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August 20, 2012

お待たせしました メルビッシュ「こうもり」鑑賞記(その1)

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プルミエの評判が高かったメルビッシュの「こうもり」ですが、シーズン後半、やっと観ることができました。

結論から申し上げると、「オペレッタの王道」に原点回帰した見事な仕上がりでした。ある意味、従来のメルビッシュ路線からの転換期を象徴する舞台でした。

いつもながら巨大な舞台装置が印象的ですが、メルビッシュ名物の大階段とアーチが今年は設置されていません。従来と異なるのは、舞台装置の設定を「室内」にしている点です。メルビッシュの場合、基本的に舞台が広いため、今までは屋外のセットで上演することが多く、小屋の中で室内の芝居をするというケースが大多数でした。

ところが、今回は、一幕から三幕まで、原則として屋内という設定でした。そのため、大階段やアーチがないというメルビッシュらしからぬ舞台装置になりました。これも新時代へのつなぎかもしれません。

メルビッシュはレビュー・オペレッタという一つのジャンルを確立したと思いますが、今回は「オペレッタの原点回帰」という感じがしました。

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全体的な感想としては、出演者の水準、演出のレベルとも従来のメルビッシュとは次元が異なる「見事な仕上がり」でした。このメンバーだったらマイクなしの屋内劇場で、ぜひ観てみたいものです。オペレッタは出演者に左右されることを改めて実感しましたね。

さて、今回の演出はHelmuth Lohnerさん、指揮はManfred MayrhoferさんとGünter Fruhmannさん、衣装と舞台装置がAmra Bergman-Buchbinderさん、振付がGiorgio Madiaさん、照明がFriedrich Romさん、音響がWolfgang Fritzさんです。まず、キャストは以下のとおりです。

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アイゼンシュタイン;Herbert Lippertさん・Jörg Schneiderさん
ロザリンデ:Alexandra Reinprechtさん・Elisabeth Flechlさん
アデーレ:Daniela Fallyさん・Sieglinde Feldhoferさん
オルロフスキー公爵:Zoryana Kushplerさん・Katerina Hebelkovaさん
フランク:Harald Serafinさん
ファルケ博士:Daniel Serafinさん(息子さん)
アルフレート:Taylan Reinhardさん・Angus Woodさん
フロッシュ:Helmuth Lohnerさん
弁護士ブリント:Gernot Heinrichさん

なお、FeriはJörg Schneiderさん、Sieglinde Feldhoferさん、Katerina Hebelkovaさん、が出演する舞台は観ることができませんでした。

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という面々です。例によってSerafinさんの口上によって舞台が始まりましたが、ファイナルということで、例年よりも気合いが入っており、ちょっと長めでした。

さて、通常、「こうもり」の場合、序曲では、何もお芝居は行われなのですが、今回はファルケ博士が「コウモリ博士」というあだ名をつけられた「カーニバルでの騒動」が再現されました。

カーニバルで賑わう街中で、「聖人の像」の下で寝てしまい、町の人に笑いものにされるコウモリの仮装をしたファルケ博士。このプロローグは出色です。大人数の出演が可能なメルビッシュらしい気の利いた演出でした。

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第一幕はアイゼンシュタイン邸は、シンプルなデザインが特徴です。右側に2階へ上がる階段が設置されており、これを効果的に使っていました。何となく国立歌劇場の「こうもり」を思わせるセット構成ですね。

アイゼンシュタイン夫婦の巨大な写真が壁に掲げられているところが、メルビッシュらしいところでしょうか。舞台上には小道具もちゃんと置かれていますが、舞台が広いので、小道具の効果を見極めるのは難しいのが難点。

演出はオーソドックスなものですが、アルフレートは最初、客席側から登場します。ロザリンデとアデーレのやりとりは、いつもどおり。ロザリンデがエステ中というのが笑えますね。

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アイゼンシュタインとブリントのやりとりは、ちょっとおとなしい感じがしましたが、舞台が広いため、そのように感じたのかもしれません。

一幕のファルケ博士とアイゼンシュタインとのやりとりは、なかなか手が込んでいて、最後に二人が組み体操のようなポーズになるところが爆笑モード。舞台装置がシンプルな分、お芝居に集中できるような感じがします。

アイゼンシュタインとアデーレが意気揚々と出かけたあと、アルフレートが登場しますが、温かそうなブーツをはじめ寒い冬向きの格好なのが笑える。確かに、それまで面にいるのだから、理屈は通っています。また、アルフレートに敬意を表して歌の大サービス。

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セラフィンさん扮するフランクが逮捕するためにやってくる場面以降も通常通りの演出。ただし、今回は一幕から二幕が暗転なので、この部分だけひねってありました。

逮捕されて刑務所へ連行される途中、舞台左側でアルフレートがフランクや警官に「俺はオペラ歌手だ」と行って、歌を披露して、連行を拒否する場面が入っていました。この間、舞台上では、二幕のオルロフスキー邸への場面転換が行われます。

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二幕のオルロフスキー邸は、アイゼンシュタイン邸の舞台装置を一部転用していました(コスト削減かな)。向かって右側の壁はぶち抜いて、奥の電飾が見えるようになっていましたが、左側はアイゼンシュタイン邸のまま。

ただ、舞台の両袖にはシャンデリアが吊り下げられている小部屋が登場。鏡の効果もあってゴージャスな雰囲気を醸し出していました。ただ、お芝居に使うことはなく、合唱団が入って夜会の雰囲気を盛り上げる程度の使い方でした。

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メルビッシュらしくオルロフスキー公爵はグリゼッテンを引き連れて登場。通常、アイゼンシュタインをウォッカ責めにする場面が見どころですが、今回は軽く済ませていました。

おなじみのアイゼンシュタインとフランクによる「いんちきフランス語会話」が、いつになく充実していて、会場が多いに盛り上がりました。通常よりも、時間も長めにとっていたようですね。

その後、ロザリンデが登場。ちょっと変わったマスクをしていたが、衣装はハンガリー貴族を象徴する緑と赤のドレスです。定番のチャールダーシュ後、休憩に入ります。まぁ、休憩を入れるには妥当なタイミングでしょう。

例によって長くなってきたので、続きは、明日お届けします notes

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