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June 05, 2012

フォルクスオーパー「ローマで起こった奇妙な出来事」

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今日はフォルクスオーパーの「ミュージカルの話題」をお届けしましょう。日本公演も終わり、ウィーンでもフルメンバーによる上演が再開されました。

フォルクスオーパーで上演されるミュージカルは、いわゆる「古典」が中心です。また、フォルクスオーパーの場合は、基本的にドイツ語上演。そのため、逆に字幕はありません。要するにオーストリアの皆さんに、ドイツ語で気軽にミュージカルを楽しんでもらう‥というコンセプトです。

さて、2011/12シーズン、プルミエを迎えたミュージカル作品に「ローマで起こった奇妙な出来事」という作品があります。ドイツ語の題名は「Die spinnen, die Römer!」ですが、ブロードウェイミュージカルの原題は「A Funny Thing Happened on the Way to the Forum」です。

ミュージカルファンの方ならばご存じの方も多いと思いますが、スティーヴン・ソンドハイム(Stephen Sondheim)さんが作詞・作曲を手がけた作品です。ソンドハイムさんは、何と言っても「ウェスト・サイド物語」の作詞を手がけたことで知られていますね。

この作品、日本では上演される機会がほとんどないようですが、ブロードウェイでは上演当初、ロングランを記録するなど、有名な作品です。

お話は紀元前200年、ローマ。自由の身を求めるずる賢い奴隷のプロロガスは、ある日、若主人のヒーローが隣の窓から顔をのぞかせる娼婦のフィリアに一目ぼれしたことを知り、2人の仲が上手くいけば、自由の身になれるという約束を取り付ける事に成功します。念願の自由を手に入れるため奮闘するプロロガスですが‥てんやわんやの大騒動に‥

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で、フォルクスオーパー版、最大の特徴は、事実上の主役である奴隷のプロロガスをロベルト・マイヤーさんが演じていたことです。当たり前ですが、マイヤーさんが主役を務めれば、プルミエの成功は間違えなし。事実、新聞評でも高い評価を得ています。

Feriは、マイヤーさんが出演している時、この作品を見たかったのですが、残念ながら機会に恵まれず、6月まで先延ばしになってしまいました。

過去形にしている理由は、シーズン後半からは、キャストが代わってしまったのです。しかも、単なるキャスティングの変更ではなく、プロロガスが男性から女性に交代。これは非常に珍しいことだと思います。

さて、Feriが観た日ですが、指揮は指揮はLorenz C. Aichnerさん。主な出演者は次の通りです。

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プロセドラス(Pseudolus, Sklave des Hero):Sigrid Hauserさん
セネクス(Senex, Bürger von Rom):Herbert Steinböckさん
ドミナ(Domina, Frau des Senex):Dagmar Hellbergさん
ヒーロー(Hero, deren Sohn):Paul Schweinesterさん
フィリア(Philia, eine Jungfrau):Bettina Mönchさん
ヒステリアム(Hysterium, Sklave von Senex und Domina):Boris Pfeiferさん
ライカス(Lycus, ein Kurtisanenhändler):Wolfgang Gratschmaierさん
マイルス・グロリオーザス(Miles Gloriosus, ein Krieger):Florian Spiessさん
エロニアス(Erronius, Bürger von Rom):Gernot Krannerさん
双子の娼婦:Wilbirg Helmlさん
双子の娼婦:Eva Prennerさん
娼婦:Jennifer Kossinaさん
娼婦:Caroline Ciglenecさん
娼婦:Lynsey Thurgarさん
娼婦:Miriam Mayrさん
ローマ兵:Oliver Lieblさん
ローマ兵:Tom Schimonさん
ローマ兵: Veró Wagnerさん

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開演前、オーケストラピットがアップした状態でびっくり仰天。序曲の演奏後半、プロセドラスが口上を述べる場面で、オーケストラピットはジャッキダウンして、通常の状態に戻りました。公演中にオーケストラピットを上下させるのは、フォルクスオーパーの場合、比較的良くやります。今日はミュージカルなので、ドラムセットが入るなど、通常とは楽器の配置も異なっています。また、歌手も全員がワイヤレスマイクを使用していました。

さて、演出ですが、とにかくテンポが速いのにビックリ。また、歌手の台詞が、マシンガントーク状態。まぁ、賑やかで楽しい舞台に仕上がっていました。

Feriはオリジナルを観たことが無いので、何とも言えませんが、地元の皆さんも腹を抱えて笑っていました。1幕は1時間30分と長め。2幕では全く歌わない(お芝居だけ)場面がありましたが、ドタバタ喜劇の様相で、「吉本新喜劇」の舞台を観ているような雰囲気でしたね。ただ、ドタバタをやっているようですが、緻密に計算し尽くされているのは言うまでもありません。

また、舞台装置は、今までのフォルクスオーパーのミュージカルに比べるとチープな感じ(マンガ的な雰囲気)なのですが、お芝居の中身から考えると、これで良いのかもしれません。

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さて、最大の関心はプロセドラスの仕上がり。Sigrid Hauserさんは、失礼ながら完全な「おばさんキャラ」なのですが、女性版マイヤーといった趣で、キャラが立っています。

ある意味、個性的で非常に印象に残る方です。今回、あえてプロセドラスを男性から(マイヤーさんが女形をやっていたのかもしれませんが)から、女性に変えたことで、Sigrid Hauserさんも自分のカラーを出しやすかったと思います。何しろ性別が違うのですから‥

逆に男性の場合は、お客さまもマイヤーさんのイメージを引きずってしまうので、どうしてもやりにくいでしょう。そのように考えると、今回のキャスティングは成功と言えるでしょう。考えましたね。マイヤーさん。しかし、プログラムの表紙にしっかりマイヤーさんが出ているなかで、プロセドラスを演じるSigrid Hauserさん。プレッシャーがあったでしょうね。何しろマイヤーさんは、別格ですから‥

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このほか、また、各役の性格付けがしっかりしているため、キャラが埋もれるということはありませんでした(言葉がわからくても、わかりやすいお芝居です)。また、ミュージカルにしては、比較的出演者が少ないようです。

主役がマイヤーさんから交代したので、どうかな‥と思ったのですが、Sigrid Hauserさんの体を張った演技で見事な仕上がりでした。カーテンコールでは手拍子も出るなど、多いに盛り上がりましたね。

気分が落ち込んでいる時には、ハイテンションにさせてくれる楽しいミュージカルです。ぜひ、機会があったら皆さまもどうぞ。楽しい一時を過ごすことができますよ。

余談ですが、Feriが観た日は、マチネでファミリー(子供さんを含む)を対象とした公演でした。良いところのお坊ちゃんと娼婦の恋‥日本だったら問題になりそうですが、そこは、ウィーン。おおらかです。

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