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June 07, 2012

甲斐さんが大活躍「ロベルト・デビュリュー」

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今日、6月7日は、恒例のシェーンブルン宮殿で行われるウィーンフィルのコンサートです。ただ、このところ、天候が安定しないウィーン。朝、晴れていても、午後から雨ということも多々あります。さて、今日のお天気はどうでしょうか。

さて、最近はオペラへの出演が減少傾向にあるエディタ・グルベローヴァさんですが、2011/12シーズン、国立歌劇場で久しぶりに上演される「ロベルト・デビュリュー」に出演しました。

役はもちろん、エリザベッタ(まさか、本物のエリザベス女王戴冠60周年に合わせた訳ではないでしょうが)。この公演、私たち日本人にとって嬉しいことが一つ。準主役のノッティンガム公爵に甲斐 栄次郎さん起用されていることです。役柄とは言え、ツェッテルではグルベローヴァさんと同じページに紹介されています。

今回は、5月に2回、6月に2回の計4回上演です。

指揮はEvelino Pidòさん。主なキャスト(といっても、後は合唱団)は、以下の通りです。
エリザベッタ:Edita Gruberovaさん
ノッティンガム公爵:Eijiro Kaiさん
サラ:Nadia Krastevaさん
エセックス伯ロベルト・デビュリュー:José Brosさん
シルク卿:Peter Jelositsさん
グヮルティエーロ・ラレイグ卿:Marcus Pelzさん

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前回の「ロベルト・デビュリュー」は2006年9月ですから、5シーズンぶりになりますね。当面、エリザベッタができそうな歌手がいないので、もしかすると演目自体が、なくなるかもしれません。

演出や舞台装置は基本的に2006年のものと同じですが、評判が悪かったオープニングの蝋人形のような像が姿を消していました。また、若干、演出に手を加えているような印象を持ちました。

ただ、エンディングに登場する巨大な「騎士の亡霊」は健在。ちなみに実質4階建てという巨大な舞台装置(実際に人が横断できます)のために、来日公演では演奏会形式になってしまいました。

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さて、タイトルロールのロベルト・デビュリューのJosé Brosさん。いつもながら安定した歌いぶりで、コンビが長いグルベローヴァさんとの息もピッタリあっていましたね。

今回、Feriが注目していたのは、何と言っても甲斐 栄次郎さん。Feriが観たのは3回目の公演だったので、お芝居などもだいぶこなれてきました。

年配のメイクをしていることもあり、一見すると日本人には見えません。しかも堂々たる歌いぶり。元々、苦悩する役柄が上手な方ですが、今回も妻のサラが友人のロベルトと浮気をしていることを知り、苦悩する役を見事に演じきっていました。

サラのNadia Krastevaさんは、エリザベッタ以外で出てくる唯一の女性ソロ。声も特徴的で、歌はなかなかでしたが、お芝居の部分で、もっと感情の起伏を前面に出してもらえると、もっと素晴らしかったような気がします。

さて、皆さまお目当てのグルベローヴァさん。初日をライブビューイングで観たという友人の話では、だいぶ調子を上げてきているということでしたが、全体的に抑え気味のような気がしました。

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とくにフィナーレのアリアは、以前は突き抜けるような高音で、自分の決断に苦悩するエリザベッタの感情を見事に表現していたのですが‥今回は、突き抜けるまでにはいきませんでした。

これが指揮者の指示によるものなのか、年齢を考えた本人の意思によるものなのかは、部外者の私には知るよしもありませんが、2006年当時に比べると、明らかに平凡な仕上がりになっていたように思います。とくに以前は、憎らしい女王の感情をむき出しにしている部分に鬼気迫るものがあったのですが‥ 

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ただ、「平凡」と行っても、普通の歌手に比べたら明らかに素晴らしい仕上がりであったのは言うまでもありません。

実際、カーテンコールでは「ブラヴァの嵐」プラス「床鳴らし」でした。もしかすると、オペラは、そろそろ本当に卒業かもしれません。何しろ完全主義の歌手ですから、仕上がりはご自分が一番良く知っていると思います。

また、演奏も今ひとつ、迫力に欠けていたような印象を持ちました。その昔、やはりウィーンで観たビオッティさんの指揮は素晴らしかったですね。

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さて、例によって楽屋口で出待ちをしたのですが、嬉しかったのは甲斐さんに多くの地元ファン(日本人から見ると外国人のファンですね)がサインを求めていたことです。同じ日本人として、素晴らしい歌と演技で観客を魅了できる‥これは本当に誇らしいことです。ちょっと感動してしまいました。

日本では、こういった活躍があまり紹介されないのも残念ですが、こちらの新聞評でも、今回、甲斐さんは良い評価を獲得しています。

10日が最終公演。さて、恐らく最後になるであろうグルベローヴァさんのエリザベッタ、どんな仕上がりになるか、今から楽しみです。

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Comments

 懐かしいロベルト・デヴリュー。前回の公演からもう5シーズンも経つのですね。素晴らしかったヴィオッティの指揮からだと10シーズン?ですか。2015年を持ってグルベローヴァーさんは引退すると表明された様です。前回の公演はもう観劇に行く前からウキウキ、ドキドキしていました。前回もブラヴァーの嵐は同じでしたしカーテンコールもずいぶん長かったです。私も夢中で拍手している一人でした。国立歌劇場の舞台演出が一番安心して見ていられますね。ヴィオッティが亡くなり、今度グルベローヴァーさんが引退したら楽しみがずいぶん減ります。時の流れにだけは逆らえないのですね。寂しくあります。

Posted by: ハンドルネーム:ウィーン | June 07, 2012 22:04

ハンドルネーム:ウィーン様

私がウィーンで最初に観たグルベローヴァさんの演目が「ロベルト・デビュリュー」でした。指揮はヴィオッティさん。正に滝に打たれたようなインパクトを受け、一発でグルベローヴァさんのファンになってしまいました。

ヴィオッティさんの場合、グルベローヴァさんの力を、ある意味、極限で引き出せる実力をお持ちでしたね(信頼関係も含めて)。

その後もお歳を重ねているものの、見事な自己管理と研鑽によって、素晴らしい舞台を実現してくれています。

また、ファンを大切にされることも人気の秘訣かもしれません。

最近は「ウィーン最後」という公演が続いているのが残念ではありますが‥今後のご活躍を期待しましょう。

Posted by: Feri | June 07, 2012 23:46

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