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December 22, 2011

お疲れさま 運行を終えた特別養護老人ホームの給食鉄道

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今日は「長年の勤めを終えた鉄道の話題」をお届けしましょう。

2007年12月、このブログでウィーンの特別養護老人ホームAlters-und Pflegeheim der Stadt Wienで活躍する給食鉄道の話題をお届けしたことがあります。

当時は、現役バリバリだったのですが、つい最近、日本の鉄道雑誌の編集長である名取紀之さんが、ご自身のブログで、特別養護老人ホームが老朽化により年内で廃止されることが決まり、それに伴って給食鉄道も廃止になるという記事を書かれていました。

入居しているお年寄りは、新しくできた施設に分散してお住まいになるということで、すでに一部のパビリオン(入居棟)は閉鎖されているという話でした。という訳で、2007年以来、訪問していなかったのですが、急きょAlters-und Pflegeheim der Stadt Wienへ出かけてみることにしました。

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市電62番で終点のひとつ手前Versorgungsheimplで下りると、施設そのものは、まだ運用されているようで、職員の皆さんも沢山見かけました。ただ、正面玄関向かいにある教会はすでに閉鎖されているようで、立ち入り禁止のロープがかけられていました。

現役時代の給食鉄道の詳細は2007年12月の記事をご覧いただくとして、この特別養護老人ホームですが、14棟のパビリオン(入居棟)が広い施設内に分散しているため、施設内の給食センターから狭軌鉄道を使いコンテナで食事を運ぶという方式が採用されていました。

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昼食列車の運行が予想される11時前に到着したのですが、列車の姿はありません。そこで、給食センターまで行ってみることにしました。

通常、列車はセンター内にあるプラットホームでコンテナを積み込む仕組みになっています。そしてお食事が終わった食器は、再びコンテナごと列車で回収します。

ところが給食センターにも列車の姿はありません。たまたまトラックが到着し、列車が出てくるゲートが開きました。中をのぞくとレールの上には、仮設の荷下ろし所が設けられていました。どうやら既に列車の運行は終わっており、残っている入居者にはトラックで食事を搭載したコンテナを運んでいるようでした。

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その後、車両のメンテナンス施設を訪れましたが、こちらもドアは固く閉ざされたままでした。また運行を担当する係員の姿も見つけることはできませんでした。

その後、特別養護老人ホームの構内を散策すると、今日も新しい施設へ移動されるお年寄りもいらっしゃるようで、搬送用の自動車が何台か止まっていました。

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ちょっとした街のような広さなので、構内には売店やレストランなどもあるのですが、一部の売店はすでに閉店していたほか、パビリオンの外には使命を終えたコンテナが並べられているなど、施設の完全閉鎖が近いことが実感できました。

また、前回、訪問した時も、ちょうどクリスマス前だったのですが、ご入居している方を慰問に訪れるご家族で賑わっていました。ところが、今回は、ご入居者が減っているためか、ご家族の姿はほとんど見かけることはありませんでした。

ところで、正面玄関には、バッテリー機関車が保存されていますが、当日、観ることができた唯一の車両‥ということになります。

恐らく将来的には、この場所に新しい施設が建設されることになるのだと思いますが、その時には給食システムそのものが、見直されることになるでしょう。

85年以上、朝、昼、晩と休むことなく働き続けた給食鉄道。お疲れさまでした‥という気持ちを胸に、施設を後にしたFeriでした。


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