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May 28, 2012

お疲れさまでした 2012フォルクスオーパー来日公演 千秋楽

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5月12日から始まったフォルクスオーパーの第8回来日公演も昨日、5月27日に千秋楽を迎えました。千秋楽の演目はFeriが大好きな「メリーウィドウ」。では、その模様をお伝えしましょう。

まず、指揮は24日と同じくエンリコ・ドヴィコ(Enrico Dovico)さん。主なキャストは以下の通りです。

ミルコ・ツェータ男爵:アンドレアス・ダウム(Andreas Daum)さん
ヴァランシェンヌ:マルティナ・ドラーク(Martina Dorak)さん
ハンナ・グラヴァリ:アレクサンドラ・ラインプレヒト(Alexandra Reinprecht)さん
ダニロ・ダニロヴィッチ:モルテン・フランク・ラーセン(Morten Frank Larsena)さん
カミーユ・ド・ロション:ヴィンセント・シルマッハー(Vincent Schirrmacher)さん
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク(Michael Havlicek)さん
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:ロマン・マルティン(Roman Martin)さん
ボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー(Joachim Moser)さん
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ(Lidia Peski)さん
クロモウ:ライムント・マリア・ナティエスタ(Raimund Maria Natiestar)さん
オルガ:ベアーテ・リッター(Beate Ritter)さん
プリチッチ:フランツ・ズーラーダ(Franz Suhrada)さん
プラスコヴィア:スーリエ・ジラルディ(Sulie Girardi)さん
ニェーグシュ:ロベルト・マイヤー(Robert Meyer)さん

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2011年12月の公演ではヴァランシェンヌにドラークさんが起用される予定になっていたので、楽しみにしていたのですが、何と当日になって交代。Feri涙目‥という訳で、今回の、来日公演がリベンジになりました。

さて、演奏ですが、24日に比べると格段に良くなっていました。ただ、エンリコ・ドヴィコさんのカラーなのか、きっちりとしているため、堅さは残っていましたが‥また、オーケストラと歌手のコンビネーションも完全に修正されていませんでした。もうちょっと歌手に配慮してテンポを調整してくれると申し分ないのですが‥我が道を行く‥という感じでしょうか coldsweats01

さて、各歌手の仕上がりですが、今日、一番の注目株は、ダニロのモルテン・フランク・ラーセンさんです。期待どおりの素晴らしい仕上がりでした。はやりラーセンさんは華がありますね。ハンナが惚れるいい男です。ラーセンさんは、声が良く出る方なので、正直、フォルクスオーパーなどでは、ちょっとうるさいと感じることがあります(そんなにがんばらなくてもいいですよ‥という意味)。

しかし、2000席を越える東京文化会館では、そのパワーを遺憾なく発揮して、素晴らしいダニロぶりでした。また、旧演出から出演しているため、自分なりのダニロ像をしっかりと確立していることがよくわかりました。自分に素直になれない意地っ張りのダニロ‥いいぞ。

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ハンナのアレクサンドラ・ラインプレヒトさんはプルミエで起用された方ですが、今日は素晴らしい仕上がりでした。「ハンナ登場の歌」、「ヴァリアの歌」ともにFeriの期待に十分応える素晴らしい歌いぶりでした。

2シーズン目なので、役を完全に自分のものにしていました。また、ラーセンさんとの呼吸もピッタリ。この組み合わせをウィーンでぜひ観たい‥と思わせるゴールデンコンビでしたね。余談ですが、ラインプレヒトさんですが、公演終了後、楽屋口でお目にかかりましたが、本当に気さくな方ですね。

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ヴァランシェンヌはFeri期待のマルティナ・ドラークさん。やはり旧演出からヴァランシェンヌとして出演しているだけに、完全に役を自分のものにしており、安心して観ることができました。それにしてもドラークさんの笑顔は何回観ても素晴らしいですね。

ただ、今ではベテランの領域に入っているため、身体能力を考慮してか、三幕のカンカンでのバク転はありませんでした。また、お相手のシルマッハーの声が大きいためか、最初からワイアレスマイクを付けていました。でも、見事な演技だったのでFeriとしてはマイクはOKかな heart04

