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October 17, 2012

番外編 ウィーン国立歌劇場 来日公演「サロメ」

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今日は「ウィーン国立歌劇場の来日公演の模様」をお伝えしましょう。

1980年の初来日以来、今回で8回目となる日本公演。演目は「サロメ」、「フィガロの結婚」、「アンナ・ボレーナ」の3作品です。また、総裁と音楽総監督が替わってからの初来日ですね。

まず、「サロメ」ですが、皆さん、ご存じのように直前になって音楽総監督で指揮も担当する予定だったフランツ・ウェルザー=メトスさんが腕に怪我を負って、ドクターストップがかかり、急きょ、「フィガロの結婚」を振るペーター・シュナイダーさんに交代となりました。しかし、指揮者が腕を怪我する‥どんなシチュエーションだったのでしょうね。ちょっと注意が足りないような‥以下、自粛。

現在、国立歌劇場で上演されている「サロメ」は、1973年12月にプルミエを迎えたロングセラー・オペラです。当然、上演回数も多いですね。演出 は、すでにお亡くなりになっているボレスラフ・バルロクさんの手によるものです。

ただ、来日公演ではウィーン国立歌劇場の初来日となった1980年に5回上演されただけで、その後は、取り上げられることはありませんでした。理由は謎ですが‥

Feriは2008年1月6日(三聖王の日)にウィーンで「サロメ」を観ています。まぁ、「三聖王の日」と「サロメ」は何の関係もないのですが…ちなみに冒頭の写真はウィーン国立歌劇場の舞台ですが、東京文化会館の舞台も全く同じでした。

まず、当日の指揮はペーター・シュナイダー(Peter Schneider)さん。以下、キャストは以下のとおりです。

ヘロデ:ルドルフ・シャシンク(Rudolf Schasching)さん
ヘロディアス:イリス・フェルミリオン(Iris Vermillion)さん
サロメ:グン=ブリット・バークミン(Gun-Brit Barkmin)さん
ヨカナーン:マルクス・マルカルト(Markus Marquardt)さん
ナラボート:ヘルベルト・リッペルト(Herbert Lippert)さん
小姓:ウルリケ・ヘルツェル(TUlrike Helzel)さん
第1のユダヤ人:ヘルヴィッヒ・ペコラーロ(Herwig Pecoraro)さん
第2のユダヤ人:ペーター・イェロシッツ(Peter Jelosits)さん
第3のユダヤ人:カルロス・オスナ(Carlos Osuna)さん
第4のユダヤ人:ウォルフラム・イゴール・デルントル(Wolfram Igor Dernt)さんl
第5のユダヤ人:アンドレアス・ヘール(Andreas Hörl)さん
第1のナザレ人:アルマス・スヴィルパ(Almas Svilpa)さん
第2のナザレ人:ミハイル・ドゴターリ(Mihail Dogotari *)さん
第1の兵士:アレクサンドル・モイシュク(Alexandru Moisiuc)さん
第2の兵士:ダン・ポール・ドゥミトレスク(Dan Paul Dumitrescu)さん
カッパドキア人:ヒロ・イジチ(Hiro Ijichi)さん
奴隷:ゲルハルト・ライテラー(Gerhard Reiterer)さん
という面々です。

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リヒャルト・シュトラウス作曲の「サロメ」は、官能的、かつ刺激の強いオペラですよね。まぁ、あの時代、上演禁止になったことがあるというのも頷けます。

舞台装置と演出は、現在、ウィーンで上演されているものと同じでした。「サロメ」は舞台装置が比較的小振りで、全一幕であるため舞台転換がありませんから、東京文化会館でも問題なく上演できるのでしょう。ふと、2008年1月のウィーンを思い出しました。

さて、「サロメ」をご覧になった方は、おわかりかと思いますが、このオペラ、サロメ役が結構大変です。特に後半、ヘロデス王の前で7枚のドレスを脱ぎながら踊る場面がありますよね。まぁ、バレリーナほど過激な踊りではありませんが、単独で10分以上の長い踊り。踊る歌手の方には結構負担がかかると思います。

