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November 19, 2011

番外編 平成23年度 自衛隊音楽まつり<動画付き>

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今日は、番外編として「音楽の話題」をお届けしましょう。

自衛隊では、毎年、「音楽まつり」という行事を行っています。英語の名称は「JAPAN SELF-DEFENSE FORCES MARCHING FESTIVAL 2011」。つまり、こちらで言うところの軍楽隊によるブラス・ムジーク・フェストですね。

日本国内では、自衛隊は「軍隊ではない」ことになっているので、厳密には軍楽隊ではありませんが、各自衛隊に音楽隊が存在します。音楽隊も陸海空の中央音楽隊だけではなく、各地方にも音楽隊が存在し、音楽演奏を専門に行う自衛隊員の皆さんが、様々な行事などで活躍しています。

実は、日本では、楽器奏者の方にとって、最も安定した職場が自衛隊音楽隊であるという話を聴いたことがあります。というのは、音楽隊の場合、任期制自衛官ではありませんから、音楽隊に採用されれば、定年まで音楽一筋で生活することができます。しかも、演奏の有無にかかわらず、一定のお給料ももらえます。

現在、日本には、いわゆる国立のオーケストラというのは事実上、存在しませんが、自衛隊の音楽隊は、それに近い存在です(宮内庁雅楽部も、これに近いかもしれませんが‥)。

従って、音楽大学などを卒業された方が、多数、所属しているという話です。また、入隊も狭き門だそうです(基本的に定年で退官した方の代わりしか採用しないためだとか。当然、ブラインド方式の実技試験もあるそうです)。

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Feriは、今まで自衛隊の各種行事で音楽隊の単独演奏を聴いたことはあるのですが、多数の音楽隊が集まり、合同演奏やマーチングを披露する「音楽まつり」は見たことがありませんでした。なぜか。そう、入場は無料なのですが、コネがないと抽選制なので、くじ運の悪いFeriは外れ続けていたのです‥weep

がWebサイトからの応募で入場券が当たりました。という訳で、生の音楽に飢えているFeriは喜び勇んで、会場の日本武道館に出かけてきました。

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今年は、3月11日の東日本大震災、そして救援・復興活動への大規模な自衛隊投入という事情もあるため、通常とはプログラム構成が異なっていたようです。

出演したのは、陸上自衛隊中央音楽隊、海上自衛隊東京音楽隊、航空自衛隊中央音楽隊という基幹部隊に加えて、震災時、「トモダチ作戦」で支援をしてくれた米軍からは在日米陸軍軍楽隊、在沖縄海兵隊音楽隊も参加しました。

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このほか、陸上自衛隊北部方面音楽隊(札幌)、陸上自衛隊東北方面音楽隊(仙台)、陸上自衛隊東部方面音楽隊(東京、練馬)、陸上自衛隊第302保安警務中隊(海外の国賓などを歓迎する特別儀仗隊。迎賓館の歓迎行事でおなじみですね)、海上自衛隊演技隊(女性自衛官による艦旗隊です)、航空自衛隊カラーガード隊(マーチングに華を添える女性自衛官)、防衛大学校儀仗隊(ファンシードリルを実施しました)、自衛太鼓(各地の基地に所属する和式太鼓のクラブです。今回は12チームが招へいされました)。

プロローグは女性自衛官による「アメイジング・グレイス」のアカペラで始まりました。なお、今回は震災の犠牲者に、参加者全員で黙祷捧げています。

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その後、オープニングセレモニーとして、日本国国旗入場と国歌斉唱が行われました。このとき、特別儀仗隊が登場。さすがに海外の国賓を迎える看板部隊だけあって、統率のとれた動きには見入ってしまいました。
Feriは、今年、一番感激したのは4月11日にフォルクスオーパーで聴いた「君が代」でしたが、さすが本家、自衛隊。粛々とした見事な演奏でした。

国歌斉唱に続いてオープニング演奏として「DECISIVE BATTLE」が陸海空自衛隊音楽隊により演奏されました。

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第一部のテーマは「」。ということで北部方面音楽隊、在日米陸軍軍楽隊、在沖縄海兵隊音楽隊のドリル演奏が行われました。ドリルはマーチングの華ですから、各隊とも工夫を凝らしていましたね。なお、在日米軍音楽隊は合同で「星条旗を永遠なれ」を演奏しました。当たり前ですが、こなれています。米軍の音楽隊は、演奏スタイルもショーマンシップにあふれています。このあたり、お国柄なのでしょうね。

