« スモーカー大歓迎 | Main | 変わったお店シリーズ14 ミリタリーショップ »

May 12, 2011

古い建物の改築工事はたいへんです

Img_109_03_5246_001

今日は「建物の改築工事にまつわるお話」です。

ウィーン歴史地区は2001年にユネスコの世界文化遺産に指定されているため、簡単に古い建物を解体し、近代的なビルディングに建て替えることができません。とは、いっても、結構、高さなどを考慮しながら新しいデザインのビルディングも生まれていますが…(これをやり過ぎると世界遺産の指定取り消しという可能性も考えられますね)。

そのため、改築の場合は、古い建物のファザードを活用し、中だけをリニューアルするという工法が一般的です。

しかし、実際問題として古い建物は煉瓦や石を使っているため、壁が非常に厚いのが特長です。おまけに表の方には、観光客に人気がある彫刻などの飾りが付いているので、工事は結構たいへんなようです。

Img_109_03_4704_001

その上、旧市街は道が狭いため、大型の重機は入れにくい上に、足場を組むスペースも限られてしまいます。そういう意味では、日本での建築工事よりも制約が多い分、工夫が必要になります。

まず、改装の場合、内部を解体し、がれきを外へ出す必要があります。しかし、外観を維持したままとなると、がれきの搬出もたいへんです。この現場では、窓をいったん取り外し、そこから大型重機を使って搬出していました。

Img_103_0614_002

また、新しい建材の搬入も、逆のルートで行っています。しかも、この重機ですが、日本ではあまり見かけないタイプです。作業台がパンタグラフで垂直に上がるタイプですね。これならば道路が狭くても何とかなりそうです(何しろ道路を長時間にわたって完全閉鎖できませんからね)。

Img_3156_001

この現場では、ちょうど日本式でいう三階部分のフロアに作業台を接続していましたが、これより上の階になると、ちょっと厳しそうですね。そうなると、今度はリフト(エレベーター)を架設して作業を行うようです。このリフトですが、日本でもよく見かける垂直系の他に、写真のような斜め系もよく見かけます。

また、ある程度、工事規模が大きくなるとタワー式のクレーンを使うケースが増えてきます。ヨーロッパでは、ちょっとしたアパート建設などでも、タワークレーンを使うケースが多いようです。ちょっと日本とは違いますね。ただ、このタワークレーンですが、正直なところ、景観を大いに損ないます。その点、気になるのですがねぇ。

Img_103_0662_001

がれきの搬出には日本の場合、ダンプトラックを使いますが、こちらでは、荷台だけ取り外すことのできる車両を使うことが多いようです。荷台を現場に置いておき、がれきがいっぱいになるとトラックが回収にやってくる…という仕組みです。

Img_109_03_4703_001

当然、その後、空の荷台を置いておくわけですね。日本でも大規模な現場などでは、こういった方式が採用されているようですが、ウィーンなどでは、この荷台を道路上で見かけることがあります。

ところで、一般的に古い建物の改築では、窓を取り外して工事を行うケースが多いのですが、大きな開口部ができると強度が低下します。写真のように上のフロアは使用中という場合もありますし、古い建物ほど、しっかりできている分、駆体の重量も半端ではありません。

Img_2456_001

それに加えてさらに古い建物では中層ビルディングでも、鉄筋などが入っていません(何しろ地震がありませんから)。そのため、開口部には臨時に支柱を入れて強度を確保しているようです。たいへんですねぇ。

正直なところ、完全に解体して新しく作った方が、遙かに工事期間も短く、かつコストも安いと思うのですが、如何せん、「古い建物がウリになっている街」だけに、こういった工法をとらざるを得ないのでしょう。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_201105_b_2

街角の話題 |

« スモーカー大歓迎 | Main | 変わったお店シリーズ14 ミリタリーショップ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« スモーカー大歓迎 | Main | 変わったお店シリーズ14 ミリタリーショップ »