ウィーンで「謎の軌道」を発見
今日はウィーン市内で見つけた「謎の軌道(レール)」にまつわるお話です。
鉄道ファンの中には、鉄道遺産を専門に研究している方がいらっしゃいます。鉄道の遺構を捜して、過去の歴史などを調べるという、なかなか奥の深い歴史研究の分野です。
さて、先日、マリアヒルファー教会近くにピザ屋さんで昼食をとった時のことです。昼食後、店を出たところ、いつもは閉まっている向かいの建物にある扉が開いていました。
ふと、その扉の奥を見ると、何と軌道(レール)が敷かれているではありませんか。私有地なので中には入りませんでしたが、軌道は道路に面した門のところから、中庭を通って奥の建物に続いていました。今まで、この前は何度も通っていたのですが、扉が開いていたことがなかったため、この軌道には気づきませんでした。
しかも、手前の門のところで軌道はプツリと切れています。恐らく奥の建物から商品などを運び出すための施設だったのでしょう。この絶妙なカーブが、ファン心理をそそります。
で、このレールで何を運んでいたのかが気になりますが、道路に面したところには「RUDOLF STELZHAMER」という看板が掲げられています。この会社はピアノの製造メーカーなので、恐らく奥はピアノ製造工場なのでしょう。
今も、この場所で製造しているのかどうかは、わかりませんが、製造したピアノの搬出用の軌道だったことが推察されます。トロッコのような車両を使っていたのでしょうか。
よく考えて見れば、ピアノを運ぶにしても、こんな短い距離をトロッコに乗せて運ぶとは考えられません。今は切れてしまったレールの先‥が当然あったのでしょう。
この門に面した道路ですが、幹線道路ではありません。ちょっと広い路地‥といった趣です。ということは、以前は、門に面した道路にも軌道が敷かれていたと思われます。で、その先ですが、もしかしたら、マリアヒルファーシュトラーセを走っていた路面電車の軌道につながっていた可能性もありますね。
さらに、この場所はウィーン西駅にも近いので、路面電車の軌道を経由したÖBBの駅まで運んでいたのかもしれません(Feriの勝手な妄想ですが)。こういった創造をしていると夢が膨らみますねぇ。
ところで、この門ですが、天井から下がっている照明も趣があり、いかにも「ウィーンの工房」という雰囲気がします。
オーストリアの会社は歴史を大切にしていうるので、この会社を訪ねれば、昔の搬送シーンを撮影した写真が残っている可能性もありますね。
なお、こういったミステリアスな鉄道遺構のことを「トワイライトゾーン」と言う人もいるようです 。
※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります
Comments