« こんな使い方もあります | Main | “ヨハン・シュトラウス”が炎上 »

November 06, 2011

新しい鉄道運行会社が誕生

2011_12_11_westbahn_001

今日はオーストリアに誕生した「鉄道運行会社の話題」をお届けしましょう。

日本では、イメージしづらいのですが、EUでは「鉄道の自由化」が進められ、旧国鉄の民営化に伴い、その路線上を「別の会社」が運行する列車が走るようになってきました。

日本では、この方式の鉄道を「第二種鉄道事業」と読んでいますが、その代表がJR各社の路線を借りて貨物列車を運行しているJR貨物です。

この方式をヨーロッパで早く採用したのはイギリスです。1994年から1997年にかけて大規模な改革が行われ、現在は、列車の運行業務とインフラの保有・維持管理業務を別々の会社が運営する「上下分割方式」が採用されています。イギリスでは旅客列車は、20数社の民間会社が列車の運行を担当しているそうです。

今回、オーストリアに誕生したのは、Westbahn Management GmbH。12月11日からウィーン-ザルツブルク間を、毎日5時台から18時台まで、毎時14本の急行列車を運行する計画です(ウィーン西駅は毎時32分発、ザルブルク駅は毎時26分発)。

2011_12_11_westbahn_002

停車駅はÖBBと同様、ウィーン西駅、ウィーン・ヒュッテルドルフ、サンクト・ペルテン、アムシュテッテン、リンツ、ウェルス、アットナング・プッフハイム、ザルツブルクで、所要時間は2時間57分~3時間となっています。

気になる車両ですが、Feriは現物を見ていないのではっきりしたことは言えませんが、公表されている写真を見るかがり、ÖBBが近郊区間の快速列車などで使用している二階建て客車を使ったペンデルツーク仕様のようです(運転台のついた客車と機関車をセットにして運行する方式)。6両編成で、そのうち4両にはカフェ(WestCafe)が設置され、飲み物や軽食が販売される予定になっています。

また、ÖBBと差別化するため客室乗務員が乗車させるようです。このほか、最近の会社らしく列車内で無料のWi-Fiを利用できるそうです。これはFeriのようなネット環境を必須とする人には受けそうですね。

ウィーン-ザルツブルク間は、日本で言えば東海道線のような位置づけの幹線です。アウトバーンとの競争も激しくÖBBでもサービスレベルを上げた特急列車「レールジェット」を投入するなど、積極的な対応を行っています。そこへ殴り込みをかける訳ですから、当然、運賃は安く設定しているようです。ちなみにウィーン-ザルツブルク間は、片道で23.8ユーロとなっていました。で、チケットは同社のWebサイト(クレジットカード決済)または列車内で購入するようになっています(詳しくは同社のWebサイトをご覧ください)。

2011_12_11_westbus_001

なお、ウェストバーン鉄道の子会社であるウェストブス(WestBus)が、12月11日から運行を始めます。こちらは、ウィーン-クラーゲンフルト間、 グラーツ-リンツ間、 リンツ-プラハ間、 クラーゲンフルト-ザルツブルク間、 ザルツブルク-ミュンヘン空港間などの路線が開設されます(詳しくはhttp://westbus.at)。
ネットワークを見ると、鉄道の路線を補完していることが、よくわかります。

さて、肝心の列車の方ですが、何しろ、まだ運行を開始していないので、運行を開始した段階でFeriも利用して、改めてレポートしたいと思います。

ちなみにお隣のドイツでは、2008年から旅客列車の運行を担当するDB Bahn(DBバーン)、貨物列車の運行を担当するDB Schenker (DBシェンカー)、軌道の保守管理と駅の運営管理を行うDB Netze( DBネッツェ)という三つの会社に集約されています。今のところ、DB Netzeの軌道を借りて、旅客営業をする別会社は出ていないようですが、将来は誕生するかもしれませんね。

