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May 23, 2011

フォルクスオーパー「メリーウィドウ」プルミエレポート(2)

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昨日のF-1スペイングランプリでは、レッドブルチームのフェッテルが優勝し、こちらでは盛り上がりを見せています。さて、今日は、昨日に引き続き、「メリーウィドウ」プルミエレポートをご紹介しましょう。

○後半は‥(二幕中盤から三幕まで)
休憩の後、「女、女、女のマーチ」の演奏でスタートします。そして、幕が開くと、酔っ払った男たちがバーでひっくり返っています(ほぼ予想通りの展開でした)。つまり酒を飲みながら女談義に花が咲いてしまった‥という訳です。

そこへハンナがやってきて、“まぁ、あきれた男たちね”という雰囲気で、今度は女性たちを集めてきて、男どもを追っ払って、女性七重唱による「男、男、男のマーチ」になります。

凝っているのは、男性陣はハードリカーですが、女性陣はセクトのグラスを掲げながら歌います。お酌をして回るのは、当然、ニェーグシュ。この展開は、メルビッシュでも行われたパターン(ただ休憩のタイミングとは別ですが)ですが、休憩後だったので、客席も盛り上がって、二幕後半へ突入です。よく考えた展開ですね。また、このときニェーグシュが、後ろでお盆を鏡代わりにして、髪を整えてから出てきます。

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その後、本国から電報が届き、ツェータ、ダニーロ、ニェーグシュが、その内容に頭を抱えるという展開は従来通りです。以前、ご覧になった方はご存じのミリオーネをメローネと読み違える場面も残っていますよ。

二幕後半は、ヴァランシエンヌとカミーユの「四阿での逢い引きシーン」がポイントですが、今回は意図的に抽象的な舞台装置になっており、小屋というより、部屋というニュアンスでした。そのため、日本流の「庭の四阿」というより、パビリオンという説明の方がぴったりですね。このパビリオンも、移動式の壁で表現されています。そのため、実際にはドアがあるだけす。

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興味深かったのは、二人がパビリオンに入ったのをニェーグシュが目撃し、すぐにハンナに伝え、対策を考えるお芝居が入っていたことです。従来は、この部分なしで、ハンナとヴァランシエンヌの入れ替えだけだったので、お客さまに必然性がよく伝わったと思います。こういうところが大切なのですよ。

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さて、ツェータ男爵が密会のためパビリオンに入ろうとするのをニェーグシュが止めるのは従来と同じ。ただ、ツェータがパビリオンの男女に閉じ込めるように命令してから、舞台手前にある扉からヴァランシエンヌとハンナを入れ替えるので、お客さまにも意図的に入れ替えが行われたことがよくわかるようになっていました。これは親切ですね(従来は舞台の後ろ側で入れ替えを気づかれないようにやっていました)。

ハンナとカミーユがパビリオンから出てきてからの展開は、従来と同じですが、女性たちの合唱が従来よりも強調されており、男たちがタジタジ‥という展開になっていました。男性が女性に襟元を捕まれて、ウサギのように跳ね回るところが見所でしょう。このあたりは、演出家の考えが出ている部分だと思います。

また、ハンナがカミーユと結婚すると宣言したとたん、ダニーロの元気がなくなってしまい、舞台袖で座り込むという演出がありましたが、これもダニーロの性格付けが代わったことによるものだと思います。

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本来、三幕は衣装替えなどがあるため、暗転が必要なのですが、二幕から続けて入ります。ただし、時間を稼ぐためにメドレーが演奏されますが、唯一、ここの編曲だけが新しいバージョンです。スタートは重い感じの曲調です。是非、実際にお聴きになってください。

一方、舞台上ではカウンターバーで二人の男が、杯を傾けながら語り合っている場面が加わっていました。そこへ颯爽と現れる伊達男。実はニェーグシュなのです。マイヤーさんは、「そうだ、マキシムへ行こう」を実際に歌っています。いやはや、芸達者なこと。舞台上では、ツェータ男爵がニェーグシュをダニーロと間違える場面が入っています。

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そして、マキシムからグリゼッティンをはじめとする踊り子が来たとの連絡が入ります。お色気たっぷりの女性に目のない男性陣が喜び勇んで集まってきます。このあたりの心理描写はおもしろいですね。

