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September 10, 2012

フォルクスオーパー「ワルツの夢」 プルミエレポート(その2)

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昨日に引き続き、フォルクスオーパー「ワルツの夢」プルミエレポートをお届けします。

○キャスティングの成功
2011/12シーズン後半、日本公演が入ったため、準備が大変だったと演出補の女性が話していましたが、恐らく6月に行われた「マダム・ポンパドゥール」のプルミエと平行して制作が行われていたと思われます。

シーズン終了から2カ月もある‥と日本人は思いがちですが、実はこちらでは夏休み。今回、9月8日のプルミエだったので、実質的には夏休み前(つまり6月中)に完成度を高めておく必要があった訳です。これは劇場としても、かなりの負担になったことでしょう。

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そうなると、キャスティングも主役クラスは稽古に時間がとれることが大前提になります。今回、全体的に歌手のレベルが高かったですが、これは、前シーズン、他の演目に出演しない歌手を起用して、十分な稽古を行ったことが、成功につながったと思います。

ヘレネ姫の Caroline Melzerさんは、一見、おとなしそうな感じですが、背も高く存在感があるので、お姫様役にはピッタリ。また、アリアでは声もよく出ており、見事な歌いぶりでした。

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ニキ中尉のThomas Paulさんですが、彼はお芝居が上手。文化の違いに戸惑うウィーン人役を見事に演じていました。こちらも声が良く出ており、歌も聴かせるものがありました。

意外だったのは「こうもり」で切れ味鋭いオルロスキー公爵を演じることが多いAlexandra Klooseさん。今回はお茶目な演技が多く、実力を見直しました。とくに母親代わりにヘレネの幸せを願って動き回る姿に愛情を感じましたね。オルロフスキー公爵とは違ったキャラクターですが、体格が良い分、舞台でも存在感抜群。ある意味、得をしていたかもしれません。

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ヴェンドリンのChristian Drescherさん、ジギスムントのGernot Krannerさんも良い演技を見せてくれました。

二幕からの登場になりますが、事実上の主役、ダーメン・カペレのカペレマイスター・フランツィのAnita Götzさんは、彼女の魅力全開。格式に捕らわれないオーストリアの平民という感じが良く出てていました。歌、お芝居とも申し分ありません。

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三幕で、ニキに別れを告げて、一人、宮殿を去って行くとき、哀愁を感じるのですが、ここも見事。一時でも好きになった人の幸せを願う女性の心情をお芝居で見事に表現していました。いいぞ。

また、ダーメン・カペレのメンバーであるフィフィの Renée Schüttengruberさん、アンネルのAnnerlIrene Halenkaさんも良い味を出していました。

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ある意味、敵役のロタール伯爵役のMarkus Meyerさん。堅物ドイツ人を見事に体現していましたね。また、ヨアヒム大公役のAndreas Daumさんはベテランだけに、舞台を締めていました。

ところで、最近はシュタットバレエに配慮して、フォルクスオーパーのオペレッタでも演出を改訂する際、単独のバレエシーンを加える傾向がありました。が、今回の新演出では、単独のバレエはなし。そもそも、出演者の中にシュタットバレエのメンバーが含まれていません。これは珍しいですね。

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実際には二幕で、ダーメン・カペレの演奏に合わせて踊る場面があるのですから、ここへシュタットバレエを押し込むことも可能だと思うのですが、恐らく上演時間の関係から、合唱団のメンバーがワルツを踊るシーンにしたのでしょう。Feri個人としては、「チャールダーシュの女王」の三幕のように「取って付けたようなバレエシーン」は、ない方が良いと思いますね。

また、オーケストラの演奏も良くまとまっていました。十分、練習をしているとは思うのですが、ウィンナワルツの小節を見事に表現しています。

このあたり、風土としてウィンナワルツの調べが定着しているフォルクスオーパーの強みなのかもしれません。

まだ、マスコミ評は見ていませんが、事前公演とプルミエで、ご年配のお客さまの反応を見ていると、今回の演出は成功しているように思います。

今回のプルミエレポートは3回シリーズ。明日は、周辺情報をお伝えしましょう。

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