回の「ジプシー楽団のリーダー」も含めて、フォルクスオーパーとは一線を画した演目を上演してくれると、楽しみが広がります。

なお、ミュージカルの「アニーを銃をとれ」には、フォルクスオーパーからおなじみの皆さんが、出演しています。七日、相互に関係を強化したような感じがしますね。

残念だったのは、金曜日の夜にもかかわらず、若干空席が目立ったことでしょうか。こぢんまりとしたアットホームな劇場でのオペレッタ鑑賞は、心に残る一夜になること受けあいです。

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