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ミルコ・ツェータ男爵のアンドレアス・ダウムさんもなかなかいい味を出していました。歌は初日のシュライブマイヤーさんよりも良かったと思います。ただ、Feriはシュライブマイヤーさんの方が好みですが‥

カミーユ・ド・ロションのヴィンセント・シルマッハーさん。お名前からは想像できませんが、コテコテの東洋系の顔立ち。シルマッハーさんは声量があるので、フォルクスオーパーの公演でも目立つ存在です(ラーセンさんと同じく、ちょっとうるさいくらいですが‥)。

今日は東京文化会館だったので、ラーセンさんと同じく本領発揮。良く通る声で、存在感のあるロションを演じていました。ところで、今日の髪型はガチガチのリーゼントスタイル。しかもちょび髭を付けているので、日本人のFeriにはヤンキーのように見えてしまいました。これは本人の責任ではありませんからね‥

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全体的には演奏に若干の不満が残るものの、素晴らしい「メリーウィドウ」でした。特にウィーンでもなかなか実現しないラーセンさんのダニロを観ることができたのが最高です。千秋楽だったので、カーテンコールも最高に盛り上がりました。

なお、千秋楽ということもあり、終演後は楽屋口で皆さん、気軽にサインや写真撮影に応じていらっしゃいました。また、次回の来日公演が決まっている場合、千秋楽で披露されるケースが多いですが、今回は「See you again!」でした。

さぁ、オーケストラメンバーをはじめとするスタッフはウィーンへ戻ると、「マダム・ポンパドール」のプルミエが待っています。マイヤーさん、また、ウィーンでお目にかかりましょう。


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オペレッタ |

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Comments

Feri さん、こんばんは。Steppke です。

昨日(27日)は、最終公演らしく、気合の入った良い公演でしたね。
24日の水準ではどうなるかと思っていましたが、さすがに尻上がりに調子をあげたようです。

指揮は、Feri さんも書かれている通り、相変わらず舞台に合わせるといった柔軟性に欠けるオペレッタらしくないものでしたが、オケも合唱もそれなりに要領を得た感じでした。

Morten Frank Larsen さんは、やはり素晴らしい!
24日の Daniel Schmutzhard さんも良かったのですが、同じような演技をしていても全く違いました。
Schmutzhard さんは、(多分演出の意図どおりに)優柔不断なお坊ちゃまが Hanna の母性本能をくすぐって..という役作りでしたが、Larsen さんは貴族の気品があって、しかもやんちゃなまま大きくなった青年といった感じで、あれなら Hanna も惚れるでしょう。
オペレッタの主人公の典型を地で行っているようで、ヴィーンでも、もっとオペレッタに出て欲しいですね。

Martina Dorak さんも、さすがでしたね。
マイクは、第3幕の Grisetten の場だけで使われたように聞こえました。4階席でしたが、あの場面だけ異様に反響がありました。(他は直接声が届いていたように思われます)

私のごひいき Roman Martin さんは、St. Brioche では役不足でもったいない。
動きに切れがあって面白く、彼が出ている場面ではずっと目で追っていました。

ところで、Grisetten の場では、盛り上がっていた割りには会場の手拍子がほとんど無かったですね。(Weibermarsch の場では最初から出たのに)
従来の演出のように、Offenbach のカンカンがあると思われていたのでしょうか? どこで手拍子を入れれば良いのか、会場に戸惑いがあるように感じられました。
私は昨年10月にこの演出に初めて接した時からこの場に違和感を感じていましたが、昨日の公演で何となく理由が分かったような気がします。
つまり、例えば Hanna 登場の曲がまた出て来ると、お話はずっと進んでいるのに再び最初の方に戻るような感覚があって、気色悪いのです。
この場面のオリジナルでは全く短過ぎて、何かを持って来なければなりません。確かに Die lustige Witwe のメロディーだけを使うのは一つの見識でしょうが、これなら Offenbach のように全く異質の曲でも、一つのまとまった場面として構わないというか、より好ましいように思われます。

