« 変わったお店シリーズ69 アートか、やり過ぎか? | Main | 番外編 オペラ引っ越し公演雑感(その2) »

November 10, 2012

番外編 オペラ引っ越し公演雑感(その1)

217610_fe3

今年はウィーンフォルクスオーパーとウィーン国立歌劇場というウィーンを代表するカンパニーが来日公演を果たしましたが、今日は「オペラの引っ越し公演についての雑感」をまとめてみました。

○外来オペラ公演は儲かるの?
Feriは決して世界の音楽事情に精通している訳ではありませんが、外来オペラの引越公演が、これだけ頻繁に行われる国は日本ぐらいではないでしょうか。まぁ、ヨーロッパの場合、ほとんどが陸続きですから、東京から大阪、福岡、札幌へ行く感覚で外国の歌劇場に出かけることができますので、引っ越し公演は考えられませんね。となると引っ越し公演の対象となるのはアメリカ大陸、アジア、オセアニア‥ということになります。

日本に潜在的なオペラファンが、どのくらいいるのかはわかりませんが、ディアゴスティーニが2009年9月から発売した「隔週刊DVD オペラ・コレクション」(全65巻)が販売元が想定した以上の売れ行きだったという話を聞いたことがあります。

Img_108_11_6914_001

余談ですが、こういったシリーズものの場合、初回の売れ行きがシリーズ全体の売上を予測する上で重要なデーターになるそうです。出版業界の方のお話だと、この売れ行きから考えて、「日本の潜在的なオペラファンは多いのではないか」というお話でした。

つまり、公演を打てば商売として成り立つ‥という判断があるからこそ、ウィーン国立歌劇場やフォルクスオーパーをはじめとする欧米の歌劇場が毎年、来日しているのだと思います。実際、一つのカンパニーを招へいするに当たって、どれくらいの経費がかかるのかは全くわかりませんが、オペラの引っ越し公演ではスタッフも入れると300名規模で来日する訳ですから、膨大な経費がかかると思います。

協賛企業を募って、一部の費用を負担してもらわないと運営できない‥というのは事実のようですね。しかし、何と言ってもお客さまがお金を払ってきてもらないことには、話になりません。有償のお客さまで満席になって、はじめて利益がでる位の採算ラインではないかと思っています。

Feriは最近、日本のオペラファンが減っているのではないか…という印象を持っています。というのは、チケットの売れ行きです。

もちろん景気の低迷により可処分所得が減っているという社会的背景が大きいとは思いますが、ウィーン国立歌劇場の来日公演チケットが抽選制だったのは、確か2000年までだったような気がします。

その後は、券種さえ選ばなければ、比較的容易にチケットが買えるようなりました。そのため、当然のことながら、正規のチケットにプレミアをつけてインターネット上で販売する‥というケースは激減しましたね。また、劇場前でチケットを販売するダフ屋(日本では違法行為)も見かけなくなりました。

Img_108_11_6769_001

今回のウィーン国立歌劇場来日公演でも、当初は劇場で次の公演チケットなどを割引で販売をしていました。昔ならば考えられなかったことです。

逆に最近多いのは、協賛企業向けに招へい元が配布している招待券を券種の定価より安くオークションで販売するケースです。フォルクスオーパーの時は、目立ちましたね。S席が半額くらいから出ていましたから、正直、Feriはショックでした。協賛企業は名だたる日本の著名企業。そこへ流れたチケットで社員か関係者が小遣い稼ぎ‥何か夢のない話ですね。

ちなみに今回のフォルクスオーパー、国立歌劇場の来日公演は、表向き満席になっていますが、現実問題、定価でチケットを買ってきている人がどれくらいいるのでしょうね。ガラガラでは招へい元の顔がつぶれてしまうので、最後は招待客で満席にしているような気がします。これは会場に来ているお客さま同士のお話から、容易に想像がつきます。

Feriは基本的に、現在、日本ではオペレッタやオペラは観ないので、他のカンパニーの状況は存じませんが、やはり集客に苦労しているのではないでしょうか。

○チケットのお値段
毎回、話題となるのが来日公演チケットのお値段です。今年、フォルクスオーパーで行われた「お客さまとの集い」(劇場幹部とお客さまの懇談会)に出席した際、ウィーンのファンから、「日本公演にチケットはいくらなの?」というシュールな質問がでました。マイヤーさんが、「最高が390ユーロくらい」と答えると、会場からはため息が‥そうですよね。

ウィーンでは80ユーロですから‥日本人には金持ちが多いと思ったことでしょう。でも、実は日本ではオペラのチケットは高いですよね。

Img_108_11_6909_001

今回のウィーン国立歌劇場の場合、S席が59000円、A席が52000円で、最も安いエコノミー券が10000円、学生券が8000円でした。

これでも協賛企業からの寄付がなければやっていけないそうですから、いかにお金がかかるか‥ということでしょうね。舞台装置に関しては、現地から持ってきて使えるケースもあるようですが、舞台の大きさが違うため、新しく日本用に制作する方が多いとか。そうなると、わずか数公演でお役御免になるわけですから、経費は膨らむ一方です。

○東京公演中心の事情は?
ウィーン国立歌劇場が初来日した1980年は東京と大阪で全22公演、2回目の1986年は東京、大阪、名古屋、横浜で全22公演、上演されています。しかし、その後、1989年以降、基本的に東京中心の公演に切り替わりました。オーケストラによるコンサートと異なり、オペラの場合、舞台装置や衣装などを運搬する必要があるため、国内巡業は非常に経費がかかると思います。

もし、この費用をすべてチケット代金に上乗せしたとすると、10万円近い金額になってしまうかもしれません。もちろん商売として成り立つのであれば、地方公演も可能なのでしょうが、招へい元は現状では難しいと判断しているのでしょう。これが出演料などが安い東欧系オペラのみ、地方公演を実施している裏事情だと思います。

また、最近、マチネ公演を増やす傾向がありますが、これも地方からのお客さまを考慮しているためだろうと思います。最も関東近県でも、ソアレ公演は22時を回ると帰宅するのが大変になります。カーテンコールの途中で、一斉に帰り出すのは、そのためなのですが、そのように考えるとマチネ公演の方が助かりますね。

いい気になって記事を書いていたら、長くなってしまったので、続きは明日、お届けしましょう

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

11_br_banner_ochiba


オペラ |

« 変わったお店シリーズ69 アートか、やり過ぎか? | Main | 番外編 オペラ引っ越し公演雑感(その2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 変わったお店シリーズ69 アートか、やり過ぎか? | Main | 番外編 オペラ引っ越し公演雑感(その2) »