あなたは「誰の魔女」がお好みですか? 「ヘンゼルとグレーテル」
今日はオペラ「ヘンゼルとグレーテル」の話題をお届けしましょう。
この時期、フォルクスオーパーでは、フンパーディンク作曲の子供向けのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」が頻繁に上演されます。
子供向けといっても、内容が「子供さんにもわかりやすいもの」というだけで、実は出演者は実力派揃いです。劇場側としては、わかりやすい内容のオペラで「子供さんに本物を体験させる」‥というコンセプトなのでしょう。実際、今回は父親ペーター役にMorten Frank Larsenさんが起用された回もありました。
オペラ版のお話はグリム童話とは、かなり変わっています。森へイチゴ摘みに行ったヘンゼルとグレーテルが、お菓子の魔女に捕まってしまいますが、二人が協力して魔女をパン焼き釜の中へ放り込んで退治するというお話です。
この「ヘンゼルとグレーテル」で、人気が高いのは「愛すべき悪役」の魔女です。何しろ特殊メイクをしているにも関わらず、毎回、有名な歌手が起用されますので‥
今までは、かつてのオペレッタスターAdolf Dallapozzaさんが圧倒的に多かったのですが、今年で御年71歳。さすがに体力的な問題もあるのか、今年からは数名の歌手が交代で担当するようになりました。で、その一人にKurt Schreibmayerさんがいます。
Kurt Schreibmayerさんは、今でこそ、名脇役になってしまいましたが、かつてはメリーウィドウのダニーロなども努めた名優です。Feriが好きな歌役者さんの一人ですね。背が高くて格好が良いのですよ。
という訳で、好き者のFeriは魔女比べがしたくなり、Adolf DallapozzaさんとKurt Schreibmayerさんが出演する回を、それぞれ鑑賞しました。
私はKurt Schreibmayerさんは、初めて観ましたが、背が高いだけあって、なかなかの存在感。元々コミカルな演技もお上手な方ですから、こういったヒール役もお手のもの。ちなみに、トップの写真がKurt Schreibmayerさんです。
一方、長年、魔女を務めているAdolf Dallapozzaさんですが、さすが「に一日の長」がありましたね。Adolf Dallapozzaさんは、最後の写真をご覧になるとおわかりのように、比較的小柄なので、ヘンゼルとグレーテルと身長がさほど変わりません。
特に客席の子供達を巻き込む術を熟知しているようで、怪演ぶりが光ります。こういったかつての名優たちが、次世代をお客さまを魅了するため、こういった演目にも積極的に出演される姿勢には頭が下がります。もっとも、お二人とも、いつも以上に楽しそうに演じている姿が印象的でしたね。
ちなみにFeriが観た日ですが、指揮は両日ともRoberto Paternostroさん、ゲルトルート(ヘンゼルとグレーテルの母親)はUlrike Steinskyさん、ペーター(ヘンゼルとグレーテルの父親)がSebastian HolecekさんとSchmeckenbecherさん、ヘンゼルがEva Maria RiedlさんとElvira Soukopさん、グレーテルがAnja-Nina Bahrmannさん(本当は1公演にAndrea Bognerさんが出演予定で楽しみにしていたのですが‥当日、カバーに変更となりました)、眠りの精がMara Mastalirさん、霧の精がClaudia Goeblさん面々でした。ペーターとゲルトルート、魔女以外は、一応、子供という設定なので、子供さんにも親しみやすいのでしょうね(ヘンゼルとグレーテルは、一応、大人の歌手が演じていますが‥)。
舞台装置も最近のフォルクスオーパーとしては立派なもので、「これぞオペラ」という感じがします。ただ、お客さまに子供さんが多いため、賑やかですが‥
※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります
Comments