Sacherwürstel
今日はオーストリアの代表的な軽食「ブルストのお話」です。
2月にBerner Würstelをご紹介しましたが、今日はシンプルなSacherwürtelです。日本語に訳すと「ザッハーソーセージ」となりますね。
Sacherwürtelは写真を見るとおわかりのように、細長いブルストです。こちらの代表的なブルストであるフランクフルターとよく似ていますが、細長い点が特長です。
中身や製造方法はフランクフルターに近いそうですが、実際には使っている肉や調味料が若干違うようで、実際、食感も異なります。写真はFrankfurteと断面を並べたものですが、左側がSacherwürtelです。木目や色が違うのがわかると思います。
ところで、くせ者は「Sacher」という名前です。Sacherという名前を聞くと、かの有名なHOTEL SACHERを思い出します。
“HOTEL SACHERで出されていたブルスト”“HOTEL SACHERのレシピで作ったブルスト”と考えたくなります。Feriも以前は、そのように思っていました。が、実はHOTEL SACHERとは全く関係ないそうです。
その昔、「オーストリア料理の総称」としてSACHERという名前が冠された時期があったそうです(要するにグルメの代名詞…みたいなものでしょうか )。
今だったら、商標登録侵害などで、たいへんな問題になることでしょうが、昔はおおらかな時代だったようで、一応、公式にもSacherという名称の使用が認めれているそうです。ちなみにウィーンにSacherwürtelが登場したのは1806年のこと。200年以上前から親しまれているブルストです 。
ところで、このSacherwürtelですが、ドイツで同じようなブルストを見つけた職人さんが、ウィーンでホットドック用に改良したものであるという話もあります(ブロートに挟みやすいように細長くした…という訳です)。何となく最もらしいですね。
現在、オリジナルのSacherwürsteは、Trünkelというメーカー(肉屋さん)が伝統的な方法で製造しており、数々の賞を受賞している逸品です。オリジナルのSacherwürsteを見分ける方法は簡単で、ブルストに写真のような銘板がついています。これがついていれば、本物…という訳です。何やら「関さば、関あじ」を思い浮かべますね。まぁ、今では「ちょっと高級なフランクフルター」というニュアンスでしょうかね。
皆さんもカフェなどで、Sacherwürsteを注文したときは、必ず、この銘板を確認してください。なお、Sacherwürsteという名前を使っていないお店もあります。例えば、国立歌劇場のCafe Oper WienではOpernwürstelという名前で提供されています(右下がOpernwürstel)。ただ、以前、利用した時は「例の銘板」がついたSacherwürsteが使われていました。
さて、Sacherwürsteの食べ方ですが、フランクフルターと同じく茹でていただきます。普通、カフェなどではゼンフやセンメルなどがついてきますが、前回ご紹介したBerner Würstelに比べて、極めてシンプルな食べ方ですね。あと調味料は店によって工夫しており、カフェ・ワイマールでは、ゼンフの他にグーラッシュがついてきます(左写真がワイマールのものですが、グーラッシュの器が写っていません。すみません )。
ちなみに伝統的なカフェは、軽食としてSacherwürstelを置いているケースが多いようです。当たり前ですがFrankfurteの類似商品ですから、Sacherwürstelを置いている場合、Frankfurteはありません。
なお、メーカーさんであるTrünkelさんのSacherwürstel を紹介したWebサイトはなかなか良くできています。お暇ならばのぞいてみてください。食べたくなること請け合いです。
そろそろSacherwürstelが食べたくなってきたので、街に出かけることにしましょうか 。
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