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September 26, 2011

番外編 バイエルン国立歌劇場来日公演「ローエングリン」

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9月23日からバイエルン国立歌劇場の来日公演が始まりました。今回は、当初予定されていた出演者が怪我や病気でカバーに変更となった他、直前に「団員80名が来日拒否‥」という報道が流れるなど、何となく落ち着かない公演となっています。

3演目の中で、ある意味、バイエルン国立歌劇場らしさが一番発揮されるであろうワーグナー作曲の「ローエングリン」を観てきましたので、その模様をご紹介しましょう。会場はNHKホールです。

なお、NBSさんだけではありませんが、日本公演の場合、劇場内での写真撮影は厳しく取り締まっているので(何しろ密告を推奨していますから)、ございません

指揮は、音楽総監督のKent Naganoさん、演出はRichard Jonesさんの手によるものです。最終的なキャストですが、ハインリッヒ王がKristinn Sigmundssonさん、ローエングリンがJohan Bothaさん、エルザがEmily Mageeさん、フリードリヒ・フォン・テルラムント伯爵がEvgeny Nikitinさん、オルトルートがWaltraud Meierさん、王の伝令がMartin Gantnerさんという面々でした。

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当初の予定では、ローエングリンがヨナス・カウフマンさん、テルラムントがファルク・シュトルックマンさん、王の伝令がエフゲニー・ニキーチンさんでした。ヨナス・カウフマンさんを楽しみにしていたファンが多かったでしょうね。

ちなみにJohan Bothaさんのローエングリンは、ご縁があるもので、ウィーン国立歌劇場で2005年12月、2006年3月に観ています。Feriとはご縁があるのですねぇ。

お話はオリジナルどおりですが、演出は、バイエルンらしいかなり奇抜なものです。そのため、舞台装置も、かなり変わっています。ただ、ウィーン国立歌劇場版も、かなり変な舞台なので、良い勝負でしょうかね。恐らく、日本のファンでも意見が分かれそうな気がします。ちなみに、一幕では後ろに歩道橋のような巨大な橋がかかっており、そこに合唱団が上がって歌う場面があります(何しろ大勢の合唱団が乗るわけですから、強度の確保が大変‥)。

また、二幕ではローエングリンとエルザが住むことになる住まいを新築していました。この住まい。実物大の二階建てで、本当に巨大です。三幕では新居が完成。しかし、エルザがローエングリンに対して疑念を抱いたため、王の前で身分を明かすことなる場面では、せっかくの新居に火を放ちます。暗転で二場に入った段階では、しっかり新居はなくなっていました(きっと焼失してしまったのでしょう‥)。また、幕間の休憩5分前くらいから緞帳が開き、舞台上ではお芝居が始まっていまいた(2幕前では住まいに建設、3幕前では新居の仕上げ)。どういう趣旨なのか、よくわかりませんが、お客さまもビックリ。しかし、観ていると飽きることはありません。

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さて、演奏はさすがにバイエルン国立歌劇場だけあって、弦楽器、管楽器とも切れ味の良い演奏でした。とくに金管は良かったですね。ファンファーレに関しては、NHKホールのパイプオルガンスペースに4名を配置して演奏していまいた。また、後半はトランペットが客席でも演奏されるなど、ちょっと変わった演奏方式でした。ケント・ナガノさんの指揮も舞台全体に気を配った見事なものでした。こなれている感じですね。

歌手は、カバーになってしまいましたが、全体的に皆さん、良い仕上がりでした。オーケストラに負けるような場面はありませんでした。さすがワーグナー歌手。ローエングリンのJohan Bothaさんは安定した歌いぶりに人間味のあるお芝居で、魅せるものがありました。また、オルトルートのWaltraud Meierさんは歌だけではなく、情念を感じさせるお芝居が良かったですね。とくにフィナーレの演技は見事‥

合唱に関しては人数が多いので迫力はありますが、全体のハーモニーという観点で観ると、ウィーン国立歌劇場の方が整っているような感じを受けました。演出の関係なのかもしれませんが、二幕の合唱は全体的に荒いような印象受けましたね。

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舞台装置を含む演出に関しては、恐らく多くの方が「気に入らなかった」と思います。日本の場合、国内では、オペラを観る機会が極端に少ないですから、どうしても「古い演出に飽きる」ということがありません。そのため、せっかく観るのだからオーソドックスな演出で‥と考える人が多いのだと思います。このあたり、古い演出に飽きてしまった地元のファンを対象にしているカンパニーの来日公演の難しいところかもしれません。

ところで、今回の舞台装置だと大きさの関係で、NHKホール以外では再現できなかったかもしれません。毎回のことですが、素晴らしい舞台なのに休憩時間になるとロビーは大混乱。優雅な余韻が一瞬ですっ飛んでしまいます。やはり日本の引っ越し公演では「音楽だけを聴く場」と割り切るしかなさそうですね。Feriは音楽そのものも好きですが、劇場に流れる優雅な時間に身を置くのが好きなのですがね‥(だったらバイエルンに来い‥という声が聞こえそうです )。

このほか、Feriが観た日はマチネ公演(15時開演)で、19時40分終演だったのですが、それでもカーテンコールがおわる前に席をお立ちになってお帰りになるお客さまが、結構いらっしゃいました。日本の場合、遠くから劇場に足を運ぶ方が多いので、この時間帯でも帰りが気になる‥というところでしょう。これも東京公演ならではの事情と言えるかもしれません。

なお、今回、バイエルン国立歌劇場側は結構気合いが入っていて、年間プログラムと日本語版のダイジェストなどを無料で配布していました。是非来てくださいね‥ということなのでしょう。

ところで、今回、降板した歌手の皆さんですが、やむを得ない事情であるのはわかりますが、理由がご本人の不注意によるものが多いような気がします。やはり引っ越し公演の出演キャンセルは、自分自身のキャリアに余り傷が付かない‥ということなのでしょうかね。

余談ですが、80名近い欠員が出たにもかかわらず、ちゃんと上演しているのですから、招へい元や劇場側も、この事実を隠すことをせず、オープンにした上で、上演に問題がないことを明確に表明した方が、お客さまの信頼を獲得できると思うのですがね‥だから、歌手が降板した理由に妙なウワサが立つのですよ‥どうも隠蔽体質が気になりました。

それから、開場前に入り口付近に、ちょっと強面のおじさま(丸刈りで私服)がいらっしゃいました。しかも「チケット買います」のサインボードをもった素敵なおじさまの隣に‥どうやらダフ屋を取り締まるための私服警察官と思われますが、昨日は空席があったようなので、ダフ屋さんは現れなかったようです。実際「ローエングリン」に関しては、残りの公演チケットを会場でも販売していました。

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