今回は、ゲストとして被災地である宮城を中心に活躍している「宮城三女OG合唱団」が参加して、華を添えました。

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第二部のテーマは「希望」。防衛大学校儀仗隊のファンシードリルに続いて、陸海空自衛隊音楽隊(陸と空は中央音楽隊、海上自衛隊は東京音楽隊)による趣向を凝らしたドリルが披露されました。

ドリルの場合、演奏も去ることながら、隊形の変化が見物ですよね。今回、Feriは隊形変化が見やすいように二階席を確保しました。海上自衛隊はしっかり、錨の形になっていました。なお、海上と航空の両音楽隊には、女性隊員によるカラーガード隊が加わっていたので、華やかさが倍増していました。

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第二部の目玉は、自衛太鼓「絆」の演奏です。海外でも高い評価を得ている和太鼓の演奏。総勢250名の太鼓演奏には度肝を抜かれました。これは海外でも人気があるのはわかりますね。

自衛隊の太鼓チームは、音楽隊ではなく、通常の隊員が、正規の課業を終えてからクラブ活動として行っているそうです。地方では、若者が減っているため、こういった地方の太鼓演奏を伝承することは、意義のあることでしょう。

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第二部の最後は、全出演者による「さくら」と「希望の歌」の演奏です。「希望の歌」は、ベートーヴェンの第九「第四楽章」をポップ調にアレンジした曲です。演奏は素晴らしいですが、さすがにソロ歌手の方は、専門家ではないので、ちょっと厳しかったような‥

第三部は、明日に向かっての「勇気」がテーマ。陸海空自衛隊音楽隊の選抜メンバー4名による合同演奏「ニアラー・マイ・ゴッド・トゥ・シー」。この曲、映画「タイタニック」で有名になった賛美歌(320番「主よ、みもとに近づかん」)です。船が沈む時、後半でカペレマイスターがヴァイオリンで演奏するシーンが印象的でしたね。通常、ブラスバンドの場合、ヴァイオリンは使いませんが、こういった曲をソロで弾けるとはさすがです。

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その後、全出演部隊によりオリジナル曲「七色の奥羽国」とエルガーの名曲「威風堂々」が演奏されました。それにしても、「歌謡曲やポップスから賛美歌、交響曲まで」、幅広いレパートリーには頭が下がります。「威風堂々」の時には、ちゃんとハープが入っていましたからねぇ。

それにしても陸海空自衛隊音楽隊(とくに基幹部隊)の実力は、かなり高いことがよくわかりました。この実力ならば、海外で演奏会を行っても、十分に評価されることでしょう。

上演時間は2時間30分強だったのですが、この手のマーチングが好きなFeriにとっては、あっという間でしたね。曲目も一般の方が親しみを持てるものを選んでいるため、音楽に詳しくない方でもマーチングの魅力を十二分に堪能したことでしょう。

ただ、オーストリアのマーチングバンドは、通常、アメリカのマーチに加えて地元のポルカを結構演奏します。日本ではポルカは馴染みがないので、演奏されませんが、この点は、オーストリア・ファンのFeriにとってはちょっと残念でした。ただ、これは自衛隊音楽隊のレパートリーにない‥ということではなく、「音楽まつり」の趣旨に沿って選曲したというのが理由です(広く、国民に音楽隊の活動を知ってもらう)。実際、音楽隊のCD集では、ドイツ行進曲集やワーグナーものなども発売されています。そういう意味では、こういった通好みの曲の演奏も聴いてみたいところです。

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ちなみに会場には6000人以上のお客さまが入っていたそうです。入場無料ということもあるのでしょうが、マーチングの演奏で、これだけのお客さまが入るというのは、やはり素晴らしいことですね。この「音楽まつり」、今年は11月18日と19日に各2公演行われ、いずれも満席になるのですから、たいしたものです。

ウィーンでもブラス・ムジーク・フェストが毎年、行われますが、こちらも高い人気を誇っています。とくに、陸続きということもあり、他国からも音楽隊がやって来ますから、対抗心が芽生えるのかもしれません。


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Comments

ブラインド試験とは立派ですね。今年10月に行われた都響のファゴットオーディションは面接と実技が一緒だったそうです。音楽よりも面識が優先されるのでしょうか?

Posted by: ebi1088 | November 24, 2011 at 12:43 PM

ebi1088さま、コメントありがとうございます。

それだけ音楽隊への入隊希望者が多いということでしょうかね。今年は合計3万人のお客さまが集まったそうです。

Posted by: feri | November 25, 2011 at 07:20 AM

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