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July 31, 2011

Feriは追突事故の目撃者

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今日は「鉄道事故にまつわるお話」です。先日、中国で高速列車の追突事故がありましたが、スピードが速いだけに被害も甚大でしたね。

さて、オペレッタにはまる前のFeriは、夏に友人とオーストリアやドイツに行っていました(もちろん、日本からですが)。そんなある年の出来事です

時は1988年の8月、その日は、 天気が良かったのでザルツカンマーグートの展望台であるシャーフベルク山の登る登山鉄道(シャーフベルクバーン、当時は国鉄の一路線でした)の写真を撮ることにしました。当時は、蒸気機関車による列車が中心でしたが、効率よくお客さまを運ぶため、2両のディーゼルカーも活躍していました。蒸気機関車は、老朽化により、その後、スイス製の新型蒸気機関車に置き換えられましたが、ディーゼルカーは今も健在です。

この鉄道は、途中の駅には信号がありますが、駅間は信号がなく、目視で運転しています。これは、歯車式鉄道で運転速度が遅いことも要因になっているようです。急勾配を上り下りするため、一列車で運ぶことのできる乗客数が少ないため、通常は、何列車かをまとめて運転します(これを続行運転と言います)。この「信号を使わない続行運転」が悲劇の原因になったのです

さて、Feriは、当時は、ヨーロッパの鉄道雑誌に掲載されている写真を参考に撮影ポイントを選んでいたのですが、ウォルフガングゼーがバックに写る場所が山麓付近にあります。ちょうど、簡単な飲食もできる農家があるため、この付近で写真撮影をしていました

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その日は、大変天気の良い日で、山頂に多くのお客さまが上がっていました。もちろん、山頂からは徒歩でも山麓までおりることも可能なのですが、多くの観光客は往復とも登山鉄道を利用しています。夕方、山麓駅から山頂にお客さまを迎えに行く列車が来ました。機動性に富んだディーゼルカー、2両が続行運転です。

ところが先頭を走る1両が、農家近くの踏切で臨時停車しました 。本来は停車する場所ではないのですが、どうやら関係者を臨時におろすために停車したようです(本当はいけないのでしょうが、のんびりしていた時代なのでしょう )。

と、そこへ続行のディーゼルカーが突っ込んできたのです 。おそらく、前の列車が臨時停車していることに気づかなかったのでしょう。本来ならば、運転士さんの前方不注意 衝突と同時に、警笛が景気よく鳴り出しました。幸い、運転速度が低いため、脱線、車体の大破などの大事故にには至らず、車体正面が若干へこんだだけで済んだようです。実は、二枚目の写真がぶつかった直後のものです。すでにお客さまが一部降りており、乗務員も呆然事実状態

ところで、車体の損傷以上に、困ったことが起こりました。それは、全く動かなくなってしまったのです。このシャーフベルク鉄道は、駅以外は単線なのですが、その線路を衝突した二両のディーゼルカーが塞いでしまったことになります

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当初は、現場で応急修理をして山麓駅まで戻すことを考えていたようですが、どうもうまくいかないようです。何しろ急勾配ですから、万が一、ブレーキシステム等に異常があった場合、大事故につながりかねません。

いったいどうするのだろうと事態を見守っていると、順次、山頂から蒸気機関車に引かれた列車が下りてくるではありませんか。一方、山麓側を見ると、山麓駅に残っていた列車も登ってきます。

そして、両方の列車は事故を起こしたディーゼルカーの前後で停車しました。もうおわかりですね。山頂から下りてきた列車からお客さまにいったん下車して頂き、山麓側に待機している臨時列車に乗り換えてもらい、山麓駅へ向かうという訳です

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Feriと友人は日も暮れてきたので、途中で宿泊しているホテルに戻りましたが、結局、当日は、事故後、この方式で、山頂のお客さまを麓まで下ろしたようでした。

翌日、山麓駅へ行くと車庫の中に、昨日事故を起こしたディーゼルカー2両が鎮座していました。そうなると、当日は、すべて蒸気機関車による列車です 。そのため、写真のような臨時時刻表が張り出されていました。お客さまは蒸気機関車の方が喜ぶのですが、輸送力が大幅に低下してしまいます。

というのも、蒸気機関車は速度が遅い上に、途中での給水が必要なため、ディーゼルカーが1往復する時間で、片道運転しかできないのです。おそらく、ディーゼルカーの修理が完了するまで、シャーフベルク鉄道は大変だったことでしょう。

ただ、この日(事故の翌日)は、あいにくの 小雨模様 だったので、お客さまは少なかったことでしょう。

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なお、その後、導入されたスイス製の新型蒸気機関車(最後の写真)はディーゼルカーと同じ速度を誇り、かつ大型なので、水の補給も少なくて済みます。そのため、ディーゼルカーと同じダイヤで運行できるようになっています。個人的には、このスイス製の蒸気機関車は重油燃焼方式であることに加えて、蒸気機関車特有の音(ドラフト音)もちょっと違うので、個人的にはあまり好きにはなれませんね。

不謹慎な話ですが、当時、ビデオで、この衝突シーンを撮影していれば、ORFのニュースか何かで流してくれたかもしれません。もっともブログで、こういったネタをご紹介できるのも、人的被害がなかったからで、そういう意味では、不幸中の幸いだったかもしれません。

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Comments

おきな事故ではなくて良かったですね

Posted by: hro | August 03, 2011 10:03

hroさま、コメント、ありがとうございます。

歯車式の登山鉄道で、速度が遅かったため、大事に至らなかったようです。ただ、今だったら大騒ぎになったかもしれませんが

Posted by: Feri | August 03, 2011 16:23

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