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May 15, 2011

これは問題 伝統的なカフェの危機

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今日は「ウィーンのカフェにまつわるお話」をお届けしましょう。何回かウィーンに行かれた方は、市内のカフェが変わってきていることにお気づきのことと思います。

Feriが一番気になるのは、スターバックスに代表される外国系チェーン店の進出以上に、独立系の伝統的カフェが姿を消しつつあるということです。

例えば、国立歌劇場向かいにある「ホテル・ブリストル」の建物のグランドフロア(Mahlerstrasseに面したところ)にも以前はカフェがありました。

しかし、現在では二枚目の写真のように「某携帯電話のショップ」になっています。軒の部分には、Cafeの文字が残っているのが、ちょっと痛々しいですね。

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また、マリアヒルファー教会の横にあったカフェも、先日、廃業してしまい、その後には衣類のディスカウントショップが入りました(冒頭の写真)。

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前を通りかかった時、ディスカウントショップになっているのを見た時には、正直、かなりショックでしたね(写真をご覧になればおわかりのように、ディスカウントショップなので、センスのない派手な装飾が追い打ちを掛けました)。

こちらも軒の部分にはレストラン・カフェの文字を剥がした後が残っています。

もちろん、市内を散策すれば、独立系の伝統的カフェは、まだまだ多数健在です(この「独立系」というのがキーワードです)。ただ、いずれも経営的にたいへんなのは間違いないようです。なぜ、経営が苦しくなってきたのかといえば、「生活の多様化」により利用者が減っているという要因もあるようです。また、昨年7月から全面施行された 飲食店における禁煙法」が影響しています。

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伝統的なカフェの多くは店舗面積が50㎡以上あるため、完全分煙化が必須なのです。ところが、古い建物故に完全分煙化のためには、巨額な改装費がかかる…その負担に耐えかねて廃業、身売り…というカフェもあったようです。

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今回、掲載した店内の模様(右側の写真) は西駅向かいにあるCafe・Westendですが、ここも写真の奥、右側が喫煙セクションになっていました。ガラスで簡単に区切るだけで喫煙セクションを作ることができる場合は、まだ費用負担が少ないのですが、間取りを変更するような工事になると、それこそたいへんな費用がかかります。

実際、ラントマンに身売りしたカフェ・ムゼウムでも店の奥に完全分煙の喫煙セクションを新設していますが、間取りの変更(壁の撤去など)を伴っているため、かなりの費用がかかったと思われます。

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ところで、伝統的なカフェは、ウィーンの皆さまにとっては「第二のリビング」ですから、長時間の滞在が可能です。そのため「お客さまの回転が悪い」というウィークポイントがあります。

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一般的に飲食店の場合、「お客さまが営業時間中に何回転するか」で売上げが決まると言われています。しかもウィーンのカフェは、決して単価が高いということはありません。皮肉なことに、このスタイルが、経営を圧迫していると思うと、残念でなりません。

それからFeriがフォルクスオーパーの帰りに愛用しているヴィアリンガーシュトラーセにあるカフェ・ワイマールは、今のところ大丈夫なのですが、かなり経営が苦しいというウワサを耳にしました。さすがに廃業はなさそうですが、ラントマンの傘下に入るというウワサも… 

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先日、ワイマールを利用した時、ケースに並んでいるケーキを見たら、ラントマンの製菓工場製のものでした。ということは、かなり接近していることがうかがわれます。

別にラントマンが嫌いな訳ではないのですが、傘下に入ると、先にリニューアルオープンしたカフェ・ムゼウムのようにメニューの内容がラントマンと同じになってしまうのが、正直、残念です。

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つまり、店名は違っていても、店としての個性がなくなってしまう訳です。メニューを他店舗と共通化することは、仕入れ単価を下げるメリットがあるので、経営者の気持ちもわからないでもないですが…

独立系カフェの良いところは、店ごとの個性ですから、仮に店名が残っていたとしても、メニューやサービスに個性がなくなってしまうと、正直、お客さまの立場では、つまらないですよね。

さすがに、一気に伝統的なカフェが消滅するということはあり得ないと思いますが、皆さんは、伝統的なカフェが姿を消していく問題を、どのようにお感じになりますか。

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