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May 25, 2012

2012フォルクスオーパー来日公演「メリーウィドウ」

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フォルクスオーパーのFacebookを見ると、JapanTourの様子が紹介されているのですが、21日の金環食の写真も出ていました。多くのメンバーが見ることができたのでしょう。良かったですね happy01

さて、今日は昨日、日本で1回目の公演が行われた「メリーウィドウ」(DIE LUSTIGE WITWE)の模様をお伝えしましょう。
指揮は予定どおり、エンリコ・ドヴィコ(Enrico Dovico)さんで、主なキャストは以下の通りです。

ミルコ・ツェータ男爵:クルト・シュライプマイヤー(Kurt Schreibmayer)さん
ヴァランシェンヌ:ユリア・コッチー(Julia Koci)さん
ハンナ・グラヴァリ:アンネッテ・ダッシュ(Annette Dasch)さん
ダニロ・ダニロヴィッチ:ダニエル・シュムッツハルト(Daniel Schmutzhard)さん
カミーユ・ド・ロション:メルツァード・モンタゼーリ(Mehrzad Montazeri)さん
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク(Michael Havlicek)さん
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:カール=ミヒャエル・エブナー(Karl-Michael Ebner)さん
ボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー(Joachim Moser)さん
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ(Lidia Peski)さん
クロモウ:マルティン・ヴィンクラー(Martin Winkler)さん
オルガ:ベアーテ・リッター(Beate Ritter)さん
プリチッチ:フランツ・ズーラーダ(Franz Suhrada)さん
プラスコヴィア:アレクサンドラ・クルーゼ(Alexandra Kloose)さん
ニェーグシュ:ロベルト・マイヤー(Robert Meyer)さん

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しかし、「こうもり」のオルロフスキー侯爵で熱演したアレクサンドラ・クルーゼさんが脇役で出るところが、引っ越し公演らしいところです。

演出・舞台装置は現地、ウィーンバージョンと同じでした。今回、現地での最終公演が2011年12月30日でしたから、その後、舞台装置を日本へ持ってきた可能性があります。演出については、Feriもはっきりと覚えていないのですが、ニェーグシュのお芝居が若干変わっていたかもしれません。

また、オペレッタの来日公演で取り入れられることが多い日本語の台詞もまったくありませんでした。これは一つの見識として評価したいと思います。

さて、昨日の演奏ですが、正直、堅さが目立ちました。ウィーンらしい柔らかさが感じられず、ちょっと残念でしたね。指揮者のエンリコ・ドヴィコさんはオペラには向いているようですが、オペレッタについては向いていないのかもしれません。また、前半では演奏と歌が合っていない場面がいくつかありました。昨日、ゲネプロを行っているので、その段階で判明したと思うのですが、きっちり修正できていない点が惜しまれます。現地でもシーズンはじめには、こういったことが希にあるのですが、劇場が違うだけに修正しきれなかったのかもしれません。

ダニロのシュムッツハルトさんは、2010/11シーズンのプルミエに起用された歌手です。プルミエの際には、ダニロの性格付けが変わったことで話題を集めました(これは歌手の責任ではなく、演出家のマルコ・アルトゥーロ・マレッリさんが、新しいイメージのダニロ像を創り上げた訳です)。

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プルミエの際には、確かに新しいイメージ(ちょっと母性本能をくすぐるタイプ)を見事に表現していました。反面、従来のダニロ像を期待していたファンはガッカリ‥というところですね。今回はプルミエの時ほどではありませんが、やはり母性本能をくすぐるような性格付けでした。なお、プルミエからやっているだけあって、役のこなし方は見事です。歌も安定していました。

ツェータ男爵は、Feriが大好きなシュライブマイヤーさん。シュライブマイヤーさんは、かつては粋なダニロを務めた名歌手です。余談ですが、Feriはちょうど世代交代の時期に当たりました(2004年6月27日の旧演出スペシャルバージョンへの出演が最後)。今はツェータ男爵が起用されていますが、当然、良い味を出しています。が、昨日は1幕の出だしの歌が今ひとつ。その後、お芝居で徐々に調子を上げてきて、2幕後半から3幕にかけては安定してきたので安心しました。

ヴァランシェンヌはコッチーさん。Feriは2011年9月の公演で観ています。身が軽いので三幕のカンカンは見事でした。ただ、華が弱いため、女性陣の中に埋没してしまう傾向があります。このあたり、難しいですよね。なお、三幕で歌いながらカンカンを踊る場面では息が上がってしまうためか、ワイヤレスマイクを使用していました。

ハンナのダッシュさんは、これが終わると「マダム・ポンパドール」のプルミエ(しかもタイトル・ロール)が待っているというお忙しい方。しかも、ハンナは日本公演が初出演です。失礼ながら、日本公演での評価より、ウィーンでの「マダム・ポンパドール」の方が気になっていると思います。

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そのためか、役が完全に自分のものになっていない感じがしました。一幕の「ハンナ登場の歌」、二幕の「ヴァリアの歌」ともに今ひとつの仕上がりでした。「ローエングリン」のエルザを担当するくらいなので、本来はしっかりと声が出る歌手だとは思うのですが、恐らく準備不足が原因ではないかと思います。「マダム・ポンパドール」でのリベンジを期待しましょう。