Posted by: Steppke | May 28, 2012 at 10:46 PM

Steppke様、こんにちは。

フォルクスオーパーのFacebookを見ると、27日の公演終了後、某所でカンパニーのメンバーで打ち上げをやったようで、楽しそうな写真が沢山掲載されていました。

Feriもラーセンさんを観たいのですが、客演ですから、引っ張り出すのは色々と大変なのだと思います。なお、新シーズンの9月26日には彼のダニロが現地で予定されています。来シーズン、「Die lustige Witwe」にラーセンさんが出演するのは、この一回だけのようです。

ところで、三幕ですが、演出にあたってバレエ単独の場面を増やすオーダーが先にあって、バレエに合わせて曲をアレンジしたのだと思います。

カンカンソリスト2名の踊り、とくに女性のダンサーは踊る時間が長いので、あのようなメドレーもやむを得ないのかな‥と思っています。おっしゃるとおり、オペレッタなので、他の作品から曲を持っているという選択もありますね。このあたりは演出家の考え方でしょう。

旧演出でもカンカンソリストはいましたが、あそこまで時間を使って踊る場面はなかったですからね。

それからブログ本文では書きませんでしたが、舞台演奏のスピーカーが字幕の前に置いてあったので、1階で聞いていると変なところから、音が聞こえてくる‥という場面がありました。

来日公演の場合、メンバーが少ないですから、生演奏は無理でもスピーカーの場所はもうちょっと考えて欲しかったなと思います。

Posted by: Feri | May 29, 2012 at 08:10 AM

>ところで、Grisetten の場では、盛り上がっていた割りには会場の手拍子がほとんど無かったですね。(Weibermarsch の場では最初から出たのに)

皆様方とは異なり、にわかオペレッタ・ファンの私ですが、ここの場面は、あまりに舞台が美しかったため、息をのむようにして舞台鑑賞に集中し、手拍子する気になれなかったという感じのお客が多かったのではないのか、というのが私の印象です。27日も25日に続き、また、観にいってしまいました。

Posted by: | May 29, 2012 at 06:07 PM

 Feriさん、初めまして、Milletと称しているものです。
 27年ぶりに、フォルクスオーパーのメリーウィドウを観させてもらいました。

 25日、26日と1列目、2列目で聴かせていただきましたが、正直言って、「これぞオペレッタ!その華をとくと御覧じろ!!」という感じの意気込みも華もなかったように感じました
 総てが小粒・・・そんな感じがしました
 でも、ヴィンセント・シルマッハーさんは素敵でした。他の方々と異なりオケの音とともに最後までしっかり発声されていました。
 その昔の、ペーター・ミニッヒさんやミルヤーナ・イーロッシュさん達の舞台を彷彿とさせてくれました。
 27日のダニロは良かったみたいですね。チケット、26日にはまだ余っていたみたいだったので、やや後悔しています・・・・・。
 それにしても、改めて、「宮廷歌人」との称号の重みを知った公演でした

 演出の違いなのか、演者の違いなのかよくわからないのですが、25日のハンナは、ダニロとの結婚の話に反対されたことに同情したくなるような品があったのですが、26日に観た時には、「さもありなん」と感じました。

 それから、かつての30年前、27年前の公演では、ヴィリアの歌や、女・女・女、唇は黙して、で、二度三度とアンコールがあったのですが、今回は、ありませんでしたね。今のデフォルトなんでしょうか?

Posted by: Millet | May 30, 2012 at 01:13 AM

Millet様

コメント、ありがとうございます。また、お楽しみいただけたようで、嬉しく思います。

現在の演出では、基本的にダニロの性格設定がハンナの母性本能をくすぐるような「ちょっと弱い男」になっています。好みが分かれるところですが、一つには、昔、ダニロに出演していたような歌手がいなくなったことも要因だと言われています(つまり歌手に合わせて演出を変えているという訳です)。

また、繰り返し(リフレイン)は、オペレッタを盛り上げる大きなポイントですが、現在では、全体的な上演時間の関係もあり、他の演目も含めて、非常に少なくなっています。ちょっと寂しいのですが、やむを得ませんね。

