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May 10, 2012

フォルクスオーパー来日公演 直前鑑賞情報(その3)

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○メリーウィドウ
こちらは2010/11シーズンから始まった新演出バージョンで、当然、日本初お目見えです。前回、フォルクスオーパーの「メリーウィドウ」が日本で上演されたのは1999年。ロベルト・ヘルツルさんの演出によるものでしたね。

その後、現地では、2005年6月に新演出になったのですが、これが大不評。結局、シーズンごとに「こっそり」手直しをしながら上演をしてた結果、新演出の面影はなくなってしまいました(ファンにとっては結構なことですが)。

そして、演出家との関係もあったのか、2011年6月に再改訂。今回、来るのはこのバージョンです。当然、舞台装置も含めて全く演出が変わっていますから、1999年当時にご覧になったファンの皆さまは、ビックリすると思います。というのは、かなりモダンな舞台(きれいな舞台ではありますが‥)になっている上に、一部の役は性格付け(とくにダニロ)も変わっているからです。

ただ、2011/12シーズンからダニロの出演者が変わったこともあり、性格付けが昔に戻った感じもしています(公式な発表はありません)。とくに今回の来日公演では、旧演出でもダニロとして活躍したモルテン・フランク・ラーセンさんが出演予定なので、昔の雰囲気に近いダニロを観ることができるかもしれません(5月27日の1回だけですが)。

地元マスコミは、定番の改訂には厳しいコメントを寄せるケースが圧倒的に多いのですが、現在の「メリーウィドウ」は比較的好意的に受けとめられています。

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指揮は現在、フォルクスオーパー首席客演指揮者のエンリコ・ドヴィコさん。Feriはフォルクスオーパーで「ツゥーランドット」を振っているところを観ています。最近では「不思議な劇場/道化師」のプルミエも担当していると思います。なかなかの実力者ですね。

さて、キャストですが、ハンナはアンネッテ・ダッシュさんとアレクサンドラ・ラインプレヒトさん。こちらは2010/11シーズンのプルミエでデビューしたアレクサンドラ・ラインプレヒトさんを推薦します。彼女は2シーズン、担当したことで役が自分のものになってきましたから、多いに期待できます。

ヴァランシェンヌはユリア・コッチーさんとマルティナ・ドラークさん。ヴァランシェンヌは歌って踊れることが必須条件なので、結構大変な役です。個人的には2011年12月に観たマルティナ・ドラークさんに期待。コッチーさん、ごめんなさい。ドラークさんは、旧演出でもヴァランシェンヌとして活躍していましたからね。

ダニロはダニエル・シュムッツハルトさん、マルコ・ディ・サピアさん、モルテン・フランク・ラーセンさんの3名。Feriは新演出になってからモルテン・フランク・ラーセンさんのダニロは観たことがありませんので、楽しみにしています。現在のキャスティングでは、最もダニロのイメージに近いと思います。

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また、ダニエル・シュムッツハルトさんは2010/11シーズンのプルミエに起用された方、マルコ・ディ・サピアさんは2011/12シーズンに起用された方で、Feriはお二人とも観ています。三人それぞれ個性がありますから、見比べてみると面白いですよ。1公演だけご覧になる場合は、モルテン・フランク・ラーセンさんで決まり。

ツェータ男爵はクルト・シュライブマイヤーさんとアンドレアス・ダウムさん。Feriとしては、個人的に好きなシュライブマイヤーさんに軍配を上げたいと思います。ダウムさんごめんなさい。

カミーユ・ド・ロションはメルツァード・モンタゼーリさんとヴィンセント・シルマッハーさん。ご存じのようにモンタゼーリさんは中東系、シルマッハーさんは東洋系。いずれもヴァランシェンヌをくどくフランス人‥というイメージではありません。ただ、お二人とも歌唱力は抜群なので、その点では心配ありませんが‥キャスティングは難しいですよね。ただ、Feri個人としてはモンタゼーリさんの方がお気に入りです。

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ところで、現在の演出は、ダイレクターのロベルト・マイヤーさん扮するニグシュなくしては語れまい展開になってしまっています(これは本当です)。

