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November 07, 2012

どちらが本家? フンデルト・ヴァッサーの清掃工場

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今日は「フンデルト・ヴァッサーの作品にまつわる話題」をお届けしましょう。

今、Feriはウィーン国立歌劇場の来日公演に合わせて「日本で出稼ぎ中」です。先日、大阪で仕事がありました。訪問先を地図で確かめると、近くにかの有名な舞洲清掃工場があることがわかりました。そこで、アポイントメントのちょっと前に現地へ行き、清掃工場周辺を散策することにしました。

大阪市の舞洲清掃工場は、ご存じの方も多いと思いますが、フンデルト・ヴァッサーがデザインした作品として有名です。ウィーンの清掃工場(シュピッテラウ焼却場)の姉妹施設ような感じですね。

本当は構内には行って見学したかったのですが、事前予約制となっているため、今回は公道からの見ただけです。

舞洲というのは埋め立て地なのですが、かつて大阪がオリンピック誘致活動をしていた時、会場として考えていた場所だそうです。対岸には、有名なテーマパークユニバーサル・スタジオ・ジャパンもあります。

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車で付近まで行ったのですが、橋を渡っている時にびっくり仰天。何と道路を挟んで両側にフンデルトヴァッサーがデザインした建物があるのです。お恥ずかしい話ですが、Feriは、てっきり一棟だけかと思っていました。

二棟あるため、ウィーンのご本家シュピッテラウ焼却場よりもインパクトがあります。知らない人が見たら、こちらがご本家と勘違いしてしまうかもしれません。

市内から舞洲に入る時、向かって左側に見えるのが2001年に完成した大阪市環境局舞洲工場(三枚目の写真)で、右側に見えるには2004年に完成した大阪市舞洲スラッジセンター(二枚目の写真)です。舞洲工場はゴミの焼却施設、スラッジセンターは下水汚泥処理施設です。

今までも写真で見たことはありますが、現物を間近に見るとやはりインパクトがありますね。とくに周囲の建物が無機質なビルディングや倉庫なので、ひときわ目立ちます。

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ウィーンのご本家(シュピッテラウ焼却場、1991年完成)と共通したコンセプトがうかがわれます。曲線を多用したデザインや金の玉、独特の色使い、正にフンデルト・ヴァッサーの作品です。そうそう、屋上には大阪市の市章(みおつくし)がしっかりと取り付けられていました。これが大阪の証でしょうね。

なお、清掃工場の方は、ダイオキシンなどの汚染物質を排出しない最新の高性能焼却炉が据え付けられているとか。焼却能力は1日900トンだそうです。

この記事をまとめるにあたって、色々と調べてみたのですが、舞洲清掃工場の総事業費は600億円、シンボルとなっている煙突1本が29億円とか。気になるデザイン料は6000万円でと紹介しているサイトがありました。

一方、後から完成したスラッジセンターですが、総事業費は清掃工場を上まわる800億円。そしてデザイン料は9000万円だったそうです。

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ちなみにスラッジセンターとは、下水処理の過程で発生する汚泥を最終処理する施設です。処理の過程で出た汚泥を、溶融しスラッジという無害の砂状の物質にして、建設資材として再利用するというもの。また、汚泥を脱水・減量化し、埋立て土砂の代替として再利用、処理過程で発生するメタンガスは発電などに使わるそうです。このアイデア自体は資源の再利用という観点で素晴らしいことだと思います。

ただ、インターネット上では、大阪の皆さんを中心に、この両施設について批判的な記事が多いですね。要するにお金がかかりすぎている‥ということでしょう。

今、マスコミで話題を振りまいている大阪市長さんは、伝統芸能である文楽の補助金をカットするくらいの方ですから、こういった「役人の無駄遣い」が大嫌い。今だったら、絶対の却下されていたことでしょう。

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ところで、夜間人口が事実上、ゼロの地域に派手なデザインを誇る2つの施設があるのは、やはり違和感を感じます。

ウィーンのシュピッテラウ焼却場については、単にゴミの焼却施設という位置づけではなく、地域のエネルギー供給プラントなのですよね。エネルギー供給プラントなので、郊外にあると効率が悪い。そこで、比較的、都心に近い場所に設けられています。

実際、ゴミの焼却によって発生したスチームなどを地域に供給している訳で、重要な施設です。都心部に近いところにあるため、無機質なデザインでは‥ということで地域のランドマークになるようにフンデルト・ヴァッサーのデザインを採用したのでしょう。

このコンセプトはよくわかります。また、フンデルト・ヴァッサーは、自然を愛する芸術家(自然界に直線はない)だったので、そいういう意味では、環境に配慮した施設なのでデザインを引き受けた可能性はありますね。

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日本では、清掃工場は地域住民から嫌われる施設の代表ですから、多くの都市では街外れに建設されます。そのため、地域へのエネルギー供給源に使用するのは難しいようです。

東京都では、ゴミの焼却処理は原則として発生した区内で行うという方針転換が行われてから、渋谷、池袋、杉並などの都心部に清掃工場が数多く建設されました。が、都心部にあるにもかかわらず、デザインは実用一点張り‥ちょっと残念です。また、せっかく発生する蒸気や温水は併設されているスポーツセンターや老人施設での使用どまり‥今のように電力需要が逼迫することがわかっていれば積極的に発電などに使用するという考えもあったのかもしれませんが、ちょっと残念です。

そう言えば、スウェーデンでも地域のエネルギー供給にゴミ焼却熱を使っているそうですが、ゴミが少なくなっているため、今後は輸入も検討しているというニュースを耳にしました。
舞洲の施設はデザインだけご本家のマネをして、肝心のコンセプトを導入できなかったことが本当に惜しまれます。

余談ですが、その昔、フンデルト・ヴァッサー・ハウスのミュージアムショップに行ったとき、日本人の観光客グループと一緒になりました。皆さん、お土産物を物色している中で、舞洲清掃工場の写真を見つけて、“何で、大阪のゴミ工場の写真があるねん”(関西の方だったようです)という感嘆の声を上げていました。実は、ウィーンが本家なのですがね‥もしかしたら、大阪が本家だと勘違いしたのかもしれません。しかし、実際、写真だけアップにして見ていると、どちらが本家かわかりませんね。


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