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June 12, 2012

怒濤の千秋楽 国立歌劇場「ロベルト・デビュリュー」

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6月10日、国立歌劇場でグルベローヴァさん出演の「ロベルト・デビュリュー」が千秋楽を迎えました。

エリザベッタ役が見つからないためか、もしかするとプロダクション自体、しばらく上演されない可能性もあります。

グルベローヴァファンのFeriとしては、必見の公演。というわけで、また国立歌劇場へ馳せ参じました。

指揮はEvelino Pidòさん。主な出演者は、6月5日と同じです。

エリザベッタ:Edita Gruberovaさん
ノッティンガム公爵:Eijiro Kaiさん
サーラ:Nadia Krastevaさん
エセックス伯ロベルト・デビュリュー:José Brosさん
シルク卿:Peter Jelositsさん
グヮルティエーロ・ラレイグ卿:Marcus Pelzさん

5日は若干、残念なところもあったのですが、今日はグルベローヴァさんの仕上がりも最高。恐らく、4公演の中では、ご本人も満足することができる仕上がりだったのではないかと思います。

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お歳の関係もあるので、無理(冒険)はせず、現時点で最高の歌唱技術と音域の広さを披露してくれました。さすがです。三幕のエンディングも、今日は鬼気迫るものが伝わってきました(いつもながら、感情移入がお見事)。

また、ノッティンガム公爵として登場した甲斐 栄次郎さんの歌と演技が素晴らしかったですね。バリトンは存在感が薄いケースが多いですが、今日は抜群の存在感を示していました。堂々たる歌いぶりに、お客さまからも盛大な拍手が送られていたのが印象的でした。

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一幕、ノッティンガム公爵がロベルトに“サーラが最近ふさぎ込んでいる。どうしたものか”と相談する場面。アリア「今日も静かな日だったが‥」は良かったですね。また、José Brosさんとの掛け合いも素晴らしい。やはり苦悩している演技に関しては、甲斐さんはお上手です。

さらに二幕は圧巻。親友ロベルトの死刑を減刑してもらうためノッティンガム公爵がエリザベッタに嘆願する場面。グルベローヴァさん相手に、見事な歌いぶりと、迫真の演技でした。

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妻のスカーフがエリザベッタから示されたことで、サーラの浮気相手がロベルトだったことに気づく場面。苦悩する表情がお見事‥

三幕前半はノッティンガム公爵の甲斐さんが、サーラに届けられたロベルトの手紙から、二人の関係を見破り激怒するが圧巻。単に感情の赴くままに荒れ狂うのではなく、二人への深い思い、そして自分への裏切りに対する悔しさなどが混じり合った複雑な感情を見事に表現していました。

ご自分なりに役を深く理解して、甲斐 栄次郎版のノッティンガム公爵を創り上げていたことがわかります。さすがにウィーンで10年、オペラでご活躍だけあって、歌唱力に加えて、日本人には希な素晴らしい表現力をお持ちになっているように感じました。

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三幕のエンディング。エリザベッタのところへ駆けつけるリーサとノッティンガム公爵。が、すでにロベルトの処刑は終わっており、手遅れ。泣き崩れるリーサ。やさしくリーサに手を差し伸べるノッティンガム公爵。そしてロベルトを想い抱き合う二人。

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ここはグルベローヴァさん扮するエリザベッタに目が奪われがちですが(実際、昔はFeriもそうでした‥)、実はこの二人の演技もなかなか素晴らしいものがりました。

今回、はじめてノッティンガム公爵をじっくりと観たので、演目における役と芝居の重要性を改めて実感することができました。

今日はフィナーレのグルベローヴァさんの絶叫も見事。素晴らしいエンディングとなりました。千秋楽にふさわしい、見事な舞台でしたね。

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その後は、恒例「怒濤のカーテンコール」。今回は千秋楽ということもあり、グルベローヴァさんだけでなく、共演者全員を引き連れてのカーテンコールが10回近く続いたと思います。

その中で、甲斐さんにも多くのお客さまから盛大な拍手と声援が送られたのは、同じ日本人として嬉しく思いました(となりのグルベローヴァ・ファンクラブの粋なおじさまは、甲斐さんにもブラヴァを発していました。粋なおじさま、ダンケ)。

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ところで、カーテンコールの甲斐さんですが、妙に軽くなく、堂々とした立ち姿に好印象をもちました。残念なのは、甲斐さんの活躍が日本ではあまり報じられないことです。皆さまも、機会があったら、ぜひ、甲斐さんが出演される演目をご覧になってみてください。お勧めです。

なお、10日はグルベローヴァさんの新刊本公式サイン会(著者と一緒)がARCADIAで行われました。そのため、ARCADIAの前には凄い列が‥「怒濤のカーテンコール」の関係でサイン会が始まったのが22時。そして、23時20分を回っても続いていました(さすがのFeriも最後まで見届けることはできませんでした‥)。

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さて、グルベローヴァさんの国立歌劇場オペラ出演は、今年の来日公演を除くと、非公式な情報では2014年5月の「ノルマ」までありません。

また、現時点では2015年1月のアン・ディア・ウィーン劇場のベルリーニ「La Straniera」(異国の女)が最終公演になっています。

ただ、完璧主義者と言われるグルベローヴァさんのことですから、もし、途中で自分自身が満足できなければ、降板ということも十分に考えられます。それだけに「観ることができる時に観る」は鉄則だと思います。

そういう意味では、Feriは幸せ者だと思います。

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