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March 12, 2011

国立歌劇場「アイーダ」

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今日は久しぶりに国立歌劇場の「オペラの話題」をお届けしましょう。演目は「アイーダ」。別に計算したわけではないのでしょうが、旬の場所「エジプト」を舞台とした壮大なオペラですね。

ずいぶん、ミーハーな演目を見るものだ…とお感じの方も多いと思いますが、実は、「アイーダ」のように出演者が多いオペラというのは来日公演と現地公演では、実は全く違うことがあるのです。その比較も楽しみに出かけました(意地が悪いね )。

当日の指揮はイスラエル出身のDan Ettingerさんでした。主なキャストはアムネリスが Anna Smirnovaさん、アイーダが Cécile Perrinさん、ラダメスが Salvatore Licitraさん、アイーダの父アモナズロがMark S. Dossさん(この方はアフリカ系アメリカ人なのでぴったり)、エジプト王がJanusz Monarchaさん、ラムフィスがAlexandru Moisiucさんという面々でした。

しかしアムネリス、アイーダ、アモナズロという主要な役がいずれもハウスデビューという公演でした。

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演出はオリジナルに近く、舞台装置も比較的シンプルなものの、雰囲気は良く出していましたね。とくに2幕の「凱旋の場」は通常、舞台中央に照明を当てて華やかな雰囲気を出すのですが、舞台後ろにエジプトの荒野を映し出すという、ちょっと変わった展開でした。

また、第4幕第1場では天井から奈落に向けて階段がつながっており、ここを通って地下牢へ行く仕組みになっていました。これはアイデアもの。ごていねいに地下牢からの明かりが宮殿に漏れるようになっていました。

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「アイーダ」は、もともと高度な歌唱テクニックを要しない演目なので、オケに負けない声量があれば、うまく舞台を回すことができます。その意味では、今回の出演者は、体格もよく、なかなか聞かせる歌声でした。まぁ、国立歌劇場としては、標準的な仕上がりといって良いでしょう。

さて、日本でも「アイーダ」は有名な演目なので、外国のカンパニーが来日するとよく取り上げられます(要するにお客さまを集めやすい訳ですね)。ところが、「アイーダ」は主催者泣かせの演目でもあるのです。

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それはご存じのように第2幕、「凱旋の場」だけに大量の出演者が必要になるということです。わずか20分ほどの舞台のために、本国から出演者を全員呼んできたら、それこそ採算割れをしてしまいます。そのため、来日公演では、合唱団やバレエ団などは、ほかの演目も踏まえて最小限にとどめ、その他は現地で調達するのが一般的です。

今や伝説となったミラノ・スカラ座の初来日時、日本人エキストラの数が300名近くになり、楽屋が間に合わず、近くの銭湯でメイクなどをしたという逸話が残っています。

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最近で2009年9月のミラノ・スカラ座来日公演でも、「凱旋の場」に出演した人の多くは日本人でした。何しろ舞台上でトランペットを吹く奏者まで、日本人だったくらいですから。決して現地調達が悪いわけではありませんが、やはり本場で観るとのは色々な意味で違いがあります。

こちらでは、合唱団やバレエ団などを総動員すれば人数はいくらでも集められますからね。やはり練習期間の問題などもあり、コンビネーションは現地公演の方が上でしょうね。

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国立歌劇場の「アイーダ」も、皆さんお楽しみの2幕は、合唱団の実力を十二分に発揮した見事なものでした。こういう時に合唱団のレベルが仕上がりを大きく左右するのですよね。また、舞台上のトランペット4人もさすがに見事な演奏でした。こういうところを見比べるだけでも、現地で観る価値はありますね。ところで合唱団やバレエ団のコスチュームがちょっと変わっていたのが印象的でした。

余談ですが、この演目、現演出になってから手を入れていないためか、プログラムが旧版(小型のプログラム、ただし表紙だけは新デザイン)でした。そのため、お値段も3.5ユーロとお買い得。ただし、最近では定番となっている「日本語のあらすじ」も入っていませんでした。まぁ、日本でも有名な演目ですから、「あらすじ」はなくても困らないとは思いますが。


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Comments

先週一週間ウィーン一人旅でハワイの花、アイーダ等みてきました。ハワイの花はこのブログの解説のおかげでとっても楽しめました!お礼にコメントさせて頂きました。ありがとうございました。

Posted by: ウィーン一人旅 | March 17, 2011 21:27

ウィーン一人旅さま、ご丁寧なコメントを頂きながら、お返事が遅れて申し訳ございませんでした。

当ブログが少しでも、楽しいウィーン滞在のお役に立てば、ブログ主としてこれ以上の幸せはありません。これからも、色々な話題を取り上げて、少しでも皆さまのお役に立てるようにしたいと思っております。また、リクエストなどがありましたら、ご遠慮なくお寄せください。

Posted by: Feri | March 26, 2011 11:44

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