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July 17, 2011

いかにもオーストリア 国歌歌詞騒動…顛末記

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昨日、ウィーンで執り行われたオットー・フォン・ハプスブルクさんの葬儀ですが、晴天の元、ものすごい立派なものでした。Feriは、ORFのインターネットテレビで一部を見ましたが…

そんな中、オーストリアから「国歌(Bundeshymne) の歌詞改訂か?」というニュースが入ってきました。

現在のオーストリア国歌は「Land der Berge, Land am Strome」(山岳の国、大河の国)という題名で、パウラ・フォン・プレーラドヴィックが作詞したものです。作曲については、アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の晩年の作品「the "Freimaurerkantate", KV 623」の一部の旋律とされていますが、諸説あるようです。

さて、国歌の歌詞ですが、1番は次のようになっています。

Land der Berge, Land am Strome, (山々に川の流れ)
Land der Äcker, Land der Dome, (田平野に大聖堂)
Land der Hämmer zukunftsreich! (槌で形作られし豊かなる未来)
Heimat bist du großer Söhne, (偉大なる息子らの故郷よ)
Volk begnadet für das Schöne, (美に恵まれし人々よ)
Vielgerühmtes Österreich, (高らかに讃えん オーストリア!)
Vielgerühmtes Österreich! (高らかに讃えん オーストリア!)

なお、和訳については、「世界の国家」というWebサイトで紹介されているものが雰囲気が出ているので、こちらから引用させていただきました。

で、何が問題になったかというと、Heimat bist du großer Söhne, (偉大なる息子らの故郷よ)という部分が、今の時代では「男女同権に反する」から、この部分に「娘たち(Töchter)を加えようというものです。

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メディアは、国民党と社会民主党の二大政党が、歌詞改正に合意したと伝えていますが、自由党は“ばかげている”と反論しているとか。逆に新しい国歌を制定した方が良いと主張しているようです。

ただ、実際には、メロディは今のものを使い、歌詞だけ改訂する訳ですから、かなり難しい作業になりそうです。そこで、リズムや語法を踏まえ、どのような歌詞がふさわしいか専門家のアドバイスを求めることになるそうです(当たり前ですよね)。

ちなみにオーストリア帝国およびオーストリア=ハンガリー帝国時代は「神よ、皇帝フランツを守り給え」 (Gott erhalte Franz den Kaiser) 、オーストリア第一共和国時代には「ドイツ・オーストリア、汝壮麗の国よ」 (Deutschösterreich, du, herrliches Land) 、1920年以降は「終わり無き祝福あらんことを」(Sei gesegnet ohne Ende)が国歌だったそうです。

Feriは、個人的にはハイドン作曲の「Gott erhalte Franz den Kaiser」が好きなのですがね(メロディは賛美歌194番にもなっています)。

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ところで、国歌の歌詞改訂ですが、10年ほど前から、時々思い出したように話題に上ります。歌詞のテーマから、火付けはいつも女性の政治家さんらしいのですが、国民としては“そんなことよりもっと大事なテーマがあるだろうに”という反応だとか。実際、ある緊急世論調査の結果では、70%の国民が国歌の変更に反対しているようです。
実は今回の一件にも、おもしろい裏話がありました。

夏休みに入る国会の最終日、今期で引退する国民党の女性国会議員カラットさん(Maria Rauch-Kallat、元厚生大臣、写真のおばさま)が、国会でお別れスピーチをすることになっていました。

ところが、彼女が壇上に立つ2~3時間前に、彼女は、どうやら「置き土産」として独断で歌詞変更案を提出するのでは…という噂が流れました(まるで日本の某総理のようです )。

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“会派内でのコンセンサスなしに、いきなり国会で打ち上げられると困る”と判断した国民党首脳部は、カラットさんの前に演説する同僚議員2名(いずれも男性議員だそうです)に、スピーチを引き延ばす指示を出しました。その結果、国民党の持ち時間がなくなり、カラットさんが壇上でスピーチするチャンスがなくなり、爆弾発言も潰えたかに思えましが…

ところが、おもしろくないカラットさんが、どうもメディアにリークして、ニュースが「夏枯れ」で困っていたマスコミが飛びつき、突如、重要問題に発展したとか…いかにもオーストリアらしいエピソードです。

さて、夏休み明けに開催される「秋の国会」で、正式に審議されるそうですが、果たしてどうなることやら…

オマケですが、オーストリア国歌の2番は、
Heiß umfehdet, wild umstritten, (強硬なる争い)
Liegst dem Erdteil du inmitten(猛烈なる闘い)
Einem starken Herzen gleich. ( 大陸の中枢)
Hast seit frühen Ahnentagen(強き心臓)
Hoher Sendung Last getragen, (祖先の時代から負いし崇高なる使命)
Vielgeprüftes Österreich, (試練を受けしオーストリア)
Vielgeprüftes Österreich. (試練を受けしオーストリア)

さらに3番は、
Mutig in die neuen Zeiten,(新たなる時代へと闊歩する我等)
Frei und gläubig sieh uns schreiten,(勇敢なり 自由なり 誠実なり)
Arbeitsfroh und hoffnungsreich.(勤勉で希望にあふれ)
Einig lass in Brüderchören,(隣人との団結の唱和の中で)
Vaterland, dir Treue schwören.(汝に忠誠を誓わん)
Vielgeliebtes Österreich,(最愛なるオーストリア)
Vielgeliebtes Österreich.(最愛なるオーストリア)

となっています。


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