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壁が移動すると、舞台上には巨大な drama シルクハットが。そのシルクハットが上がると、そこからグリゼッティンたちが登場するという仕掛けでした。当然、主役はヴァランシエンヌ。最近の傾向から、ここのダンスは充実しているだろうと予想していましたので、これは予想通りです。

「グリゼッティンの歌」に合わせて踊ってから、ソロダンサーが登場し、見事な踊りを披露します。何しろマキシムから踊り子たちを連れてきたという想定なので、これは問題なし。演出変更に伴って「天国と地獄のギャロップ」はなくなってしまったが、逆にメリーウィドウのメドレーに乗って、見事なダンスが次から次へと披露されます。

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リフレインはありませんが、いろいろなバージョンのダンスが次から次へと入っているため、舞台上の男たちだけでなく、客席のテンションも上がります。ただ、プルミエの時は、すべてのダンスシーンが終わるまで、お客さま、様子見という感じでしたね。なお、ダンスシーンでもニェーグシュが、ソリストの小道具を奪って乱入するシーンがあります。群舞に目を奪われていると、見落としてしまいます。

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レハールに敬意を表して、「メリーウィドウ」の音楽だけでまとめたのも一つの見識でしょう。しかし、これだけ盛り上がれば、「天国と地獄のギャロップ」を外したマイナスは感じられませんでした。この場面、舞台上の皆さんが盛んに手拍子をするので、日本公演では、手拍子好きの民族故、間違いなくこちら以上に盛り上がると思います。ただ、従来はバランシェンヌが、客席に向かって“もう一度見たいかな?”といったジェスチャーをしてから、リフレインに入るため、客席との一体感が高まったのですが、今回は、こういった演出はありませんでした。その点は、ちょっと残念。

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その後は、定番のハンナとダニーロのラブシーンに移るのですが、その前に本国から、再度、窮状を訴える連絡が‥ツェータ男爵をはじめとする公使館の面々は頭を悩ませます。

そして、ハンナ、ベランシェンヌ、カミーユの三人が、セクトを傾けながら談笑しているシーンに移ります。これを遠巻きに見ているダニーロ。ニェーグシュに促されて、やっとダニーロはハンナにアタック。ここは壁を移動させることで、雰囲気を変えていました。

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ツェータ男爵が、妻の不倫を理由に別れ話を持ち出し、ハンナにアタックするのもオリジナルどおり。再婚するとハンナが一文無しになるという話を聞いて、ツェータ男爵はハンナとの結婚を断念し、逆にダニーロが本音を言うというパターンも従来通りです。そして、ベランシェンヌに促されて、ツェータ男爵が扇子をよく見たら“私は貞淑な人妻”との文字が‥ベランシェンヌに頭が上がらなくなるツェータ男爵という構図です。

最後は、出演者全員で「女、女、女のマーチ」を歌って、踊りお開きになるという展開でした。

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しかし、カーテンコールで大サプライズ。何と指揮者のHenrik Nánásiさんが舞台に上がったタイミングを見計らって、ニェーグシュのマイヤーさんがオーケストラピットの乱入(実はお客さまが舞台上に目を奪われているタイミングで、こっそり入るのです)。

そして、何と指揮台に上って、突然タクトを振り出します。そして、もう一回、「女、女、女のマーチ」を全員で歌うことに‥当然、客席はマイヤーさんの指揮に大興奮。恐らくこれは、プルミエ用のスペシャルバージョンだと思いますが、最後の盛り上げ方はブダペスト風ですね(この演出は事前公演でもありました)。

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という訳で、最後はお客さまもハイテンションになって、劇場を後にする‥というダイレクター、マイヤーさん、してやったりという演出でした。

なお、上演時間ですが、当初は2時間30分と発表されていましたが、最終的には2時間45分に落ち着きました。これは、お芝居の充実と三幕の踊りを増やしたためだと思われます。しかし、この15分の時間延長は、大きいですね。そう考えると、二幕をあえて分割したことで、前半、後半で無理がなくなったような気がします。

今日も調子に乗って書いていたら、長くなってしまったので、歌手の皆さんの仕上がりなどは、明日、ご紹介します happy01

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