カミーユ・ド・ロションのモンタゼーリさんは、最近、この役に出ることが多いこともあり、安定した歌と演技でした。

昨日も実質的な主役はニェーグシュのマイヤーさん。例によって見事なお芝居を披露してくれました。もちろん現地で大評判の「カーテンコールでの指揮者」も務めていました。細かいお芝居も含めて、かなり気合いが入っていることが伝わってきましたね。

このほか、脇役陣が良い味を出していたので、全体的には楽しい舞台に仕上がっていたのですが、演奏と歌が合っていなかったことが、最後まで気になりました。今日は厳しめのコメントになりましたが、Feriが好きな「メリーウィドウ」だけに、より完璧な状態で日本の皆さまに楽しんでいただきたいという思いでまとめした。残る公演での修正を多いに期待しましょう。

ところでカーテンコールでマイヤーさんの指揮による「女、女、女のマーチ」では、日本の場合、手拍子が好きなので、もっと盛り上がるかと思いましたが、意外に盛り上がりませんでした。

なお、昨日はNHKの録画が行われていました。通常では行われない指揮者後ろの最前列にも小型カメラを設置するなど、合計6台のカメラを使ったORF真っ青な見事な体制。当然、ハイビジョン撮影です。メルビッシュの協力から降りてしまってから、オペレッタ放送がなくなっていますので、芸術劇場でのダイジェスト版ではなく、プレミアムシアターでのフルバージョン放送を期待したいものです。ただ、当日の出来が今ひとつだったのが、返す返すも残念です。

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オペレッタ |

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Comments

昨晩のメリー・ウィドウ、観にいきました。凄かった!!! 恍惚の舞台とは、あのようなものを言うのでしょう。
あらかじめ、こちらのブログも読んで行きました。「手拍子が少ない」とか書いてられたので、(事実、第1幕の女・女・女はそうでした)、幕間に周囲の人に「マーチでは手拍子があってもいいんじゃない?」とか声をかけておいたら、2幕目では、結構、協力してくれました。
最後のアンコールは、大変な盛り上がりでした。

Posted by: ウィーン大好き | May 26, 2012 at 09:05 AM

ウィーン大好き様

お楽しみいただいたようで、だいれくたーのマイヤー氏に成り代わり御礼申し上げます heart04

初日は、全般的に調子が出ないケースが多いので、2公演目は戻してきていると思います。

現在の演出では、1幕の最後と2幕の最初に「女、女、女のマーチ」(2幕は「男、男、男」になりますが)が入り、曲が事実上、分断されますから、ここは手拍子はしないのがお約束かと‥

本来、オペレッタの手拍子はリフレイン(繰り返し)の時に行うのがベストだと思います。

Posted by: Feri | May 26, 2012 at 10:27 AM

2幕最初の「男、男、男のマーチ」でも、手拍子はありませんでした。というか、あのあたりでは、する気になりませんね。
もっと後ろの方、バレエ団が加わったあたりで演奏された「女・女・女のマーチ」あたりから、手拍子が始まりました。
これは、ルール違反なのでしょうか?
でも、そのあたりから、手拍子に慣れていかないと、カーテン・コールの際のアンコールで、いきなりやれと言われても、無理な気がしますが。

Posted by: ウィーン大好き | May 26, 2012 at 04:13 PM

ウィーン大好き様

説明不足で申し訳ありませんでした。前の演出では、1幕後に休憩が入っており、「女、女、女のマーチ」は2幕中盤でした。

で、1回目が終わった後、2回目(繰り返し)を行うのが「お約束」になっており、お客さまもそれがわかっているため、2回目で手拍子が入りました。調子に乗っていると3回目もあり、そうなると大変な盛り上がりで‥

なお、カーテンコールの場合は、本編ではないので、最初から手拍子をするケースが多いですね。ちょうど、ニューイヤーコンサートの「ラデツキーマーチ」のノリです。

余談ですが、手拍子は日本のお客さまの方が得意ですね。

Posted by: Feri | May 26, 2012 at 09:24 PM

Feriさま、みなみなさま
私は今日のマチネーを4階L席から観ましたが略満席だったのには吃驚でした。ツェータ役のKurt Schreibmayerさんは去年4月のDie CsárdásfürstinではFeri Basci役がはまっていましたが今日も大変味のある演技でしたね。
舞台装置、演出ともに2008年Wienで観たのとずいぶん変わっていてモダンで、Mayerさんの好みが反映したのでしょうね。女、女、女では結構お客の手拍子も入ってました。今日もNHKが録画していて、7月30日のプレミアムシアターで全編放送、他に7月8日のラララクラシック?で移動公演裏話も放送してくれるようで今から楽しみです。後期高齢者入りして2年目、今年はWienに行けそうにありませんが、ユーロ安もあり、来年あたり再挑戦したくなってきました。

Posted by: Njegus | May 26, 2012 at 10:34 PM

Njegus様、コメントありがとうございます。また、お元気そうで安心しました。

現在の演出は舞台装置も含めて、モダンな感じで私は最近の新演出では気にいっています。

また、放送予定の情報、ありがとうございます。24日はあまり出来が良くなかったので、yNjegus様がご覧になった公演が放送されるような気がします。なお、26日は、24日と同じキャストなので、混ぜても大丈夫でしょう。

ぜひ、ウィーンにもお越しください。お待ちしております。

Posted by: Feri | May 27, 2012 at 09:43 AM

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