ぜひ、機会がありましたらウィーンへもお越しください。

Posted by: Feri | May 30, 2012 at 07:11 AM

↑ 二つ上のコメントは、私のものです。失礼しました。

>「かつての30年前、27年前の公演では、ヴィリアの歌や、女・女・女、唇は黙して、で、二度三度とアンコールがあったのですが、今回は、ありませんでしたね。」

30年前の公演、私も観ました。メラニー・ホリデイさんが、バランシェンヌ役でカンカンをやり、大喝采を浴びた時ですね。指揮は、たしかルドルフ・ビーブルという方で、節回しがこれぞウィーンといった、こぶしの効いた、粋な歌い回しでしたね。会場が沸きに沸き、アンコールが二度三度繰り返されました。

しかし、今回の演出は、これはこれで、また良かったと思っています。アンコールで全体の流れが中断されるということが無く、全編緊張感を保ちつつ、鑑賞することが出来ました。今回のメリー・ウィドウは、喜歌劇というより、なんかワーグナーのオペラを思わせるような深刻な要素もあったように思います。プログラム中の「マレッリ、『メリー・ウィドウ』新演出について語る」にも、「わたしがものすごく真面目に考えているとき、観客はわたしのその滑稽な部分に気づくのです」とあります。

Posted by: ウィーン大好き | May 30, 2012 at 09:02 PM

ウィーン大好き様

たびたびのコメント、ありがとうございます。ご存じかと思いますがルドルフ・ビーブルさんはオペレッタの名指揮者で、ほとんどの作品を暗譜で指揮できる希有な方です。

実際、フォルクスオーパーのオーケストラメンバーにうかがっても皆さん、異口同音に「一番、演奏しやすい」とおっしゃっています。

とにかく舞台に合わせてタイミングを調整するところが見事です。ご高齢ですが、まだまだご活躍していただきたい指揮者ですね。

メラニー・ホリデーさんも、一時期、フォルクスオーパーで大活躍していましたね。アメリカのご出身だったので、最初は苦労されたようですが、はつらつとした演技で人気を集めましたね。

今回の演出ですが、Feriもプルミエで観たとき、これは成功するな‥と感じましたが、日本のお客さまにも受け入れられたようで、嬉しく思っています。

Posted by: Feri | May 30, 2012 at 10:39 PM

 Feri様、ウィーン大好き様 色々教えていただきありがとうございました。

 27年前(1985)の公演はNHKホールで開催され、ヴァランシェンヌ役はメラニー・ホリデーさんで、カンカンの場では、踊りに踊りまくって、なおかつ歌うと言う荒業をやってのけ大喝采でしたね。
 30年前(1982)の公演は今回と同じく東京文化会館で開催され、ヴァランシェンヌ役は、ダグマール・コルラーさんだったかと覚えていますが、この方も舞台狭しと、大活躍で何度かアンコールにこたえてくださったこと、覚えています。

 そんな舞台だったこともあり、82年も85年も拍手・拍手と気が付くと手が痛くなるほど拍手をしたことを覚えています。

 このメリーウィドウを始め、数あるオペラ、オペレッタでは、聴かせどころのアリアの後は、アンコールができるように、作曲者もアンコールを織り込んで、静かな情景転換がつけてあるものだと、聞いたことがあります。

 また、アンコールが何度あっても、また芝居の世界にたちどころに引き戻してくれる、それがファオルクスオーパーの真骨頂!    だった・・・・・・。まぁ、記憶は美化されるものですから・・・・・・。

 ところで、今はもう、「宮廷歌人」と称される演者の方はいないのでしょうか?

 それから、かの地では復興支援のためにコンサートを開催してくださっていたのですね。存じませんでした。

 世界中で支えてくれていること、報道しない報道機関。いったいどこの国の報道機関なのでしょうか?
 終演後、オケの方々とお話しする機会を持ったのですが、お礼を言うことも無く終わったこと、後悔しています。
 貴重なお話、ありがとうございました。

Posted by: Millet | June 03, 2012 at 02:04 AM

Millet様、コメント、ありがとうございます。

宮廷歌手(KS)の制度は今でも健在です。今回、来日したメンバーでもクルト・シュライブマイヤーさん、よー是ル・ルフテンシュタイナーさんなどがKSの称号を持っていますね。

Posted by: Feri | June 03, 2012 at 08:01 AM

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