とくに前半最後の「女、女、女のマーチ」(休憩後に「男、男、男のマーチ」もありますが‥)とフィナーレは、日本では間違いなく大受けすることでしょう(つまり日本のお客さまが喜びそうな演出なのです)。

手拍子大好きな日本のお客さま向きの演出と言っておきましょう。オペレッタ初心者の方は、「メリーウィドウ」の方が舞台もきれいですし、楽しい展開なのでお勧めですね。とにかくロベルト・マイヤーさんのニグシュを観るだけでも、十分に価値があります。なお、カーテンコールの際には、オーケストラピットの指揮者にご注目ください。サプライズの演出が用意されています。

という訳で、「メリーウィドウ」ですが「何日の公演がお勧めか?」ということになると、ラインプレヒトさんとラーセンさんの組み合わせが実現する5月27日がベストでしょう。ただ、この日はツェータ男爵がシュライブマイヤーさんではありません。また、ロションもモンタリーゼさんではありません。この点が残念。しかし、トーマス・ジグヴァルドさんが端役のラウル・ド・サン・ブリオシュで出演しますので、やはり27日が良さそうですね。

なお、今回、上演される「メリーウィドウ」の見どころについては、当ブログの2011年5月の22日プルミエレポートをご覧ください。ネタバレですが、楽しく鑑賞できるポイントがご理解いただけると思います。

○最後に‥
フォルクスオーパーは舞台が狭いので、東京文化会館で上演する場合、舞台装置も同じデザインのものが使えると思います(ただ、現地の指示により日本で制作していると思いますが‥)。

招へい元の変更などもあり、1999年から9年間も来日がありませんでした。今回は4年ぶりとスパンが短くなりましたが、今回の来日公演の評価(評価と言っても、引っ越し公演ですから、芸術性云々よりも有償観客の動員数)が、次以降の来日公演実現を左右すると思います。

最近は、景気の低迷、デフレの影響もあって高額な引っ越し公演のチケットが売れなくなっているという話を聞きます。実際、日本では年収300万円以下の人を対象にした商売をしている会社が繁盛しているという話もあります。

今回のフォルクスオーパーの来日公演ですが、正直、チケットは高いですよね(最近は現地の価格がバレバレなので、余計に高いと感じる方も多いようです)。国立歌劇場に比べると割高感がある上に、秋に国立歌劇場が来日するので、両方はちょっと‥という方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、NBSさんも面子があるので、会場は満席にすると思いますが、フルフェアでチケットを購入しているお客さまが、どの程度いらっしゃるのか‥これが気になります。

ただ、3.11以降、最初に予定どおりの来日公演実施を表明したのはフォルクスオーパーです。彼らの心意気に答えるためにも、ぜひ、応援したいと思っています。


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Comments

Feri さん、
レポート3回分、楽しく読ませていただきました。
震災の後、すぐに
スタッフ含めて全員が、震災サポートのチャリティ・コンサートをしたのも
フォルクス・オパーが最初でした。

その意味で、日本公演、素晴らしいものになると思います。
皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。
(って、私、別に回し者じゃないけど(笑))

フランク・ラーセンのダニロは、ウィーンでもなかなか聴けないので
良いなぁ・・・・という思いで一杯。
もう、あの、ちょい悪中年のカッコよさって、ハートに直撃ですっ!!!

はっぱ

Posted by: はっぱ | May 10, 2012 at 07:32 PM

はっぱさん、こんにちは。

大変残念なことなのですが、日本ではフォルクスオーパーが3.11復興支援コンサートを行ったことを知っている人は非常に少ないのです。

というのはマスコミがほとんど取り上げてくれませんでした。オーストリアが震災後に行ってくれた様々な支援活動は取り上げられてはいるものの、ほとんどがウィーンフィルなどで‥

本当は招へい元さんが、東京文化会館のロビーで紹介すればいいのですが(まだ、始まっていないので何とも言えませんが‥)。

Posted by: Feri | May 11, 2012 at 08:21 AM

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