しかし、日本でも東海道新幹線に、趣向を凝らした他社の旅客列車が走ったらおもしろと思うのですが、無理でしょうね。


※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_austria_001

鉄道のお話 |

« こんな使い方もあります | Main | “ヨハン・シュトラウス”が炎上 »

Comments

 最新のニュースを拝見させて頂きとてもためになります。新しい鉄道の運行など時代の変化がかなり急速にヴィーンにも押し寄せているのに驚きます。21世紀に入ってからは特に変化の速度が速くなっている様に思うのは私だけでしょうか。さしものヴィーンも時代の波に抗えないのですね。新しい運行会社はヴィーン~ザルツブルク間と言うことですが、ここ数年ヴィーンからミュンヘンへ列車で行く機会が無くなり事情に疎くなっているので教えて頂きたいのですが、マックス・ラインハルト号とかバルトーク・ベラ号だったかな?とかのミュンヘンとの行き来に利用していた特急列車はもう無くなってしまったのでしょうか?

Posted by: ハンドルネーム:ウィーン | November 06, 2011 19:25

ハンドルネーム:ウィーンさま、コメント、ありがとうございます。

昔は特急列車一本ごとに愛称がついていましたね。運行区間にちなんだ名前などもあり、私も好きでした。私も列車に乗る機会が激減してしまっているため、最近はどうなっているのかは良く知りませんが、ウィーン-ミュンヘン間については、例の「レールジェット」が運行されており、愛称がなくなっている可能性がありますね。ちょっとバタバタしており、ちゃんと調べていなくて申し訳ございません。

Posted by: Feri | November 06, 2011 20:38

 質問ばかりしてしまってかえって恐縮です。わざわざお手間を取ってまで調べる程の事ではありませんのでどうぞ気にしないで下さい。ヴィーン~ミュンヘンの列車の食堂車で食事をするのが楽しみでした。ドイツとオーストリアの国境のザルツブルクあたりを通過する度に国境を列車で超える雰囲気に気持ちがうきうきしたものです。遥か昔は本当に国境を超える臨場感が味わえた様な気がします。国境が無くなる事が世界の理想だと思いますので味気なく思うのは感傷にしか過ぎないのでしょうね。失礼致しました。

Posted by: ハンドルネーム:ウィーン | November 06, 2011 21:15

Feriさま、ウィーンさま
WESTbahnのような他事業者がÖBBの幹線に参入するとは予想できませんでしたね。Wien Hauptbahnhofが開業してもWESTbahnは西駅発着で残るのでしょうか?
乗車券の販売形態からして、レールパスは使えなくなるのでは?ドイツ語圏(スイス含む)はレールパスでどの列車にでも乗れるのが便利だったのですが。Wien-Salzburg間で29ユーロらしいので、今年4月にWien-MünchenをRailJetの割安券(2等29ユーロ)で移動したのですが、それよりは一寸高いようですね。
ÖBBはますます大変な時代を迎えることになりそうですね。

Posted by: Njegus | November 07, 2011 22:43

Njegusさま、お久しぶりです。

ユーレースパスは、基本的にヨーロッパにお住まいの方は買うことができないチケットなので、EUの皆さまにとっては、あまり関係がないのだと思います(日本のJRグループ全社で使えるジャパンレールパスも外国でしか買うことができませんので、一緒ですね)。

また、ÖBBも割引系乗車券を多数販売しており、今後、サービスと運賃の競争が始まりそうな気がします。

駅の利用に関しては、どのようになるか現時点では何とも言えませんが、西駅周辺が中央駅の新設にかなり危機感を持っていることも事実です。そのため、中央駅に先駆けで駅のリニューアルを実施したようです。

いずれにしても、今後の動向に注目したいところです。

Posted by: Feri | November 08, 2011 10:15

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« こんな使い方もあります | Main | “ヨハン・シュトラウス”が炎上 »