さらに、クライマックスでヨカナーンの生首を前にして、10分以上のアリアを歌います。前半は抑え気味にしていても、後半は踊りで息が上がっているところで歌う訳ですから、大変ですよね。リヒャルト・シュトラウスも歌手に挑戦的なオペラを作ったものです。

今回、サロメに起用されたグン=ブリット・バークミンさんですが、Feriは今まで観たことはありませんでしたが、スレンダーなスタイルとは裏腹に、見事な歌いぶりでした。また、最後のアリアでは、揺れ動くサロメの心情を表情で表すわけですが、こちらも見事でした。「魔性の女」を見事に演じていましたね。実は、彼女、現地、ウィーン国立歌劇場では歌ったことがないようです。ただ、個人的には若いとは言え、中1日でサロメ役を演じるというのは、ちょっと負担が大きすぎるような気がします。ダブルキャストならば中1日もわかるのですがね‥

このほかの出演者では、ヘロデのルドルフ・シャシンクさんは、体格も王様向きで、悩む姿が印象的でした。また、王妃ヘロディアスのイリス・フェルミリオンさんも、雰囲気がピッタリでしたね。そして、サロメの要請で首をはねられてしまうヨカナーンのマルクス・マルカルトさんも、見事な歌いぶりでした。特に井戸の中から歌う場面が良かったですね。

演奏に関しては、リヒャルト・シュトラウスが得意なウィーン国立歌劇場らしく、そつなく見事なものでした。
Feriはメストさんが指揮をした「サロメ」は観たことがないので比べることができないのですが、ペーター・シュナイダーさんの指揮も安定していて良かったと思います。ただ、前半、「サロメ」と「フィガロの結婚」を続けて振ることになるので、体力的な面がちょっと心配ではありますが‥

内容面では合格レベルでしたが、公演の間隔を現地よりも詰めるのであれば、ダブルキャストにするなどの配慮がほしいような気がします。皆さまは、どのように思われますか?


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Comments

いつも楽しく有益に拝読させて頂いております!

1980年ヴィーン国立歌劇場初来日公演、わたくしも高校生の時分に見に参りましたが、翌年亡くなったベームは「フィガロ」「ナクソス」2作の指揮。「サロメ」はホルライザーの棒ではなかったかと記憶しております。

初日の「フィガロ」では開幕前にベームの指揮のもと日墺両国歌の奏楽がありましたね。「ヤノヴィッツは不調だが出演する」とアナウンスがあったものの美事なコンテッサを聴かせてくれました。

懐かしくも克明におぼえています。

Posted by: | October 17, 2012 09:04

初めてコメントさせて頂きます。

その時の指揮は、カール・ベームさんでしたね⇒
私もそのように記憶していましたが、亡くなる前年のべームにはこの作品を振る体力が既に無く、ホルライザ―とシュタインの2人が分け合っていたようです(その2人も既に鬼籍)。べームは全公演ではないものの、『フィガロ』『アリアドネ』を指揮しました。

Posted by: Vermeer | October 17, 2012 10:01

Octoberさま、Vermeerさま、コメントありがとうございます。

ご指摘のとおり、私の勘違でした 。1980年、「サロメ」はNHKホールで4回、大阪フェスティバルホールで1回の都合5回上演されましたが、NHKホールの3回がHeinrichHollreiserさん、残る2回がHorstSteinさんでした。

HorstSteinさんがウィーン国立歌劇場の来日公演で指揮をしたのも1980年の公演だけでしたね。

カール・ベームさんについて、もう一度、調べましたが1980年の来日公演では「ナクソス島のアリアドネ」を1回(10月9日)、「フィガロの結婚」を4回(9月30日、10月3日、10月13日、10月17日:大阪)、指揮されていました。

Posted by: Feri | October 19, 2012 07:53

いまのサロメは91年でなく70年頃の舞台ではないでしょうか。

Posted by: NN | October 19, 2012 21:32

NN様、お返事が遅れて申し訳ありません。

その後、もう一度、国立歌劇場のプログラムを引っ張り出して確認しましたが、ご指摘のように1972年12月22日にプルミエを迎えたバージョンでした。大変失礼いたしました。記事も修正しております。

なお、このプルミエではカール・ベームさんが指揮をしたという記録がありました。

Posted by: Feri | October 21, 2012 09:24

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