« レハールフェスティバル「白馬亭にて」(その1) | Main | 突然の雷雨、その時カペレマイスターは…<ビデオ付き> »

August 21, 2011

レハールフェスティバル「白馬亭にて」(その2)

Img_114_08_9847_001

昨日に引き続き、Bad Ischlのレハールフェスティバル「白馬亭にて」、後半の模様をご紹介しましょう。

後半は、ギズスムントがゴルフバッグを担いで、ゼグウェイに乗ってさっそうと登場するところから始まります。続いてヒンゼルマン教授とクレールヒェンも登場。一応、列車の中でギズスムントと一緒だったという、定番の想定(では、どの駅からゼグウェイに乗ったのかという突っ込みはなし)。

ただ、今回はクレールヒェンの吃音は意識的に押さえている感じがしました。これも時代の流れかもしれません。

また、クレールヒェンがギズスムントと白馬亭で再会してから、程なく垢抜けた女性に変身してしまったのは、ちょっと残念でしたね。ドラスティックな変身場面が見物なのですが…

Img_114_08_9869_001

後半の山場、カイザー・フランツ・ヨーゼフ登場の場面では、何と「金色の髪飾り」を付けた盛装の「地元のおばさまたち」がエキストラとして登場。これはザルツカンマーグート開催ならではの趣向です。お客さまも基礎知識があるので、こういった演出は大受けです。

さて、カイザーですが、町民が連絡船で来ると思い、船着き場で待っていると、何と潜水艇で舞台袖から登場(付き人はご丁寧にフロッグマン。こういうところは芸が細かい)。

Img_114_08_9857_001

この潜水艇、このブログでもご紹介したBad Ischlの個人ムゼウムで展示されていた珍品です(実際にウォルフガングゼーで使ったことがあります)。ここの収蔵品を今回のオペレッタのために借り出したようです(演出家もよく知っていますねぇ)。このあたりは、地域事情を知っている人が見ると、おもしろさが倍増します。

カイザーが到着した翌日、ヒンゼルマン教授とギーゼケが、歌集を元にアコーディオンの伴奏でオーストリア民謡を歌う場面があるのですが、オーストリア風の発音がわかりにくく悪戦苦闘。これが観客には大受け。

要するにドイツ人を笑いのネタにしている訳です。ちなみに、ドイツ人が言葉で苦戦する場面は、1幕前半、ギーゼケとレオポルトの「メニューのやりとり」でも強調されていました。そう、オーストリアのドイツ語は違うのですよ…

Img_114_08_9861_001_2

朝、カイザーとヨゼファのやりとりは、いつもながらですが、お芝居が上手なので、揺れ動くヨゼファの気持ちが良く伝わってきます。

最後は、例によって3組のカップルがめでたく誕生し、全員揃って「白馬亭を讃える歌」の合唱でお開きとなります。

Img_114_08_9863_001

レハール・フェスティバルでは、例年、オーケストラピット手前の花道をよく使うのですが、今回は例年よりも使用頻度が高かったようです。また、客席からの出入りも多かったですね。これは、場面設定がアウトドアになっていることと関係があるのかもしれません。

昨日もご紹介しましたが、今回のキャスティングでは、昨年の「チャールダーシュの女王」と異なり、歌よりお芝居を重視したような感じがします。

Img_114_08_9865_001

しかし、弁護士ジードラーのReinhard Alessandriさんは、なかなかのイケメンで、ヨゼファが惚れるのは無理もありません。また、レオポルトのBoris Pfeiferさんも、なかなかいい男でした(Reinhard Alessandriさんの方がさわやか系ナイスガイなので、バランスがとれています)。

ヨゼファのUlrike Beimpoldさんは、持ちの持ちの性格を良くつかんで演じていましたね。オッティリエのRomana Noackさんは、かわいい感じの女性で、ジードラーが一目惚れするのもわかります。そういう意味で、役柄にはあったキャスティングにはなっていました。

それにしてもギズスムントとして登場したChristoph Wagner-Trenkwitzさん。日本だったらキャリアに傷が付きそうな役柄ですが、たいした物です。

また、ソロの弱い部分を合唱とダンス、ヨーデル専門の歌手などでカバーしており、華やかな舞台に仕上がっていました。トータルで考えると、地元開催にふさわしいネタがたくさん入っており、楽しい舞台でした。

最初は片意地を張っていたドイツ人も「ザルツカンマーグートの魔力」で、角が取れて裁判沙汰になるような難しい問題も解決。そして、ザルツカンマーグートの不思議な力は恋も成就させますよ…という、ザルツカンマーグートの魅力に惹かれてバードイシュルにやって来たお客さまには、納得の仕上がりと言っても良いでしょう。

Img_114_08_9890_001

オペレッタの場合、本来は歌、お芝居、踊りの三拍子揃った歌役者さんがベストなのですが、最近では「そういう人」はいません。そう考えると、今回の「白馬亭にて」のようにお芝居でお客さまに喜んでもらう(ほとんどがオペレッタファンのお客さま)という展開も、バードイシュルでは有りかな…と思いました。もっとも、これがフォルクスオーパーだったら、かなり批判されると思いますが‥

いずれにしても、オペレッタとオペラは別物であることを、あらためて感じた一夜でした。なお、2012年はカール・ツェラーの「小鳥売り」、レハールの「ジプシーの恋」が上演される予定です。「ジプシーの恋」は最近上演されることがないので、興味がありますね。

オマケネタですが、Christoph Wagner-Trenkwitzさんは、Feriが観た翌日にザルツカンマーグートで結婚式を挙げられたそうです(再婚らしいですが)。だから、前夜は、ノリノリだったのでしょうかね。どうかお幸せに。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります delicious

Br_decobanner_austria_001

オペレッタ |

« レハールフェスティバル「白馬亭にて」(その1) | Main | 突然の雷雨、その時カペレマイスターは…<ビデオ付き> »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« レハールフェスティバル「白馬亭にて」(その1) | Main | 突然の雷雨、その時カペレマイスターは…<ビデオ付き> »